金魚ちゃんの週末インプット★

読んだ本や漫画、観た映画の感想を書いたり作った料理の記録をしたりするブログ。

【料理感想】2020年3月28日 蘇

はいこんばんはRM307です。今月は料理回。この一ヶ月で作った料理は鶏ハムぐらいかな。
先月末久しぶりに作ったのだけど、美味しくて毎週作って食べていた。母にも好評でした。
冷凍食品よりも安くなるので良いな。食べ飽きるまでは今後もしばらく作り続けようと思う。
ちなみに鶏ハムに使わない皮は、猫にあげたりカリカリの鶏皮せんべいにしたりしました。


さて今月の料理回、今回は古代日本で作られたチーズです。Twitterで流行しているらしい。
そんな食べ物があったとは!僕は今回ニュースサイトで取り上げられた事で初めて知りました。
使用したレシピはこちら。牛乳を熱して水分を飛ばすだけ。少し時間はかかるけどとても簡単。
https://cookpad.com/recipe/1772193
僕もレシピ同様250mlで作りました。最初はとろ火だったけど、固まる気がしなかったので、
こちらのサイトを参考に途中から中火で熱して作りました。完成までかかった時間は30分弱。
https://note.com/sarisally1/n/n759d4eb9e579

20200328_切る前の蘇
完成したものはこちら。かなり小さくなったな。冷蔵庫で冷やしてから切って食べました。
20200328_切った蘇
味は・・・おお、市販されているチーズとはぜんぜん違う。濃厚!そしてしっかり甘みがある。
美味しい!牛乳だけでこんなに違う味になるんだな!面白い。もっと作っても良かったかもな。
母にも好評だったので良かった。僕は以前腎臓結石を患ったのであまりチーズを食べない方が
良いのだけど、気が向いたらまた作ってみよう。パンにはさんでも良いかも!それではまた。

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【漫画感想】2020年3月21日 私立!星乙女学園バニーガール学科1巻

はいこんばんはRM307です。今週は没先生の「私立!星乙女学園バニーガール学科」1巻の感想。
コミティアで出された同人誌です。Web連載分の1~3話のリメイクと描き下ろし漫画が2ページ。

1巻(現在は売り切れ)
https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=631575
Web版
http://bossanism.com/hosiotome.html

【あらすじ】
私立星乙女学園にはバニーガール学科、猫耳メイド学科など、ちょっと特殊な学科が存在する。
三角、ナギ、マユマユの三人は、今日も泣いたり笑ったり、叫んだりツッコんだりしながら
立派なバニーガールになる為精進している・・・はずだけど、メインは日常コメディだよ!

20200321_「私立!星乙女学園バニーガール学科」1巻

表紙はサイトのトップページ同様ナギが真ん中で嬉しい。表紙から飛び出している感じも良い。
ロゴもそうだけど、没先生はデザインがお上手だよね。僕はこういうセンスが無いので羨ましい。
あとこれはケチをつけている訳では無いけど、英訳タイトルが結構長くてちょっと面白かった。
ナギは髪の色の兼ね合いでセンターが多いのかな?と思っていたのだけど、裏表紙を見ると
紹介が一番上にきている。もしかして主人公ってナギだったの?!ずっと三角だと思っていた!
元気が良くてアホっぽいので・・・。単純に元気娘が主人公だと思ってしまうタイプです。

Webの旧版はアナログで描かれていたけど、本編はデジタルでオールリメイク。本になった事で
より漫画ぽさが増している(いや元から漫画なんだけど)し、上達されていてコミカルな表情の
表現力も上がっている印象。ただ個人的には初期のアナログの作画も絵柄もすごく好きなので、
どちらの作画も良いと思うし、できたらサイトでは旧版も残しておいてもらえると嬉しいなぁ。

【第1羽 バイト面接】
内容はWebで何回も読んだので特に語る事は無いんだけど、三角の面接で思い出した事がある。
以前司書補の資格を取った後、何度か司書や学校司書の採用面接を受けたのだけど、その中で
「印象に残っている本は何ですか?」と訊かれた事があった。「最近読んだ本は何ですか?」
という質問に対する回答は用意していたのだけど、とっさの事で頭が真っ白になり適用できず、
「村上春樹作品には大きくココロを動かされたからそう答えようか、でもにわかだと思われて
そこまで本に興味を持っていないのではと勘ぐられたらどうしよう・・・」と混乱してしまった。
結局何と答えたか覚えていない。今同じ質問をされても大して答えられない気がするな・・・。
という事で、パニックに陥った三角に共感したのだった。思い出せないよね、わかるよ・・・。
よく泣いている三角、ギャグ調の泣き顔が可愛いんですよね。こちらは今の絵柄の方が好き。

旧版とリメイク版のどちらの作画も良いと書いたけど、デジタル作画ではトーンや直線ツールを
使えるので、自分で補完せずそのまま摂取できる分、リメイク版の方が読みやすくて良いのかも。
作画のクオリティが高いと、シュールなコマはよりシュールに感じるし。ギャグ向きなのかな。

【第2羽 vs猫耳メイド学科】
こいつ・・・と思われそうだからあまり言いたくないんですが、純粋なバニーガールコスの時は
真っ先に胸の谷間に目が行ってしまう訳で。昔はそんな事無かったのにな!純粋に話の中身に
注目していたのに・・・まぁそれはともかく、新旧の谷間を比較したら描き方が違っていた。
旧版は寄せて上げるって感じだけどリメイク版はコスチュームを胸に当てただけに見えるな。
後者の方が現実に近いのかな?まったく詳しくないので間違っていたら申し訳無いんだけど。

猫耳メイド学科の成宮なるみさん、うさぎのフンのコマは、個人的には旧版の方が好きだな。
荒んでいる表情がとても良い。「こわ~い」を活かすならリメイク版の方が良いんだろうけど。
あと梅子さん、28ページではけんもほろろだけど、20ページでは笑顔を見られる。可愛いな。

でも2羽で一番良いのは男性に話しかけに行けないナギですね。普段はわりとオラオラ系なのに、
意外性があって良い!でも男性に耐性が無い、誰とも付き合っていないからといって、別に
僕にチャンスが生まれる訳では無いんだよな。はぁ、ナギと付き合っていろんな面を知りたい。
私生活では没先生のTwitterのヘッダーのような、可愛いおさげ姿も見られるのかなぁ・・・。

おまけページには狐耳巫女さんが描かれている。優しげな表情が可愛い!しっぽももふもふ。
このイメージとはぜんぜん違うけど、マユマユって狐ぽいですよね。ナギは狼、三角はわんこ?

