金魚ちゃんの週末インプット★

読んだ本や漫画、観た映画の感想を書いたり作った料理の記録をしたりするブログ。

2019年11月9日 風の海 迷宮の岸 下巻 感想

はいこんばんはRM307です。読書回の今週は小野不由美作「風の海 迷宮の岸」下巻の感想。
もう新作が発売されたというのに読み返すのがまだ全然進んでいません。読めるのは来年かな。
上巻の感想http://rm307.blog.jp/archives/80438237.html

【あらすじ】
蓬山に昇山者がやってきた。これから泰麒は王を選定する事になる。しかし、どの民にも天啓と
呼ばれる兆候は見えなかった。今回の昇山者の中には王は居ないようだとどこかほっとする泰麒。
そんな中、ふたりの昇山者と親しくなる。承州師の将軍李斎、そして王直属の禁軍の将軍驍宗
彼らと彼らの騎獣に会うのが日課になった泰麒だったが、なぜか驍宗への恐れは拭えなかった。
ある時、泰麒は黄海へ騶虞を狩りに行くふたりについて行く事になった。未だに使令を持たず、
転変して逃げる事もできない泰麒の身を女仙たちは心配する。そしてその不安は的中した。
一行は饕餮と呼ばれる最大級の力を持つ妖魔と遭遇してしまったのだ。泰麒は驍宗を助ける為に
折伏を試みる。類稀なる意志の力を見せ数時間にらみ合った後、何とか使令に下す事ができた。
そしてとうとう驍宗が下山する日がやってきた。いつか生国に下ればまた会えるかもしれない、
そう思っていた泰麒だったが、驍宗は将軍を辞し、戴国を出ると言う。もう二度と会えない、
それはとても耐えがたい。驍宗が王であれば・・・。そう考えた泰麒は一つの答えに行きつく。
王であるかどうかは麒麟である泰麒にしかわからない。ならば、偽りの契約を交わせば――。

あらすじ、どうせ誰も読まないだろうと思いつつ、書いていたら楽しくて長くなってしまった。


好きなシーンは、驍宗と李斎が対面した時に、驍宗が李斎を高く評価している事を知った泰麒が
「やっぱり」と口を挟むところ、泰麒の為に延王や麒麟たちが集まって一芝居打つところかな。
戴国を訪れた景麒が、泰麒の「驍宗には天啓が無かった」という告白を聞いて一度帰るのだけど、
その二日後に延王と延麒を連れてくる。他国の王と麒麟に一日で話をつけるとは!景麒すごい!
泰麒が毎日罪の意識にさいなまれてたとはいえ、そこまで急を要する事柄では無かっただろうに。
それだけ泰麒の事を大切に想っていたのだなぁと嬉しくなる。承諾した延王と延麒もすごいよね。
異例中の異例だ。普通はわざわざ来ないよ。まぁふたりの事だから面白がっていたとは思うけど。
アニメで初めて観た時、延王の悪役っぷりに笑ったなぁ。まぁめでたしめでたしの良いラストだ。
まぁその後の事を考えると喜んではいられないのだけど。この幸せがずっと続いて欲しかったな。


泰麒はまだたった十歳の子どもで、半年前に家族と離れこの世界に連れてこられたばかりなのに、
王を選んで大人とみなされ、女仙たちと離れなければならなくなったのも可哀そうだったなぁ。
乳母の役割を果たす女怪の汕子も使令として扱われる為、人前に姿を現せなくなってしまったし。
十歳には酷だよ・・・。まぁでも驍宗のそばに居られる事が何よりも喜びになったのだけど。
でも驍宗と会えない時は寂しいですよね・・・。執務もあるし。まだ子どもなのに、えらいなぁ。

あとえらいと思ったのは、昇山者たちの王気を確かめている時に、「泰麒はおとなしく進香を
ながめていたが、二日で飽きた。四日めにようやく外を出る決心がついた。」というところ。
三日目は我慢したんだwただ座って眺めているのは女仙たちでもつらかったのに、えらいなぁ。
女仙も仙人ではあるけれど、一般的な人々と変わらないですよね。進香を退屈に感じていたり、
何度も進香に現れた昇山者にあだ名をつけたり。でも見栄えがする王が良いとか、主の見かけが
あれではお世話をした甲斐が無いとか言ってしまう女仙は怖いな・・・と思った。人間らしいけど。


つばき先生と十二国記の話をしていた時、先生が泰麒について「ちょっと良い子すぎるかな」
と仰っていて、そうだったっけと思いながら今回読み返していたのだけど、そうでも無くない?
たしかに良い子には違いなく、年齢よりは幼いところはあるけれど、考え方は普通な気がした。
謙虚、卑屈と言っても良いくらいの時があると書かれていたけど、僕はそうは思えなかったなぁ。
いたらない自分がどれほど周囲の人間の心を痛めさせているか、にもかかわらず、どれほど深い愛情を注いでもらっているか。――それを考えるとせつない。
この部分もすごくよくわかる。昔の僕はまさにこの事で悩んでいた。みんなに良くしてもらって
いるのに、自分は何も返せていない、むしろ迷惑をかけるだけだ。そんな自分が情けない・・・。
上巻の感想でも書いたけど職場の人たちに対して、そしてつばき先生に対してもそう思っていた。
職場の人たちに何もお返しできないうちに退職してしまった事は、今でも本当に申し訳無く思う。
つばき先生にも、一生返せないぐらいの恩がある。いつか返していけたら良いのだけど・・・。


今回共感したポイントはもう一つあった。今までは読んでいて一度も気にならなかったところ。
彼は少しも泰麒と別れることなど気に留めていないのだと、思った。泰麒がいまだに寝込んでいれば、挨拶もなく下山してしまうつもりだったのだ。
泰麒は驍宗を選ばなかった。驍宗は戴国を離れる。そうなれば驍宗にとって泰麒は無価値な十の子供でしかない。己の運命を切り開くに怖じることのない彼は、無価値なものを決して振りかえらないだろう。
こういうせつなさってあるよね。僕の片思いもだいたいこういう種類のもののような気がする。
恋愛においても恋愛以外においても、だいたいにおいて僕の一方通行の想いである事が多い。