【第3羽 真百合のデート】
尾行の為髪型を変えた三角とナギが可愛い!おさげ眼鏡良い!髪留めもギャップがあって良い!
あとまた胸の話をしますが、32ページのマユマユの胸、1巻の中では一番好き。大きい・・・!
そして同じくマユマユの、東大寺くんに髪に着けられたマリーゴールドの花を一瞬で取るコマが
1巻で一番好き。面白いwビデオで撮るマユマユも、ちょっと嬉しそうな表情が可愛いなぁ。

【おまけマンガ バニ学あるある】
大好きな三角の泣き顔を見られて良かった。いちいちしっぽをつけ替えるの、たしかに面倒だ。
最後ナギは何も言わないけど、ちょっとむっとしているのが面白い。血痕トーン、僕も使いたい。


以上、特に良い感想にならなかったけど。今後の連載の続きも楽しみですね。それではまた。

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【映画感想】2020年3月14日 君と、徒然

はいこんばんはRM307です。今週は映画回、今月も実写映画の「君と、徒然」の感想。微百合。
10代、20代、30代の女性同士の関係を描いた三本立てのオムニバス形式の短い作品です。42分。

君と、徒然
秦佐和子
2019-07-17


Episode 1 17歳と17歳
読書家の物静かな少女と、彼女に話しかける明るく元気な少女。王道のカップリングですね。
静かに下校したり、電車内で並んで黙々と読書をしたり。大きな展開がある訳では無く、淡々と
時間が流れていくのだけど、きっとふたりは沈黙が苦にならない良い関係なのかな、と思った。
こういう特別な時間、素敵ですよね。僕もかなり昔に好きだった相手とこうやって過ごしたな。
元気な少女は「明日の映画楽しみだね」と言って笑顔で去っていく。物静かな少女も、表情は
ポーカーフェイスを崩さないのだけど、でもちょっぴり嬉しそうで。その明日も観たかったなぁ。

Episode 2 21歳と20歳
大学の先輩後輩。最後に先輩が「退学届を出したんだ」と大学を辞める事を突然後輩に伝える。
これを観て、「生天目先輩の百合学時代のエピソードもこれだけ描けば良かったんじゃ?!」と
気づいた。そうすればもっと楽できていたかもしれないのにな・・・w当時は一話で成立する
「終わり」のエピソードを構築できなかった。こういうやり方もあったのだなと勉強になった。

Episode 3 31歳と30歳
何となく死にに行くふたりなのかな、と思って観ていたらやっぱりそうだった。30代にしては
ずいぶんと若い服装(偏見に聞こえたらすみません)なのにも何か意味があったのだろうか。
「少女のような純粋な気持ちを捨てない」という意志の表れだったのかなぁ。その気持ちには、
お互いへの特別な感情も含まれていて。もしかしたらその事でつらい目に遭ったりしたのかも。
まぁこれはただの想像ですが。ふたりがいつまでもいっしょに、幸せに生きていけますように。


以上、正直なところ、百合を期待して観ていたので物足りなさを感じた。短かった事もある。
もっと長い物語を観たかった。映像の切り取り方も相まって、何だか映画ぽくない印象だった。
技術が拙いと言いたい訳では無くて、ホームビデオやスナップ写真の延長のような感じがした。
そのへん狙って作られたのかもしれないな。日常の、でも一瞬一瞬が大切な時間、なのかも。

ちなみに声優の木戸衣吹さんと五十嵐裕美さんも出演されています。でも顔を知らなかった。
そういえば先月の映画回で書いたスクールガール・コンプレックス~放送部篇~」の感想で、
「寿美菜子さんも出演されていたんだ!声優でも映画に出るのだな」と書いたけど、寿さんは
もともと子役出身らしかった。なるほど!映像の演技もできるなんてすごいな。それではまた。

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【読書感想】2020年3月7日 魔性の子

はいこんばんはRM307です。今週は読書回、今回は小野不由美作の「魔性の子」の感想。
十二国記シリーズの実質1作目。ただファンタジー色は強くなく、怪奇、現代ホラー作品です。
読むのは十年以上ぶり2回目。内容をほとんど忘れていたけど、ヘビーだった記憶はあった。

魔性の子 十二国記 0 (新潮文庫)
小野 不由美
新潮社
2012-06-27


【あらすじ】
大学生の広瀬は、教育実習の為に母校を再訪した。そこで一人の不思議な空気をまとった生徒と
出会う。彼の名は高里。担任である広瀬の恩師の後藤によると、彼は問題児だという事だった。
ただ高里自身に問題があるのでは無い。彼は台風の目で、周りの人間が荒れるのだという。
彼をいじめた生徒が突然大怪我をしたり、命を落としたり。生徒たちは言う。「高里は祟る」。
広瀬はそんな高里に自分と同じものを感じて守ろうとするが、祟りはエスカレートしていく。
高里の内なるエゴがそうさせているのか、それとも子どもの頃の「神隠し」が原因なのか――。


終盤以外内容を忘れていたので、新鮮な気持ちで読めた。しかしストーリーは新鮮という言葉が
似つかわしくない、凄惨な内容でびっくりした。高里は祟る、過去に周囲の人間が不審な死を
遂げている。ちょっと不気味だなくらいの気持ちでいたら、高里の為を思って彼を殴った岩木が
誰かも判別できなくなるぐらいに顔がぐちゃぐちゃになって死んだり、それを責めた生徒たちが
屋上から集団自殺をしたり。その後も高里の家族や高里の祟りの事を嗅ぎつけて追い回していた
マスコミたちが獣に食い荒らされたような姿で死んだり、高里たちを非難した広瀬のアパートの
住人たちが火事で焼死したり、ついには高里の高校が倒壊して多くの犠牲者が出たり・・・。
ここまでひどい事が起きるのか・・・と小説を読んでいて久しぶりに大きな衝撃を受けた。
今回読み返すまで、アニメの「十二国記」は杉本が居るからこの作品のアニメ化はできないな、
とぼんやり考えていたけど、杉本が居なくてもこれはアニメにできないな・・・恐ろしすぎる。

何が悲しいって、あんなに良い子だった泰麒(高里)が、何一つ悪い事をしていないのに友人や
家族、そして世間の人々から糾弾されていた事。学校では腫れ物に触るような扱いを受けて、
家でも家族から存在を否定され、祟りが広まってからは世間の人々から悪意を向けられて・・・。
特に母親の豹変が一番悲しかったな。神隠しの前ではあんなに高里の事を大切に思っていて、
泰麒も会いたいと泣いていたくらいだったのに。高里を殺したいぐらい呪うようになるなんて。
僕も、僕の母親はこの世界で唯一僕を受け入れてくれる存在なので、もしも高里の母親のように
憎み疎まれるようになったりしたら、もう生きていけないくらいつらいだろうな。本当の孤独。
また、自分からは話さなかったので誰も高里の事を理解していなかったけど、ココロの中では
悲しみ、苦しみ、涙を流していた事を思うと・・・。どうしてこんなにつらい思いをしないと
いけなかったんだ、と無性に悔しい。慈悲の生き物である彼にはつらすぎる運命だよ・・・。
周りで誰かが傷つくたびに、一人死ぬたびに、自分も深く傷つく高里が可哀そうだった・・・。
そして、高里の家が留守みたいで弟も父親も学校や職場を無断で休んでいる、という会話では
思わずああ・・・とため息と、読んでいて若干めまいがした。ついに家族までが犠牲に・・・。
何も知らない野次馬の「親まで祟り殺しやがって!」という罵声が、今回一番つらかったかも。

でも正直――これを言うとあーるえむ君性格悪いなと思われそうだけど(いや今さらか)――、
高里の母親や、広瀬のアパートの住人たち、ハイエナのようなマスコミの人間たちが無残に
殺されたところは「あー良かった」と結構すっきりしてしまった。もちろんそれによって深く
ココロを痛めた高里は可哀そうだけど、恐怖と苦痛の死を遂げてしかるべきだと思ったのだ。
高校が倒壊して校長や教頭が死んだのも良かったけど、無関係な生徒たちも巻き込まれたのは
ちょっと悲しかったかな。でも正直なところ、スケールの大きさに少しぞくぞくしてしまった。

麒麟は血の穢れで弱る仁の生き物なので、蓬莱では長く生きられないとどこかに書いてあった。
高里は肉や魚を食べながらも、よく高校生まで生き続ける事ができたな。食べられないものは
無いと言っていたし、胎果の殻の姿では麒麟とは違う身体の作りになるのかな?あるいはまだ
この頃はそこまで麒麟の設定が固まっていなかったのかもしれないけど。ちょっと謎ですね。
それとなぜ泰麒の使令たちは、泰麒が被害に遭ってすぐでは無く、しばらく経ってから報復
したのだろう?廉麟の使令はすぐに攻撃をしたよね?どんな違いがあったのかわからない。
泰麒の身を守る存在なのであれば、すぐに姿を現して相手に反撃するべきだと思うんだけど。

しかしこれが第一作という事に本当にびっくりする。リアルタイムで読んでいた人は疑問だらけ
だったんじゃないかな。たとえば麒麟が王以外に膝を折らない伏線は作中で説明されていない。
ただ広瀬と読者に謎を残しただけ。高里が思い出した戴極国や蓬盧宮という十二国のワードも、
直接伏線や謎を解くキーにはなっていないし。いずれもこの作品だけでは回収されない部分。
読者にもちゃんと説明しない、本当に十二国の世界から帰ってきた高里にしか意味がわからない
作りになっているのがめちゃくちゃすごい。商業作品でこんな事をやっちゃえるんだな・・・。
当時は読者からどういう評価を受けていたのだろうな。まとめているサイトとか無いかな?
「未回収だけどこれは伏線だったのか?」という疑問点とどう向き合っていたのか気になる。

あと今回初めてWikipediaのページを開いたのだけど、十二国記シリーズを書く予定があって
この作品が書かれた訳では無く、十二国の設定はただこの作品の為だけに考えられたらしい!
じゃあ余計に作中でぜんぶ説明するべきじゃん!それをしないってものすごい勇気じゃない?
もしかしたら十二国記シリーズは世に出なかった可能性もあって、その場合はただただ読者に
謎を残しただけで終わった訳で、ますますそんな事をできるなんてすごいな・・・と驚いた。
ある意味不死鳥先生と似ているタイプなのかも。不死鳥先生の構築する世界観もすごかった。

他にも上手いなぁと思ったところは、人は汚い生き物だ、エゴは醜いというテーマが描かれ、
てっきり高里にも適用されるものだと思って読んでいたら、高里は麒麟であり人では無かった、
という流れ。ここも初見だと見破れない気がする。ちょっとずるいような気もするけど・・・w

ただ違和感のあるところもあって、たとえば理科室のメンバーの岩木が死んだ後も、メンバーが
集って岩木の軽口を叩いたり談笑できたりする事。高校生を子ども扱いしている訳では無いけど、
普通はもっとショックを受けそうなものじゃない?見知った顔が突然、しかもあんなかたちで
死んだりしたら一生物のトラウマのような気がするけど・・・。屋上からの集団自殺後も同様。
鋼メンタルだ。まぁ創作だから良いんだけど、ちょっとリアルじゃないように感じてしまった。