まぁでも、驍宗も決して泰麒に対して未練が無かった訳では無く、未練を残す己が許せないから
早く下山する事にしたとわかって嬉しかったのだけど。それを泰麒が知る事は無かったけどね。
いや、泰麒に対してというより王に対しての未練か。泰麒と逆で、自分に自信のある驍宗の事は
実はあまり好きでは無かったりする。「おまえは小さいのに見る目がある」とか、すごいなぁ。
あまりにも僕と違いすぎるのが怖いのかなぁ?もちろん泰麒への優しさもちゃんとあるのだけど、
苛烈な感じにちょっと引いちゃうのだよな。もしかしたら新作を読むと意見が変わるのかもだけど。


あと汕子の「隠伏していれば泰麒の影にしがみついてどこまでも一緒についていけたものを、
なまじ泰麒を止めようとして姿を顕したために離れてしまった」というところ、ああ、だから
泰麒が日本に戻ってしまった時に、彼の前に姿を現してくれなかったんだな、と悲しく思った。
汕子や傲濫が泰麒の前に現れ説明してくれていたら・・・いや、どのみち記憶が無いのだから
意味が無かったのかな。その結果、汕子や傲濫と別れなくてはいけなくなるのもとても悲しい。
まぁそれについては「魔性の子」あたりを読んだ時に改めて書くかもしれません。それではまた。

Web拍手

2019年11月2日 少女少年Ⅲ 感想

はいこんばんはRM307です。今週は漫画回、今回はやぶうち優先生の「少女少年Ⅲ」の感想。
Ⅰの感想http://rm307.blog.jp/archives/79800528.html
Ⅱの感想http://rm307.blog.jp/archives/80211827.html

【あらすじ】
人口の少ない小さな島に住む小学生の柚季は、いじわるな兄たちから女の子みたいな顔だと
日々セクハラもどきのいたずらをされていた。そんな毎日に嫌気が差し、東京で行われるタレント
オーディションの受験を決意する。書類審査に合格し、柚季は2次審査の為に上京したのだが、
審査ではなぜか女性として扱われる。実は彼の兄たちが書類を女性に書き換えていたのだった。
女性として合格した柚季は、他の合格者のユリ文華とともにユニットデビューする事になった。
そればかりか、結束を固める為に三人いっしょにプロデューサーの家に住む事になって――。


前作まではただの芸能事務所のマネージャーだった村瀬さんが、今作ではプロデューサーに。
出世したなwキャラとしては変わっていないけど。そしてⅠとⅡとは違い、村瀬さんは最後まで
主人公が男とは気づかない展開だった。同居していたのによくずっと見過ごしていたな・・・w
しかしメンバーが同じ家に同居ってすごいな。「Wake Up, Girls! 新章」でもそうでしたね。
創作の中ならまだわかるけど、先日「鷲崎健のヨルナイト×ヨルナイト」に出演されていた
「たこやきレインボー」というアイドルグループも実際にメンバーが何年も同居しているらしい。
現実でもそういう事をしているアイドルが居るんだな・・・絶対揉めて険悪になるでしょ・・・!
ドロドロしてそうだ。しかもそのメンバーには個人の部屋が無いらしい!僕は無理だな・・・。

柚季に自己紹介されて「男の子みたい」と言ったユリ。あれ、「ゆずき」ってむしろ女の子の
名前じゃない?と思ったのだけど、当時は女の子には少なかったのかな。時代が移り変われば
名前の印象も変わりますね。そういえば小学生の頃、仲の良かった子で「ゆい」という名前の
男の子が居て、上級生から「女の子みたい」とからかわれて嫌がっていたな、と思い出した。
僕は「ゆい」という名前はその子で知ったので、今でも女の子に多い名前という印象が薄い。

時代というと、柚季がオーディションで最初「PA DUMP」というアーティストの楽曲を歌おうと
していた。これはもちろん「DA PUMP」のもじりなんだけど、19年前から人気だったのだなぁ。
結構びっくり。最近も「USA」という楽曲がヒットしていたし、息の長いグループなんだな。
あるいはずっと高い人気を保っていた訳では無く、去年カムバックしたのかもしれないけど。

もう一つ時代を感じた点。柚季が女性アイドルとしてデビューが決まり上京する事になった時、
父親が「三男だし好きにさせてやろう」と言うのだけど、長男だからとか三男だからとかで
決めるなんて古い!と思ってしまった。まぁ田舎の話だから仕方が無いのかもしれないけど。
それとも今でも長男は家を継げ、次男以降はある程度自由に、みたいな風潮があるのかな?


メインキャラはⅠと同様に、主人公に好意的な大人しいユリ、主人公の存在を面白く思わない
気の強い文華、そして幼なじみのちよ子の四人構成。キャラのパターンは毎回似ているけど、
今作では大人しい女の子担当のユリが主人公や周りとぶつかる展開があったので良かったな。
でもこの衝突を経て、本当の自分を出せるようになって良かったな。それはユリだけじゃなく、
最初からありのままの自分を出せていた文華以外の全員が「本当の自分」について考え、悩み、
答えを出していった。こうやって本筋を太い柱で支えるのね!漫画を描ける人はすごい・・・。

好きだったシーンは、家出してちよ子の元に逃げていたユリを連れ戻しに来た際に、柚季が
たまにはこっちにも帰ってきてと願っていたちよ子の前で「東京へ帰ろう!」と言ったシーン。
ショックだっただろうなぁ。その後柚季は「これからはちょくちょく遊びに来ようかな」とも
言う。ちよ子はそれを笑顔で見送った後、一人涙ぐむのがせつないですね。健気でええ子や。

でも最終的には柚季はちよ子の居る島へと戻る。あとがきにも書かれていたけど、この三部作は
「最後は元の生活に戻る」事を意識して描かれたらしい。初期はそういうテーマだったのだな。
以前も書いたけど、幼なじみ属性のある僕には嬉しい。柚季は幼なじみのちよ子が倒れた時でも
芸能活動を優先させなければならない事に悩み、やっぱり大切な人のそばに居て助けてあげたい、
それが本当の自分だからと言ってアイドルを辞め、故郷に戻っていった。そして最後にちよ子に
告白をしてめでたしめでたし。告白されて顔が真っ赤になった女の子って良いものですねぇ。
やぶうち先生の描かれる困り眉の表情好きだな。それ以外の女の子の表情も魅力的で可愛かった。

Ⅱで「Ⅲでこの三部作は終わり」と書いてあったけど、その後まだしばらく続く事になります。
次の「少女少年Ⅳ」は僕が初めて触れた作品。数年ぶりに読むなぁ。楽しみだ。それではまた。


このシリーズの時のアクセス数は2件ぐらいしかありません。ちょっと寂しいw今回はどうかな?