でも橋上は良いな。高里の元に殺到する逆上した生徒たちを守るシーンはカッコ良かった。
あと十時先生。事情を知っていながら自分の部屋に広瀬と高里をかくまってくれたのがすごい。
もしバレたら自分も世間から非難されるかもしれないのに、勇気があるなぁ。僕にはできない。
後藤先生も好き。こういう大人って良いよなぁ。これからも広瀬との交流が続いていくと良いな。
ちなみにこの十時先生、養護教諭だから女性だと思っていたら、男性でちょっとがっかりしたw
ずっと敬語だったし、最後になって「彼」って書いてあるんだもの。勘違いしちゃったよ!w

後藤先生の広瀬への言葉はぐさぐさ刺さったなぁ。こことラストが僕にとって重かったのだ。
現実世界に馴染めず、広瀬が帰りたがっていた夢の中の世界。後藤はそれをおとぎ話だと言う。
誰でもこの世界から逃げたい、自分の為の世界へ戻りたいと思う。でもそんなものは無いのだと
はっきり否定する。人は現実の中で生きていかないといけない、どこかで折り合いをつけないと
いけない、いつかは切り捨てないといけないのだと広瀬を諭す。「それは広瀬にとって恐ろしい
科白だった」という地の文があるけど、それは僕にとっても聞きたくない、耳の痛い言葉だ。
僕もネットの世界に入り浸り、重きを置いているのは、現実世界から逃げる為でもあるからね。
不覚にも涙を流す広瀬がせつない。でも、後藤先生の「広瀬。俺たちを拒まないでくれ」という
セリフは良いなぁ。広瀬の事を大切に思っているんだよね。でも、やっぱりその言葉は刺さる。

その後、高里の過去が明らかになりそうになっても、広瀬は彼にそれを伝える事ができなかった。
そして伝えた後も、十二国の世界へ戻ろうとした高里を前に自分が追い詰められているような
感覚がしたり、自分が置いていかれる不安から引き止めたりしようとするところが悲しいなぁ。
「俺を置いていくのか」と高里にすがる広瀬の姿を見るのも、覚えてはいたけどつらかった。
高里がいくら迫害されようと、日本中が敵だらけになろうと、彼を守ってきた。でも最後に、
彼が選ばれ、自分が選ばれなかった時、彼だけが戻り、自分だけが戻れないとわかった時、
汚いエゴが表出した。なんて悲しいのだろう。最後の最後に回収されてしまうのがキツい。
広瀬もつらいだろうけど、高里もとてもつらいだろうなぁ・・・。唯一の理解者だったから。
でも文中に汚いと書いてあるけど、それが人なんだ・・・広瀬を責める事はできないよ・・・。
広瀬にとっても高里は唯一の理解者だと思っていたのだ。どちらの気持ちも考えると・・・。
何となくは覚えていたけど、ここまで痛みを伴うシーンだとは思わなかったな。苦しかった。

一番好きなシーンは、広瀬と高里がふたりでロライマ山での隠遁生活の計画を練るところ。
どこかで夢物語だとわかりながら、幸せそうに想像している様子がとても良く、そしてせつない。
ラストシーンで、広瀬の耳に高里の「――山に……ってください」という叫びが聴こえる。
そこで広瀬の足取りがたしかになるのも良い。広瀬はロライマ山へ行く事ができたのだろうか。

メディアに槍玉に挙げられ、広瀬はその後どういう人生を歩んだのだろうととても気になる。
大学には戻れたのか、それとも辞めて、高里の考えていたような生活を送ったのだろうか。
とてもじゃないけど平穏無事に元の生活に戻れたとは思えない。今度は孤独な戦いだな・・・。
隠遁生活を送っているのか、それとも幸せに生きる事ができたのだろうか。知りたいな・・・。
かつてみた甘い夢の世界に帰りたいと望んでいた広瀬が、この現実世界でたしかなものを得て、
前向きに生きる事ができていますように。それは広瀬に自分自身を重ねている僕の祈りなのだ。
本当に幸せでいて欲しいと思う。それが、僕を含めた異端者たちの希望にもなっているはず。

僕自身も、いつか自分の幸せをつかむ事ができるようになるのだろうか。見通しは立たない。
それでも、後藤先生の言うように現実世界で生きていくしかないのだ・・・しんどいなぁ・・・。
もう生きるのがしんどい・・・明日さえも生きたくない。あと何十年これが続くんだろう・・・。
高里のように別世界には戻れない。広瀬のように前にも進めない。僕はどこへも行けない・・・。


以上、内容を忘れていた事もあって、シリーズの中では一番の衝撃だった。面白かったです。
しかし王が蝕で渡るとここまでの被害が出るものだとは・・・。でも、こちらを先に読んだ事で
次回の「黄昏の岸 暁の天」をより理解しやすくなったと思うので良かった。それではまた。

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【料理感想】2020年2月29日 野菜ジュースと豆乳のスープ

はいこんばんはRM307です。この一ヶ月で作った料理はフレンチトースト、炊き込みご飯ぐらい。
炊き込みご飯はしょっぱかったな・・・調味料の量はそこまで多くしなかったんだけどなぁ。
それとくろすけ先生のお誕生日にカフェオレケーキと、2のひと先生のお誕生日にチーズケーキを。
まぁどちらもホットケーキミックスを混ぜて、オーブンで焼いただけのシンプルなものだけど。
おふたりには言っていないし、このブログも読んでらっしゃらないと思うので完全な自己満足。
あと今日久しぶりに鶏むね肉を買ってきたので、これまた久しぶりに鶏ハムを作ろうと思う。

さて、昨年末に母方の叔父と叔母からお歳暮に野菜ジュースの詰め合わせをいただきました。
お中元同様、野菜の味が強くて僕と母は飲めない野菜一日これ一本200mlも6本入っていました。
またトマトスープにして飲むか・・・でも他にも簡単な料理に使えないかな、と思って検索し、
見つけたこのレシピ、今回は野菜ジュースと豆乳の冷製スープを作ってみました。混ぜるだけw
ちょうどフレンチトースト用に買ったけど、食べ飽きて余らせた豆乳があったので良かった。