2019年10月26日 「野菜一日これ一本」でトマトスープ

はいこんばんはRM307です。先月分のお店から冷凍食品のささみチーズフライが無くなった件、
近所のスーパーを探したらすぐ見つかりました。良かった良かった。なので美味しく食べています。
もしつばき先生に読まれたら「冷凍食品ばかり食べない方が良いよ」とたしなめられそうだけど。

この一ヶ月で作ったものはチーズケーキ、シチュー、カレー。何だか子どもっぽいメニューだな。
シチューのルーは新商品の「クレアおばさんのスイートコーンシチュー」で。美味しかったー!
クノールのコーンスープに似た感じの濃厚さで、たくさんあったけどぺろりと平らげてしまった。
一度に8皿分は多すぎるので4皿分ずつ作ったのだけど、シチューは箱に書いてある水の量では
足りなくない?煮込んでいたら水分がかなり少なくなってしまい、途中で200ml足す事になった。
火の大きさも煮込む時間も箱に書いてある通りで作ったのにな。どれぐらいが正解なのだろう。
そして大量の焦げが浮きました。僕がシチューやカレーを作る時は大抵焦げが多いのだ・・・。
母が作る時はまったく無いのにどうしてだろう?と不思議に思っていたら、今回わかったかも。
僕はお肉が生焼けにならないようにと最初にお肉だけを炒めるのだけど、そうなると後々野菜を
入れて炒める過程で焦げができてしまう。なのでカレーでは、お肉と野菜を一度に入れて炒めた。
すると、焦げが少なかった!お肉も生焼けにならなかったし、次回からはいっしょに入れよう。
ちなみにカレーでは、母の助言でコンソメキューブを2個入れました。美味しくなるらしいです。
僕は味に鈍感なので、変わったかどうかいまいちわからなかったけど。まぁ美味しかったかな。


夏にお中元で野菜ジュースの詰め合わせをいただいた。「野菜生活」は美味しく飲めたのだけど、
カゴメの「野菜一日これ一本」は野菜の味がかなり強くて、僕も母も美味しく飲めず・・・。
しかしまだ200mlが5本もある。どうしよう・・・と思いふと検索したら、野菜スープとして料理に
使うレシピがあった!なので今週の料理回、今回はこの野菜ジュースを使ったトマトスープです。
使用したレシピはこちら。ただし水100mlは少なすぎると感じたので、200mlにして作りました。
https://cookpad.com/recipe/1757247
煮込む系の料理はいつもどれぐらい煮込めば良いかわからないんだよな。今回も適当な時間煮た。

20191026_「野菜一日これ一本」でトマトスープ
完成したものはこちら。ちなみに小さく切ったにんじんと薄切りにしたたまねぎを入れています。
味は・・・うん、これはかなり美味しい!しっかりとしたトマトスープだ!濃さもちょうど良い。
母にも好評でした。ジュースはまだ4本あるので、あと4回作れるぞ!やったね!それではまた。

2019年10月19日 風の海 迷宮の岸 上巻 感想

はいこんばんはRM307です。読書回の今週は小野不由美作「風の海 迷宮の岸」上巻の感想。
十二国記」シリーズの続編、今回は胎果の麒麟である泰麒が主役のお話です。10歳の男の子。
以前も書いたけど、子どもの頃から親しんでいてもはや自分の一部になっている作品なので、
内容についての感想はほとんど生まれなかった。またしても自分語りが中心になっています。

【あらすじ】
蓬山で起きた蝕によって蓬莱へ流された戴国の麒麟の卵果は、十年後にようやく見つかった。
普通の人間の子どもとして成長し、けれど周りと馴染む事ができなかった彼は、自分の本当の
居場所がそこには無かった事を知り涙する。「泰麒」と呼ばれ、新たな居場所で女仙たちから
愛情深く接せられる彼だったが、転変もできず、自分が彼女らに何も返せない事に悩んでいた。
蓬山から十年も離れていた、転変のみならず使令も居ない泰麒は、自国の王を選べるのだろうか。

またアニメの話になるけど、僕は釘宮理恵さんはこの作品で知ったので、釘宮さんというと
男の子役のイメージだった(その次が「鋼の錬金術師」のアルフォンスだったのでなおさら)。

泰麒は10歳だけど、だいぶ幼いですね。僕が10歳の頃はもっとずっとこまっしゃくれていたな。
蓉可がひざをついて泰麒の目線に合わせて話すシーンがあったけど、10歳の僕だったらきっと
「子ども扱いされている!」と腹が立っただろうな。いやまぁ10歳なら子どもなんだけどねw
以前新ブログにも書いたけど、僕は小学校に上がったら「子ども」は卒業だと思っていたし、
幼い頃から大きな相手にかがんで目線を合わせられると「侮られた」とむかっとする性格だった。
子ども扱いするな!対等に扱え!と思っていたのだよな。ずいぶんと生意気な話だけど・・・w
僕が悪ガキだっただけか。まぁでも、泰麒はかしこいけど反応や行動が6歳児ぐらいに思える。
別世界に連れてこられたにしては順応するのが早いし。それだけ純粋な子なのかもしれないな。
僕は泰麒のような良い子ではぜんぜん無いけど、読んでいて昔の自分をいろいろと思い出した。

たとえば、祖母から床に水をこぼした犯人扱いされた要(泰麒の日本での名前)が、雪の降る
寒空の下に立たされた場面で、彼は常々祖母から嘘をつくなとしつけられていた為、自分が
やったと嘘をつく事ができなくて途方に暮れていたエピソード。僕が小さい頃、食事中に父から
お茶碗を持つ腕の脇を締めなさいと注意されたんだかなんだったかした時に、言いつけを守って
忠実に脇を締めて窮屈そうにして食べていたら、父から「それ嫌味でやってんの?」と言われた。
僕としては父の言いつけをちゃんと守ろうと思っての行動だったので、とても驚き悲しかった。
たしか、「嫌味」という言葉の意味もまだわからないくらい幼かったので、何も言えなかった。
母は何も言わなかったので、もしかしたら本当に僕が嫌味で行っていたように見えたのかもな。
あの時の父の冷たい声、重苦しい空気は今でもよく覚えているので、相当つらかったのだろうな。

景麒と話した後に自分が情けなくなった泰麒が、できそこないで、愛情をもらうばかりで、
期待に応えられないでごめんなさいと泣く場面、僕もよく似たような事を思っていたなぁ。
子どもの頃から思っていた事だったけど、新卒で入った会社で働いていた時の事も思い出された。

就職当時、とにかく周りに迷惑をかける事が怖かった。忙しい先輩社員に教えてもらう事に
いつも恐縮していて、相手の時間を奪ってしまう事がとても申し訳無くて常につらかった。
新人なんだからわからない事があって当たり前、訊いて当たり前なのだけど、僕が訊いた事で
先輩の作業を遅らせてしまう、余計に残業させてしまうという考えを振り払えなかったし、
僕と同い年でもばりばり作業をこなしている協力会社の人も居て、僕もちゃんとできないと、
と毎日プレッシャーだった。結局そのプレッシャーに押し潰されてしまう事になるのだけど。
その後退職して、もっと迷惑をかける事になってしまった。辞めてからも本当に申し訳無くて、
頻繁に職場の夢をみていた。今でもたまに思い出しては申し訳無かったな・・・と反省している。
当時、始めのうちはできなくても良かったんだ、と思えたらぜんぜん違ったんだろうけどなぁ。
「みんなが普通にやってる事ができない」という意識が強かった。まぁ今もなんだけどね・・・。
たぶん今後転職しても、新しい職場でもそう思い続けるだろう。変えられそうにない・・・。

この後、景麒が泰麒を探している時に女仙たちから小言を言われまくっていたのが面白かった。
景麒の面白かったところでいうと、妖魔の折伏(使令として契約する際の呪術のようなもの)の
方法を教える時に「息を吐く時はできるだけそっと吐く事、これも常日頃から心がけるように」
と言っているのだけど、お前普段からため息ばっかりついとるやんけ!とツッコんでしまったw

そんな良い子な泰麒だけど、学校の先生から「周りと馴染んでくれなくて困る」、「友だちが
居ないのは問題」と言われていたのはひどいなぁ。先生の言う言葉じゃないよね・・・可哀そう。
だからこちらの世界に来る事ができて良かったな、と思ったのだけど、一年後に泰麒は・・・。

以上。あと泰麒がここは別の世界なのかと尋ねた時に、「タンスを通り抜けたみたいにして」と
書かれているけど、後に「ナルニア国物語」を読んでその意味がわかった思い出。それではまた。

2019年10月12日 青い花7巻 感想

はいこんばんはRM307です。今週は漫画回、今回は志村貴子作「青い花」7巻の感想。もう終盤。
前回から3ヶ月空いてしまったな。全8巻なので次で完結。読み足りない!もっと読みたかった!
3巻の感想http://rm307.blog.jp/archives/78078877.html
4巻の感想http://rm307.blog.jp/archives/78693186.html
5巻の感想http://rm307.blog.jp/archives/79156982.html
6巻の感想http://rm307.blog.jp/archives/79634959.html

【主な登場人物とその関係】
あーちゃん(進級して落ち着いてきた?主人公、幼なじみのふみと付き合う事になったが・・・)
ふみ(あーちゃんの幼なじみ。何度かの失恋の後、初恋だったあーちゃんと付き合う)
井汲さん(あーちゃんの友人。杉本先輩に片想いしていた)
康ちゃん(井汲さんの許嫁だったが、婚約解消を申し出た。でも井汲さんの事は変わらず好き)
大野さん(あーちゃんの後輩、姉が山科先生といっしょになった事を複雑に思う)
山科先生(あーちゃんたちの学校の先生。家族を説得して大野さんの姉と同棲する)


まずは髪が伸びた井汲さん。可愛い!こちらの方がだんぜん似合っている。表紙もすごく良いし。
以前短くしていたのは杉本先輩の影響だったっけ。彼女が前に進み始めた事を表しているのかな。
「康ちゃんやさしいから」という言葉に「好きだから必死なんだ 昔から」と答える康ちゃん。
そしてその言葉を聞いて泣く井汲さん。どういう涙なんだろうな・・・僕にはわからなかった。
以前から感じていたけど、この作品は僕には難しすぎる。僕のキャパシティを超えている・・・。
キャラの心情を表しているコマや、ちょっとした所作などから意味を把握できないのだ・・・。
頭が良い人はもっと楽しめるんだろうな・・・と思うと、悲しいやら申し訳無いやらで・・・。
まぁ人間関係が複雑という事もあるんだけど。だって京子のお母さんが、会いたがっていた
康ちゃんを見つめるコマとか、その前の流れと合わせると康ちゃんが好きなのかよ!複雑!!!
こんなぐちゃぐちゃでややこしい人間関係の中に身を置いていた井汲さんがとても不憫だ・・・。

幼い頃の井汲さん、以前も書いたけど可愛いなぁ。にっこり笑顔が子どもっぽくてすごく良い。
そしてこれも以前も言及したかもしれないけど、石(いしとゆうら)先生の絵柄に似ているな。
親から決められた許嫁という立場をとりあえず受け入れていた訳では無くて、康ちゃんの事が
大好きだったのだなぁ。康ちゃんが寡黙だから、井汲さんの方が想いが強かったように見える。
「そんな人より京子の方がずっと康ちゃんのこと好きなんだから」とか「わたし康ちゃんじゃ
なきゃいや」とか、お熱い!良いなー!そして僕もそんな事を言われてみたい人生だった・・・。

そして中学生でセックスも済ませていたのか。幼い頃からいっしょで、何度も好きだと伝えて、
ずっと好意を寄せていてこんなに大好きだったのに、井汲さんは杉本先輩と出逢い好きになった。
自分から気持ちが離れていくのを感じた康ちゃんはつらかっただろうな・・・よく耐えられたな。
あんなに好きだと言葉や態度で示してくれた人が別の人を好きになるんだよ?!しんどすぎる。
僕の場合は恋愛ではぜんぜん無いけど、過去に好意?を寄せてもらっていた人に恐らく嫌われて、
温度が消え興味を持たれなくなった事がこんなにも悲しい。どうしても耐えられなかったので、
結局こちらからの気持ちを切るしか無かった(今週までの話。5月頃絵板に書いた事とは別件)。
恋愛じゃなくてもすごくつらいのに、ふたりの場合は幼なじみの許嫁。だけど康ちゃんは違った。
今だって井汲さんへの気持ちは変わっていない。すごいなぁ。カッコ良い!僕にはできない!
以前も書いたけど、康ちゃんの想いが報われて欲しい。最後のつないだ手から希望を見出したい。