20200229_野菜ジュースと豆乳の冷製スープ
完成したものはこちら。味は・・・うーん、野菜ジュースと豆乳の悪いところが出ている気が。
野菜の主張は変わらず、豆乳が味を薄めてはいるけどかえってえぐみが足されて美味しくない。
個人的には苦手だな・・・しかしもったいないので残す訳にはいかない。どうしたものか・・・。

・・・あれ、そもそもこの濃い野菜ジュースはいつも温かいスープにして飲んでいたのだから、
この冷製スープも温めれば良いんじゃないか・・・?よし、試しにレンジで温めて飲んでみよう!
そう思って軽くチンして飲んでみました。すると・・・うん、やっぱり温めると結構飲めるな!
もういっそたまねぎとコンソメを入れてちゃんとしたスープにするか!と思って煮てみました。

20200229_野菜ジュースと豆乳のスープ
完成したものはこちら。味は・・・うん、豆乳が入った事でまろやかな味になった気がする!
たまねぎ(薄切りにして炒めてから入れた)の香りもすごく良い。たまねぎのスープ大好き!
でも沸騰させてしまったので豆乳が分解して、ざらっとした舌触りになった。失敗したな。
今回は野菜ジュースと混ぜた状態から作ったので仕方が無い部分があったけど、次作る時は
野菜ジュースでたまねぎを少し煮た後に、火を弱めて仕上げに豆乳を入れた方が良いのかも?
味自体はわりと美味しかったので、また作ってみようかな。リカバリーは成功!それではまた。

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【演劇感想】2020年2月22日 変身

はいこんばんはRM307です。今年から週替りで小説、漫画、映画、料理の感想を書いてきたけど、
土曜日が5週ある月は、残りの1週に何をするか決まっていなかった。何をしようか考えた時に、
そういえば自作品で演劇部を扱っているくせに僕は舞台を観た事が無いな、と気づいたので、
演劇・舞台の動画を観てその感想を書く事にした。しかしDVD化されている舞台はかなり少なく、
レンタルされているタイトルも一通り眺めたけど、どうにも興味を惹かれるものが無かった。
舞台の特性上仕方が無いのかもしれない。しかし諦めずに検索していると、「柿喰う客」という
劇団がYouTubeに舞台の公式動画を投稿している事がわかり、まずはこれを観てみる事にした。

という訳で、今月の演劇感想は劇団柿喰う客によるカフカの「変身」。高校生向けの演目らしい。

掴み?として最初に「山月記」、「羅生門」がグレゴール・ザムザの夢として登場しています。
カフカの「変身」は久しぶりに触れたけど、やっぱり悲しい物語だな・・・ザムザが可哀そう。

幼い頃にアンパンマンのミュージカルを観に行った事はあるけど、演劇を見るのは初めてだった。
最初の印象は、声がよく通る!もしかしたら常識かもしれないけど、マイクって無いんだな!
大きくかつ聴き取りやすい声で、マイクが無くてもしっかりセリフが伝わってきたのがすごい。

そしてめちゃくちゃ動く!指の先までしっかりと、ダンスのように全身を使って表現していて
驚いた。テンポの良いセリフに合わせて常に動いていて、消費カロリーがすごそうだった。
当たり前だけど、身体一つで行動、場面、セリフのニュアンスを伝えるって大変だな・・・!

さらに顔の表情が豊か!遠くの観客にもわかるようにか、とにかく表情が大きく動いていた。
こんなに強く芝居するとは思わなかった。ここまで表情筋を動かすのも大変そうだな・・・。

それと、これまたプロからするとできて当然で、言われるまでも無い話かもしれないけど、
これだけのセリフ量を暗記して誰一人間違える事無く、よどみなく演じるってめちゃくちゃ
すごいな・・・!かなりテンポが速かったので、思い出す時間も無いし、一瞬でも詰まると
破綻してしまう。そんな難しいバランスの中、完璧に息の合った三人の演技が見事だった。

あとこの演目がそうなのか舞台全般がそうなのかわからないけど、客席を向いて演技したり
セリフを言ったりしていた。なるほど、演者の方を向かないんだな。ぜんぜん知らなかった。
他の演目を観てみない事にはわからないけど、そのへんを意識して描かないといけないかもな。

照明も印象的だった。ただ照らすだけじゃなく、こんなに効果的に印象を変えられるのだなぁ。

以上、演劇や舞台に親しんでいる人からすると「何をわざわざ当たり前の事を言っているんだ」
と思われるかもしれないけど、初めて観た人間はとても驚き、面白かったです。それではまた。

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【漫画感想】2020年2月15日 小学生にはまだ早い!

はいこんばんはRM307です。漫画回の今週は山辺麻由作の「小学生にはまだ早い!」の感想。
読むのは15年以上ぶり。たぶん僕が生まれて初めて触れた少女漫画だと思う。少女漫画の原点。

【あらすじ】
小学五年生の夏芽みらんの将来の夢は漫画家!男の子なんて乱暴で嫌い!結婚なんてしない!
そんなある日、友人が一目惚れした男の子に告白する場に同行する。しかし彼は友人では無く
みらんの方を気に入り、ほっぺたにキスして胸まで触ってきた!男なんてろくなもんじゃない!
という思いを強くした彼女だったが、両親から突然婚約者に引き合わされる。その相手はあの
男の子、朝永波留だった!そればかりか、波留たちはみらんの隣の部屋に引っ越してきて――!