井汲さん関連のエピソードだと、井汲さんのファンの子が井汲さんが写った写真をあえて落とし、
声をかけてもらっていっしょに写真を撮るという流れが良かった。3ページなのに良い百合だ。
その写真を見て「オレの京子…」→「おまえのじゃねー」というツッコミも実際にありそうw


そして進級したあーちゃんは演劇部の部長になっている!すごい!てっきり井汲さんだと思った。
あーちゃんにキスした事があるかと問われ盛大にずっこける井汲さん。まぁたしかに中学生で
セックスまでしていた彼女にとっては、あーちゃんの質問がとてもピュアに思えたかもしれない。
その前にあーちゃんが下級生を見て「小学生か」と独りごちたコマがあるのが効いていますねw
キリッとしている大野さんは可愛いなwでもお姉ちゃんと山科先生の事で複雑そうな様子だった。
あとたしかに僕も「ダルタニアン」と「ダルタニャン」のどちらが正しいのか迷った事があったw
3歳当時のあーちゃんの、バレエを断った次のコマの後ろ姿も可愛い。こういう表現好きだなぁ。

そんな楽しい流れから、「雰囲気を楽しむ、そういうのが結構心地良い」という何気無い会話で
ふみの事を連想してしまったあーちゃん。ふみに「あーちゃんのしたいことしたい」と言われても
何も返す事ができなかった背中もせつない。やっぱりあーちゃんは同性愛者じゃないから・・・。
ああ、嫌だなぁ。ふたりの事は好きだったけど、だから付き合って欲しくなかったんだよ・・・。
もしこれで別れたら、もうあの時のような仲良しの親友に戻れないじゃん・・・つらいよ・・・。
正直ふみちゃんが恨めしい。あーちゃんに想いを伝えないで欲しかった、というのは身勝手かな。

でもふみちゃんの気持ちもすごくよくわかるんだよ・・・言わずにはいられない、期待せずには
いられないんだ。「…ダメ!!好き!!大好き!!」のコマでもすごくよく伝わってくる・・・。
このコマにめちゃくちゃ良いな。自分の想いを止められない、大好きな気持ちがあふれてくる。
実際恋しているとそうだよね。しかし、そんな幸せそうなふみちゃんの表情とは対象的に・・・。
ポンちゃんが書いた、ふみをモデルにしたコンクールのシナリオでは、主人公がこう言っている。
「しかし彼女は違いました」、「私は彼女の愛を見つけられるでしょうか?」ふみちゃん・・・。

けれどここでは終わらない。ふたりは一線を超えたようです。セックス・・・なのかな・・・?
正直女性同士のセックスが何をするものなのかよくわからないのだけど、たぶんそうだと思う。
最終巻、どうなってしまうんだろう・・・。まぁ手元にあるのでいつでも読めるんだけど・・・。
でも怖くて読みたくないな・・・終わってしまうのも寂しいし・・・まぁでも今年中に読みます。

あと姉と山科先生の関係に悩んでいた大野さん、お姉ちゃんに忘れ物を届けてもらったコマの
「ありがとうお姉ちゃん…」を見たところ、少しはすっきりした感じかな。劇のダルタニャン役に
受からなかった事でも気落ちしていたけど、これからまた明るい大野さんを見られると良いな。
まぁ残り1巻しか無いので、彼女の描写があるかどうかわからないんだけど・・・。それではまた。

2019年10月5日 月の影 影の海 下巻 感想

はいこんばんはRM307です。読書回の今週は小野不由美作「月の影 影の海」下巻の感想。
上巻を読み終わった後と連休中に読んでいました。下巻は楽しくてするする読めちゃったな。
上巻の感想:


【あらすじ】
負傷と体力の限界から行き倒れた陽子は、ねずみの姿で人語を解する半獣の楽俊に拾われる。
頭の切れる楽俊から、海客である陽子は雁国へ行く事を勧められ、ともに旅立つ事になった。
しかしまたしても妖魔に襲われる陽子。妖魔を屠るも、傷を負い倒れた楽俊を前に逡巡する。
楽俊は自分が雁国へ行く事を衛士に話さないだろうか、戻ってとどめを刺すべきだろうか、と。
一度は楽俊を見捨てて逃げた陽子だったが、陽子自身が人を信じる事と人が陽子を裏切る事は
関係無いと気づく。ついに蒼猿を退け、雁国に渡った陽子は、そこで楽俊と再会したのだった。

やっぱり楽俊が登場すると心底安心するなぁ。前回も書いたけど僕はアニメから入ったので、
鈴村健一さんのお声を聴くだけで「楽俊だ」と嬉しくなってしまうくらい楽俊が好きだった。
「悪い海客は国を滅ぼすと言われた」と言う陽子に対し、あっさり「迷信だ」と言った時や、
自分が来た蝕の被害が大きかった事に陽子が心を痛めていた時の蝕についての説明、
陽子が楽俊を見捨てて逃げた後に再会した時の「逃げて良かったんだ、捕まったらどうする、
逃げろと言って財布を渡せば良かった」というセリフなど、さらっと言えるのが本当にすごい。
楽俊にしてみれば当たり前の事を言っているだけなのかもしれないけど、こちらまで救われる。
たぶん同情される訳では無く、当たり前のように言ってくれるのがとてもありがたいのだよな。
「おいらは陽子に信じてもらいたかった。だから信じてもらえりゃ嬉しいし、信じてもらえなかったら寂しい。それはおいらの問題。おいらを信じるのも信じないのも陽子の勝手だ。」
このセリフもすごいなぁ。漫画やらブログやら絵板やらでも書いたけど、僕は「自分の言葉が
相手に届かない」と悩む事が多い。今でも。どうしたら楽俊みたいに考える事ができるだろう。
相手に直接伝えはしないけど、僕はやっぱり信じて欲しいと願ってしまう事が多いなぁ・・・。
相手の自由を尊重できていない。まぁ落ち込んでしまうのも仕方が無いと言えばそうなんだけど。
だってしょうがないよ、相手が好きなんだもの。そうやって開き直るのは良くない事だろうか?
「お人好しなんだ、楽俊は」
「そうかもな。だとしても陽子を見捨てて危険じゃないところにいるより、陽子といっしょに危険なところに行くほうが自分にとって値打ちのあることだと思ったんだ」
「まさか、こんなに危険だと思ってなかったでしょう?」
「だとしたら、おいらの見込みが甘かったんだ。それはおいらのせいで陽子のせいじゃねえ」
このやりとりも素晴らしい。僕だったら後悔したり、相手を恨めしく思ったりしてしまうかも。
七年前、僕という重くて厄介な存在を抱え込む事になってしまったつばき先生に謝罪した時、
つばき先生が「仕方の無かった事だと思う。ネガティブな意味じゃなくてね」と仰っていた。
何だかその時の事を思い出してしまった。僕もまた、つばき先生の優しさに救われていたのだ。

半獣を嫌悪する塙王の所為で働く事が許されず、高等教育機関にも通えなかったのにも関わらず、
「主上は悪い王じゃないけど少しばかり好き嫌いが激しい」と無下に批判しないのもすごい。
言葉の端々からも感じられるけど、やっぱり巧国が好きだったのだなぁ。貧しいし、職にも
就けないけどずっと住み続けていた訳だし。塙麟が失道と聞いた時も相当ショックを受けていた。
僕は日本に住み続けているけど、決してこの国を愛してはいないかもなぁ。言葉さえ通じれば、
どこへ行ったって良いと思っている。日本に住む事を選択しているというより、ただの妥協だ。

話を戻そう。楽俊の元に戻ろうとして、陽子が「楽俊を殺さなくて良かった」と涙するシーン、
「月の影 影の海」の最大の名場面ですね。アニメでは毎回ここでぽろぽろ泣いてしまう。
裏切られても良い、裏切った相手が卑怯になるだけ、裏切って卑怯者になるよりずっと良い。
ずっと前に、母とこの話の録画を観ながらごはんを食べていた事があった。当時母は職場の
人間関係で悩んでいて、そんな時にこのセリフを聞いて気持ちが楽になったと言っていたな。
ひとりでひとりで、この広い世界にたったひとりで、助けてくれる人も慰めてくれる人も、誰ひとりとしていなくても。それでも陽子が他者を信じず卑怯にふる舞い、見捨てて逃げ、ましてや他者を害することの理由になどなるはずがないのに。
この部分の「ひとり」の繰り返しも良いなぁ。読んでいて、孤独が伝わって泣きそうになった。

文章でいうと、8ページの「村人か、獣か、妖魔か。いずれにしても選択肢が増えるだけで、
結果が増えるわけではない」や、236ページの「自分を卑下して満足してるんじゃない」が好き。
後者は、子どもの頃に観て「そうか!僕がやっているのもただ卑下して満足しているだけだ!」
とはっとした事があったな。あと七年半前にもはてなダイアリーの記事で一度使った事がある。
それと「畢竟」という言葉はこの作品で知って、当時意味がわからず辞書を引いた思い出が。

意味がわからないといえば、楽俊が陽子に子どもが宿る木「里木」を見せに行ったシーンで、
陽子はうなずき、ふとした疑問を感じたが、あまりにはしたない質問なので訊ねるのは思いとどまった。遊郭があったりするのだから、まぁそういうことなのだろう。
この部分がどういう事なのか、初めて読んだ子どもの頃はわかっていなかったなwと思い出した。

もう何度も親しんだ作品なので、この後のストーリーに関しては今さら語る事は出てこないかな。
なのであらすじも途中までにしました。面白い作品なのでぜひ読んでいただけると嬉しいです。

以上、とても面白かったです。楽俊が登場して得られるカタルシスは、他のどの作品と比べても
比較にならないほど大きくて、十二国記シリーズでも一番好きな巻かもしれない。それではまた。

2019年9月28日 皮パリパリチキンステーキ

はいこんばんはRM307です。今月も冒頭に書く事が特に無い。最近はツイートしたい事も減った。
プリパラ」の感想ツイートはもちろん面白かったから書いているんだけど、他に書く事が無い
という理由も大きい。まぁ毎日お仕事と創作しかしていないとそうなるよな・・・w寂しい人間だ。
絵板も、今は新ブログもとりたてて書きたい話が無かったりする。ただ月ブログだけは例外かな。
エッセイ的な内容はわりと数ヶ月先まで予定が埋まっている。今年中に書き切れないかも。

この一ヶ月で作ったものはチャーハン、チーズドリア、チーズケーキ、きゃべつの塩ダレ炒め。
塩ダレ炒めは二年前に作ったこのレシピからかにかまを抜いたもの。最近作っていなかったので。
でも美味しく作れなかったな。かにかまが無かった所為なのか、タレが濃すぎた所為なのか・・・。
あと3月に作った鶏むね肉のチーズマヨソテーもまた作りました。手軽にできて美味しかったな。
それと先々月から作らないとと言っていた魚料理は、さばのみそ煮と蒲焼き風を作りました。
ちょっと味が濃かったけど美味しかった。冷凍食品に頼りがちだけど、定期的に作らないとな。
冷凍食品といえば、安いお店に好きだったささみチーズフライが無くなっちゃったんですよ・・・。
お休みの日に食べる事にしていたのに・・・他のスーパーで取り扱っていないか探してみよう。

さて今週は料理回。今回は鶏むね肉を使った皮がパリパリのチキンステーキ。たしか数ヶ月前に
西明日香さんがラジオで作ったと仰っていたので、僕も食べてみようと思って。美味しそうだし。
参考にしたレシピはこちら。他にもクックパッドでいくつかピックアップしたレシピを見ながら。
https://oceans-nadia.com/user/22780/recipe/217878

20190928_皮パリパリチキンステーキ
完成したものはこちら。皮がぱりぱりにならなかったな。味は・・・うん、まぁ予想通り・・・。
ただのチキンソテー。もっと長い時間焼いた方が良いのかもしれないと思い、もう一度焼く事に。

先ほどより少し火を強くして、時間もレシピよりも長めにして焼いてみました。食べかけのお肉を
載せるのははばかられたので写真は撮らなかったけど、今度は良い感じに焼けたように思える。
さて味は・・・うん、さっきよりしっかり皮がぱりぱりになっている気がする!結構美味しい。
焼き加減を変えるだけで結構味の印象も変わるのだな。気が向いたらまた作ろう。それではまた。

2019年9月21日 少女少年Ⅱ 感想

はいこんばんはRM307です。今週は漫画回、今回はやぶうち優先生の「少女少年Ⅱ」の感想。
先月読んだ「少女少年」の続編ですが、キャラクターや世界線がつながっている訳では無く、
同じテーマで主要キャラクターとストーリーが変わったまったく別のお話となっています。
Ⅰの感想