あらすじを読めばだいたい内容がわかると思いますが、思いっきりオーソドックスな作品です。
男の子にセクハラされて最初は嫌いなんだけど、だんだん相手の良さに気づいて惹かれていく。
カッコ良い相手の事を好きな同級生女子からいじわるもされるんだけど、前向きに対処する。
相手とは一度離れるんだけど本当の自分の気持ちに気づき、最後には結ばれてハッピーエンド。
今読むと清々しいほどベタだなと思うけど、当時の僕にはこれが初めての少女漫画だったので
楽しく読めた。こんなに相手の事を嫌いなのに、好きになる事があるんだろうか?と純粋に
疑問に思いながら読んだなぁ。やっぱり少しずつ相手を認め、好きになっていく展開は面白い。

最初は相手から迫られていたけど、いつの間にか自分の方が相手の事を好きになっている展開も
好きだなぁ。終盤、もうすぐ引っ越して離れてしまう波留の気持ちを何とか引き留めようとする
みらんが可愛かった。照れる波留も良かったwそしてキスシーンも本当に幸せそうでとても良い。

あと女の子の絵柄もとても可愛かった。きらきらおめめに豊な表情、繊細な髪や影のトーン。
また、みらんの髪型や服装が毎回変えてあって凝っている!こういうところにも惹かれるなぁ。
20200215_小学生にはまだ早い!
それとタイトルロゴ、「早い」の部分が禁止の記号になっているのか!今になって気づいたw

以上、久しぶりで懐かしかったな。感想は短いですが、なかなか良かったです。それではまた。

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【映画感想】2020年2月8日 スクールガール・コンプレックス~放送部篇~

はいこんばんはRM307です。映画感想、今回は「スクールガール・コンプレックス~放送部篇~」。
同名の写真集を元にした邦画で、女子高が舞台の実写百合作品。96分。検索して見つけました。
Amazonのレビューやレビューサイトでは5段階評価で2.8~3.5しか無くてちょっと心配だった。

【あらすじ】
もうすぐ高校の学園祭。放送部は今年も朗読を行う予定だが、まだ作品が決まっていなかった。
三年生はこの朗読をもって引退する。そんな中途半端なこの時期に、バスケ部を辞めた三年生の
三塚チユキが入部してきた。レイジーな彼女と部員たちはたびたび衝突し、部長の新谷マナミ
頭を悩ませる。しかしチユキと言葉を交わすうちに、マナミは少しずつ彼女に惹かれていく。


僕はそこまで百合にも映画にも造詣が深くないけど、物語としては非常にオーソドックスかな。
ダウナー系な新入部員に惹かれていく主人公、そんな主人公をひっそりと想う明るい友人、
主人公は相手と距離を縮められたけど、相手には別の好きな相手が居て結局結ばれない、
友人の想いも届かない・・・青春の1ページ。こうやって書くとありきたり感が増すな・・・。
やっぱり、チユキが貢いでいたクソ男と別れる事ができず、マナミとお別れ・・・という展開は
使い古されたチープさを感じてしまう。昔ならともかく、2013年に作られた作品でこれは・・・。
まぁ以前も何度か書いているけど、チープな漫画を描いている僕が言う資格は無いんですが。

ただ、朗読作品が太宰治の「女生徒」に決まって最後の朗読のシーン、朗読の内容と主人公
たちの想いがリンクしていたのは良かったと思う。でも、朗読の中でアイがマナミに、マナミが
チユキに告白するのはちょっと違うんじゃ?と思ってしまった。別に直接言葉にしなくても、
ただ作品をそのまま朗読するだけで、その際の表情と魅せ方、映像のフラッシュバック等で
彼女たちの想いは登場人物にも観客(視聴者)にも十分そのニュアンスが伝わったと思うのだ。
「青春感」はあるんだけど、ちょっとここで告白するのは突飛すぎるかなと思ってしまって。
サービス過剰気味。登場人物たちにはそれが必要で、はっきりさせた方が良かったのかなぁ。
まぁこのへんは素人の浅はかな意見なので、プロに物申すのもおこがましいとは思うけど。
告白の後、マナミとアイが気まずくなっていなかったようなのも良かった。ビターエンドかな。
これからもマナミとアイや、放送部のメンバーが仲良く交流し続けていたら良いなぁと思う。

でも百合の入門編としてはそんなに悪くない作品だと思う。三次元には入り込めないんじゃ、
と観るのが不安だったけどその心配も無かった。最初に観たのがこの作品で良かったと思う。
それと放送部の練習などの活動が描かれていたのも嬉しかった。放送部の活動には少し興味が
あったし、僕は今まで部活動に入った事が一度も無かったので、いろいろと参考になりました。

あとエロいシーンが一切無かったのもとても良かった。結構はらはらしていたので・・・w
実写の百合映画を調べたところ、エロスを含む作品が多くヒットしてちょっとげんなりした。
エロいのが嫌いだという訳では無く、僕が欲している百合作品はもっと精神的なものなので。
と言うとLGBTの人を否定しているように聞こえるだろうか?そういうつもりでは無いんだけど。
このへん上手く説明できません。とにかく、可能な限り18禁な映像は観たくないのだ・・・。

役者さんでは、主人公のマナミ役の森川葵さんが可愛かったのが良かった。びっくりしたな。
初めて知ったんだけど、有名な女優さんなのだろうか。それと声優の寿美菜子さんが先生役で
出演されていた事も最後のキャスト名で知った。まったく気づかなかったな!知っていたら
もっと注目して観たのに!声優も実写映画に出演されるのだなぁ。自然な演技だったと思う。

以上、生まれて初めての実写百合映画、それなりに楽しめたので良かったです。それではまた。

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【読書感想】2020年2月1日 図南の翼

はいこんばんはRM307です。読書回の今週は小野不由美作「図南の翼」の感想。十二国記第5作。
月の影 影の海」から約90年前、供王珠晶が王を目指して昇山する黄海でのお話。番外編。
シリーズの中ではかなり好きで、「月の影 影の海」と同じくらい読み返している。3、4回目くらい?



【あらすじ】
前供王が崩御しすでに27年。恭国の荒廃は進み、首都連檣にも妖魔が蔓延るようになっていた。
裕福な商家に生まれた珠晶は、昇山しない周りの大人たちに業を煮やし、12歳にして決意する。
自ら昇山し天意を諮り、王になる――と。しかしその道程は、決して容易いものでは無かった。


謎に満ちた妖魔の棲む土地、黄海。当たり前の鳥や獣が居ない、妖魔や妖獣には牡しか居ない、
その仔を見かける事も無く、野木も見つからない。不思議だなぁ。もっと黄海の事を知りたい。
珠晶が初めて目にした金剛山の大きさに肌が粟立つシーンは、ぜひアニメで観たいなぁ・・・。
ここ良いシーンですよね。その後すぐに騎獣の白兔が盗まれちゃうのが悲しいんだけど・・・。
そして同じ門は一年に一度しか開かない。外の人々を守る為に門の中で警戒する兵士たちは、
一年に一度しか外の世界へ帰る事ができない。つらい仕事だな・・・僕には絶対務まらない。
そうして門が開き昇山者が訪れる時は、それを狙った妖魔と戦い亡くなる人も居る。つらい。
こんな危険な世界を一月半以上も、命の危険と隣り合わせで通り昇山しないといけないなんて
ひどいシステムだな!麒麟が自分から王を探しに行けば良いのに・・・と思っちゃうな・・・。

「家生」という、食住を保証される代わりに一生主人に仕えて働かないといけない人々の存在も
悲しい。着るものは年に二度主人からもらえる布だけ、逃げないように給金をもらう事も無い。
婚姻もできないし子どもも持てない。旌券を割らされるから戸籍も無くなる。死ぬまで家生。
そんな人々の幸せって何だろう?と考えてしまうけど、安全な家、とりあえずは飢えない食事を
保証してもらえるだけ良いのかなぁ・・・日本と違って戦乱や飢え、妖魔の襲撃もある世界では。
でもそれに疑問を持ち、恵まれた生活をしながらも荒廃が許せず昇山した珠晶はとても良いなぁ。
いきなり最後に飛ぶけど、「あたしばかり大丈夫なんじゃ寝覚めが悪いじゃない」。カッコ良い。

昔、荻原規子作品に登場する活発な女の子の主人公たちが大好きだったので、初めて読んだ時は
すぐに珠晶に惹かれた。ただ最初は、恵まれた環境で育ったゆえの高飛車な少女という印象で、
もちろん資質はあるんだろうけど、本当に王に足る器量なのだろうか?という疑問もあった。
お嬢さま育ちというところから、傲慢にも見える強気な態度や小賢しく感じるところもあって、
常に自分の王としての資質に疑問を持っていた陽子に対し、珠晶は最初から「自分が王になる」
と宣言し、王になる事に疑問を持っていないように見えたので。そんなところに危うさも感じた。

でも後にそれは違う事がわかる。恭国のどこかに王が居る。なのに大人たちは他人事で昇山せず、
王がいかに大変か、黄海がいかに危険か、珠晶がお嬢さま育ちで知らないから言えるんだと笑う。
それが許せなくて蓬山を目指した。それが恭国の民としての義務を果たす事だと思って。えらい。
終盤になって初めてわかるのが良い。決して自分が王の器だと驕っていた訳では無かったんだ。
そうやって頑丘犬狼真君に対して泣きながら訴えるシーンが好き。ここもアニメで観たいなぁ。

まぁそんな大人たちの言っている事もわかるんだけど。自分が王に選ばれると思う人間なんて
ほとんど居ないと思う。それなのに命を落とすかもしれない危険な黄海を征き、徒労に終わると
しか思えない昇山をしようなんて自分だったらできない。もちろん国民全員がそれだと王は
現れないし、珠晶が世間知らずだと笑い自分たちは知っているという態度もまずいと思うけど。

そもそも供麒が珠晶の前の王を見つけられなかったのが問題だよなぁ。ちゃんと恭国を回って
探したのだろうか?麒麟としての寿命もそろそろ尽きようかという歳だったし、ぎりぎりだよ。
そして、なぜ王を死なせるかもしれない昇山なんて危険なシステムになっているのだろう?と
首を傾げながら読んでいたけど、これは恐らく必要な過程なのだろうなという事は理解した。

襲撃が欲しいタイミングで妖魔が現れ、それが頑丘や他の剛氏に仕業だと珠晶が誤解した時、
頑丘は「俺を雇ったお前の為に俺がやった事は、お前が自分を守る為にした事に等しい」と言う。
利公も、「王は国の為に血を流す事も命じる。臣下が王の為に命じれば、責任は王にかかる」
と言った。蓬山へ行くのは、王になるというのはそういう事なのだと。なるほどなぁ。そして
後に何万の民を救うには今数人の犠牲を払う事も必要だ、それを覚悟して進まないといけない。
それを身を持って経験する必要があるんだなと・・・いう事かと思ったけど、それだけじゃない。
利公は「それは王を欲する世界の理屈、その世界を統べる王はその理屈を踏み越えなければ
ならない」と言う。臣下の理屈を超え、迂回せず進み随従たちを守りながら妖魔を狩った珠晶は
まさに超越した者だったのだ。ここ、非常に説得力があって上手い説明だし面白いですよねぇ。

季和が見捨てていった随従たちの元に戻り、彼らを導いて先に進む珠晶はカッコ良かったなぁ。
ここで読者も珠晶の王気を感じるんだよね。塞ぎ込んでいる彼らに「蓬山に着けば何とかなる、
これだけの人間が餓死していたら麒麟も参るから、お付きの女仙が何か恵んでくれるだろう、
帰りの荷がもらえなかったら蓬山に居座ってやろう、見捨てる主人より麒麟に仕える方が良い」
という説得もすごいし面白いw朱厭を狩る時には、率先して自分が囮になったのもすごいなぁ。
もしも朱厭が玉に酔わなかったら自分が死んでいたところなのに。12歳なのにすごい度胸だ。

そんな珠晶も、朱氏の頑丘とは衝突してばかりいた。その後の展開を知った状態で読んでいると、
「頑丘の行動にはちゃんと意味と理由があるんだよ!」と珠晶の言動はらはらしてしまったなw
利公が「君は幼い」と言うシーンがあるけど、12歳だもの仕方が無いよ!と思ってしまった。
まぁ玉座を望む人間ならそのままでは駄目だという事なんだろうけど。家生の恵花に対して
「安全な家の中で寝られて飢える事無く食べられるあんただって恵まれている」と言ったのも
どきっとしたwこれは貧乏を嘆いていた僕自身に言われたような気がした事もあるんだろうけど。