【あらすじ】
父親とふたり貧乏暮らしをしていた小学六年生の一葵(かずき)は、ある日街でスカウトされる。
その芸能マネージャーは有名女優・大空遥のドラマに出演する彼女の子ども役を探していたのだ。
それを父に話すと、実は一葵は彼女の隠し子であるという事実を知らされる。子どもより仕事を
選んだ母に一葵はショックを受けるが、オーディションを受験し母と直接会って話すと決意する。
しかしその役柄は娘役。一葵は男である事を隠し、遥が審査するオーディションに臨む事になった。

以上、ここまでが1話のあらすじなんだけど、14ページにこんなたくさん詰められるんだなぁ。
テンポが良い。僕だったら倍のページ数かかるかもしれない。やっぱりプロはすごいな・・・。

と言いつつちょっとけちをつけちゃいます。スキャンダルに巻き込まれて迷惑がかからないように
一葵を遠ざけたと言った遥だったけど、だったら一葵に会いに行ってあげてよ・・・と思った。
もちろん会いに行けばバレる危険性もあるんだけど、生まれてから12年も放置はさすがにひどい。
そもそも、実の母親が一度も自分に会いにきてくれないよりスキャンダルの方がマシじゃない?
息子の気持ちを考えたら、母親といっしょに暮らせた方がずっと良かったと思うんだけど。あと、
一葵の父(実は遥のマネージャー)が要らないと言ったとはいえ、養育費も出すべきだったよ。
その所為で一葵たちはずっと貧しい生活をしていたんだから。貧乏な親子、というキャラ設定を
やりたかったのはよくわかるんだけど、その結果遥の行動にかなりの違和感が生じてしまった。
それだったら、自分のキャリアに傷がつくからとか望んでいない子どもだったからとか言って
一葵を突き放した方がまだ筋は通った。まぁこれだとすごく悲しいお話になってしまうんだけど。

最初のオーディションでプロデューサーに気に入られた一葵が、とんとん拍子で芸能人を養成する
学校に特待生として招かれたところもずいぶんとスムーズに事が運ぶな、と思って読んでいたけど、
こちらは最後にそのプロデューサーの兄が一葵の実の父親だったという事がわかったので良かった。
一葵自身に才能を見出していた事もあったけど、事情を知っていたからなおさら話が早かったのか。

あと、友人のトキオが一葵が男だと知った後に彼と肩を組んで、顔が近づいた時にお互いドキッと
したところで、BLぽい展開もあるのか?!とちょっと期待してしまったけど、それは無かったなw
さすがに当時の小学生向けの雑誌でそんな話にはならないか・・・ややこしくなるしね。残念w
まぁドラマでふたりのキスシーンはあったんだけど。トキオと幼なじみの絵梨のキスシーンは
描写されなかったのに・・・wまぁここはあえて描かない方が良いシーンではあったのだけど。

今作のライバル的な立ち位置のキャラ・マユカは、最初のオーディションで合格するのだけど、
それは一葵を育てる為の時間稼ぎで誰でも良かった、という事がわかってショックを受ける。
読み返すとこの時のプロデューサーも相当ひどいな。他にも「マユカは子役で終わるだろう」、
「だからこの映画ではせいぜい頑張ってもらう」って発言もあるし。演出上必要だったのかも
しれないけど、ちょっと好きにはなれない。良き理解者的な立ち位置なのが若干違和感・・・。
しかしそれで一度は一葵を貶めたいと考えたマユカだったけど、一葵の事情を聞いて涙を流し、
屈折しなかったのは相当素直な良い子だなぁ。前作の同じライバルの紗夜香より好きかも。
なので、思い直した後の彼女を掘り下げた話が欲しかったかな。ちょっと出番が少なかった。
でも最後の2ページを読む限り、今後一葵と良い感じになってくれそうな気もする。楽しみだ。
ライバルで恋が報われない系である彼女が、想い人の主人公と結ばれてくれたら嬉しいなぁ。


以上、前作のあとがきで、今作は両親や芸能界の事が濃ゆくなるというような事が書かれていて、
芸能活動をする上で両親と衝突するような展開になるのかな?と思っていたので予想外だったな。
あと「少女少年」はもともと前作だけの予定だったらしい。その後「Ⅱ」が連載される事になり、
この時点では「」で完結、三部作の予定だったらしい。どんな話になるのかな?それではまた。

2019年9月14日 月の影 影の海 上巻 感想

はいこんばんはRM307です。読書回の今週は小野不由美作「月の影 影の海」上巻の感想。
有名な「十二国記」シリーズの最初の話です・・・と思ったんだけど、正確には「魔性の子」が
最初だったな・・・と読んでから気づいた。まぁ良いか。そちらも後々読む事になると思うし。
読むのはもう5、6回目かも。前回読み返したのは七年前?つばき先生とこの作品の話で
盛り上がったのがキッカケだった。アニメもかなり観返したので、内容はほとんど覚えている。
でも今年最新刊が出るので読み返そう!と以前から思っていたのだけど、元気が無いと
キツそうだったのでなかなか読めなかった。5月以降はずっとメンタルの調子が悪かったので。

【あらすじ】
日本の女子高生中嶋陽子は、少し前から異形の獣がどんどん近づいてくる悪夢にうなされていた。
それでも平凡で、しかし窮屈な日常を送っていた彼女だったが、ある日学校に見知らぬ男が現れる。
彼は陽子に探した、陽子が自分の主だと言う。そして、危機が迫っているので自分といっしょに
きて欲しいと言う。抵抗する陽子だったが、突然襲撃に遭う。それは夢でみた異形の獣だった。
男から渡された剣と身体に取りついたバケモノによって異形の獣を斬り伏せた彼女だったが、
身の安全の為に彼とともに別世界へと旅立つ事になる。しかし追手に襲われ男と離れ離れになり、
陽子はたった一人で見知らぬ世界をさまよう。その男に再会して、元の世界に、自分の家に帰る。
その一心で旅をする陽子だったが、妖魔には襲われ、役人には追われ、人々には裏切られ続ける。
こちらには味方が居ない。でも帰っても自分の居場所は無い。陽子は心身ともに疲弊していく。