でも最初から言っている事は筋が通っていたんだよね。少年に「一人で帰るのが怖いのか」と
からかわれた時も、「供も無しに歩いたらお供の方が叱られる」と反論したり、毎日食べる事に
困っている人が居る中で自分が食べたくない理由もちゃんとあったりして。道理もわかっている。
騎獣が盗まれた時も、落胆はしつつも荷物を持ってきてくれたりいっしょに探したりしてくれた
民衆にちゃんとお礼を言うのがえらい。黄海の専門家である頑丘への「物見遊山じゃないのよ、
ここが黄海ってわかってる?」という発言はすごいけどw利公じゃないけど笑うよこれは・・・w

犬狼真君に対しても結構不遜にも取れるような態度を取っていた。たしかに大物だよな・・・w
今作で「東の海神 西の滄海」の更夜が犬狼真君という神仙の一人になっていた事が
わかるのだけど、これ、当時の読者さんの反応を知りたかったなぁ。やっぱり驚いただろうな。
もし当時インターネットが今のように普及していたら、きっと大騒ぎだったんだろうな・・・。
犬狼真君が被っていた布を外したタイミング、以前読んだ時はどうしてここに挟まれたのか
わからなかったのだけど、名前を明かしたタイミングで頭髪の色の描写をする為だったんだな。
そして以前彼が妖魔に六太の名前をつけたように、更夜の名前を駮につけるという珠晶を
微笑ましく思ったのか軽く笑うのも良いシーン。ただ一つわからなかったのが、「怪我人がいる、
わたしがいない、だから妖魔が来ない」の意味。どういう事・・・?どなたか教えてください!

頑丘とぶつかり、一度はケンカ別れもする珠晶だったけど、剛氏を雇うのはどういう事なのか
だんだんわかっていく。この過程や設定が上手いなぁ。面白い。季和、紵台とのやりとりも良い。
「目の前に居る困った人を見捨てるのがひどい事なら、目の前に居る人が将来困る事を承知で
何かをねだるのも同じくらいひどいという事になりはしない?」という珠晶のセリフも良いなぁ。

怪我をした頑丘を支えながら、王が駄目だったら頑丘の弟子になり、上手くいったら頑丘が
自分の臣下になると提案した珠晶。これ、この後どうなったのだろうなぁ。本当に臣下になって
いたら嬉しいな。今までどの国やっていなかった、荒廃に備え、妖魔から身を守る術を知っている
黄朱の力を借りる。これめちゃくちゃ良い案だよね。珠晶が実行に移していたら良いな・・・。
何より、ずっと珠晶と頑丘、利公の関係が続いていたらとても嬉しい。もっと彼女たちの歩みを
読んでいたかったな・・・。短編で良いから、いつか三人のその後の話を読めたら良いなぁ・・・。

あとエピローグ、宗皇后の明嬉宗麟昭彰の事を「昭彰は身体が弱いから」と表現していたのが
ただのお母さんぽくて面白かった。宗王一家も良い関係だよね・・・「華胥の幽夢」にある短編を
読むのが今から楽しみだ。宗国がこれからもずっと平和で、いつまでも繁栄していくと良いなぁ。

「黄朱の気持ちは黄朱にしか分からない。(中略)それは事実だけれども、同時に理解を拒絶する言葉でもある。理解を拒絶するくせに、理解できない相手を責める言葉だ。」
最後に、利公の印象に残ったセリフを引用。僕もこういうふうに他人を責めている事、あるなぁ。
誰も自分の気持ちなんてわからないんだ、というと思春期の子どものようなので言わないけど、
僕は未だに他人をココロから信じる事ができないでいる。理解してもらえると思う事ができない。
何度も書いているけど、一生そうやって独りなんだろうな・・・。嫌だけど、どうしようも無い。


以上、やっぱり面白かったですね。4時間、3800字も書く事になるとは思わなかったけど・・・。
そういえば、つばき先生は当時利公のどのへんが好きだったんだろうな・・・?それではまた。

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【料理感想】2020年1月25日 もやしの照り焼き炒め

はいこんばんはRM307です。本、漫画、映画感想の中に一つだけ料理があって浮いていますが、
このブログはもともと毎週違う料理を作って記録する場所だったのですよ。もう三年も前の話。
来月は土曜日が5週あって、1週何をしたら良いかまだ決まっていない。アイディアをください。

この一ヶ月で作ったものはフレンチトースト、トマトスープぐらい。ぜんぜん料理をしなかった。
まぁいちおういつものみそ汁やピーマン炒めやカフェオレケーキは作っていたりしたけど。
トマトスープは水の分量を200で作っていたけど、150ぐらいでちょうど良いかもしれないな。
あと久しぶりにみそ汁に納豆を入れて食べたんだけど、ぜんぜん美味しくなかった・・・。
以前つばき先生に教わって入れた時は美味しかったんだけど・・・何がいけなかったんだろう?
やっぱり納豆はきゃべつとレタスのコールスローサラダに入れて食べるのが良さそうだな。

さて今月の料理回は安価で手軽に作れるレシピを探した。今回はもやしの照り焼き炒めです。
https://cookpad.com/recipe/4233012
豚バラ肉は高かったので豚こまを使いました。素人のくせに勝手にレシピをアレンジするやつ!

20200125_もやしの照り焼き炒め
完成したものはこちら。味は・・・うーん、不味くは無い、でも美味しくも無いかな・・・。
ぜんぜん食べられなくはないんだけどね。豚こまにしたのがいけなかったのかしら・・・。
調味料が「調味料です!」って感じで各個人の主張が激しいような。味に深みが無い感じ。
まぁこのシンプルな材料では深みも何も無いかもしれないけど。昔よく夜ごはんのおかずに、
もやしにしょうゆをかけただけのものが出ていたのだけど、その時を思い出す味だった。
僕の作り方が悪いのかもしれないけど・・・。他にやりようがあったのかもな。それではまた。

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