子どもの頃から親しみ、もはや身体の一部のようになっている作品なので、あまり書く事が無い。
とりあえず、もう二度と自分の家へ帰れないのはつらすぎるな・・・と思った。僕は自分の家が
大好きで、お仕事中も外出中もとにかく早く家に帰りたいとばかり考えている人間なので・・・。
もちろん好きな人々、猫たちと別れないといけないのも苦しい。現実世界で好きな存在といえば
母と飼っている猫ぐらいしか居ないけど、ネット上の好きな人々とは絶対に離れたくない・・・。
もし蝕に巻き込まれて海客として十二国に行ったとしても、インターネットはできて欲しい(?)。

同じ海客として日本からやってきた松山誠三というおじいさんも、あと半月で第二次世界大戦が
終わったのに、自分は言葉も習慣もわからないこの世界に放り込まれ、二度と故郷へは戻れず、
家族も居ない、何十年もたった一人で生きてきた・・・。つらすぎるな・・・としか言えない。
僕も将来的には独りぼっちになるだろうけど、まだ安心して暮らせる世界には居るからな・・・。
このおじいさんが陽子を裏切った時もつらかったけど、でも誰にも責められないような気もする。

僕はこの作品はアニメから入ったのだけど、アニメではずっと翻弄されていた印象だった陽子が
原作では計算して動いていたりしてちょっと驚いた。たとえば最初に巧国で役人に捕らえられ、
馬車で護送されていた時、剣の場所を確認する為にそれとなく役人にたしかめさせたところとか。
アニメではこの時ずっと泣いていた印象だったものな。浅野君と杉本さんが居たからだろうけど。
その後妖魔に襲われてその男が殺され、その身体の下を探って剣を引き抜くシーン、つらい・・・!
死体なんて見るだけでも相当キツいのに、陽子は人間の死体を見るのはその時が初めて、
しかもそれは妖魔に食い散らかされた肉の塊となった死体で・・・。一生トラウマになるよ・・・。

ただひたすら帰りたいと願う陽子。剣の見せる幻で、泣いているお母さんを見て絶対に帰ると言う
彼女に、蒼猿は「たとえ子どもがお前じゃなくても、もっと最低の子どもでも母親は悲しむ、
そういう生き物だから。情が移っているだけ」と嘲笑う。子どもの頃にこのシーンを観た時は、
そうなのか!親は必ずしも子どもを愛している訳では無いのか!情が移るだけなんだ!と思った。
それ以来、幼い僕の中で「親は僕が僕だから好きでいてくれている訳では無い、情が移っただけ」
という考えはしっかり根づいてしまい、その後あらゆる場面でその言葉を思い出す事になった。
そして僕の父親もそうなんだろうな、それならあの父親の態度にも納得がいく、と思っていた。
もちろん実際にはそんな事は無く、子どもを愛してる親だってきっとたくさん居るんだけどね。

あと以前も書いたけど、世間には夫がお風呂に入る際に妻が着替えを用意する家庭があるらしく、
陽子の両親もそのうちの一つだった。以前どこかで知ったような気がしていたのはここだったか!
陽子のお父さんは陽子がジーンズを履こうとした時に「女の子らしくない格好はみっともない」とか
「女の子は男の子に競争で勝たなくて良い」とか平然と言ってのけていて、当時子どもながらに
うわぁ・・・古い・・・と思っていたなぁ。現実にもこういう男は居たりするのだろうか・・・。
この作品が書かれたのは1992年だけど、当時でも古い価値観だったんじゃないかなぁ。たぶん。


以上、実はここでやめるのがつらくて楽俊に会いに下巻も読み始めたのだけど、今回は上巻だけ。
上巻はひたすら救いが無いけど、そんなところもどこか心地良かったりしました。それではまた。

2019年9月7日 ファンタズム 感想

はいこんばんはRM307です。今週は漫画回、今回は雨隠ギド先生の「ファンタズム」の感想を。
以前読んだ百合漫画「終電にはかえします」が良かったので、他の作品も読んでみようと思って。
しかしBL漫画が多く、一般向けの作品はかなり少なかった。BL漫画はまだ少し早いかな・・・。



【あらすじ】
負の感情が黒い影となって見える能力を持った中学生の北里あかり。幼い頃、その所為で母親と
上手くいかず、祖父の家に預けられていたが、祖父が亡くなった事で兄の家に居候する事になる。
新しい街で通り魔に襲われそうになるあかり、そしてそこで出会った人ならざる者「からす」。
彼は人の悪意を食べ、廃人のような状態にしてしまう。あかりは負の感情に飲み込まれそうな
友人を助け、自分と同じく彼を見る事ができる老人の話を聞き、からす自身も助けようとする。
それを成し遂げた時、少し成長したあかりは母と和解し、一歩前へ進む事ができたのだった。

まずあかりちゃんが可愛かった。ネクタイを結んでもらおうとするところ、兄が想像しているコマ、
美少女探偵妹のところとか。73ページの叫びなど、笑顔以外のいろんな表情も魅力的に映った。
からすに取り込まれそうになった時、「いい子の私と悪い子の私」というモノローグがあったけど、
あかりちゃんはただひたすら良い子に思えたな。本人にとって悪いと思える部分があったとしても、
子どもだし十分許される範囲内だと思う。大人はもっと汚いよ・・・もちろん僕も含めて・・・。

話では、からす(鴉丸)の過去、愛する人を害そうとする人間から守る為に、自分の住む長屋で
いっしょに暮らす事にしたけど、関東大震災が起こり彼女を死なせてしまった、あのまま実家に
住んでいたら死なずに済んでいたのに、というところが良い。決して好きでは無いのだけど、
こういうどうにもままならない悲劇みたいなものは胸に刺さり、その痛みが少し心地良いのだ。
「遠ざかる世界」でも、後輩が頑張って先輩の嘘を見破って、でも別れは止められなかった・・・
という展開があるけど。好きな作品のキャラであればふたりとも幸せになって欲しいんだけどね。

最後の描き下ろし漫画で、あかりちゃんとお母さんが並んで話していたり、お互い緊張しながらも
メールをやりとりしたり、食卓に家族全員分の食器が並んでいたりするカットがあって嬉しかった。
やっぱり愛する家族といっしょが良いよね・・・。これからは幸せに暮らして欲しいなと思う。

以上、きれいにまとまっていた作品でした。ほんの1冊の漫画だけど、キャラとお別れするのが
ちょっぴり寂しいな。一週間かけて少しずつ読んでいた所為もあるだろうけど。それではまた。

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