はいこんばんはRM307です。今週は漫画回。井上きぬ先生の「まだ見ぬ春の迎えかた」2巻の感想。
今回はあまり読んで嬉しい感想にはならなかったと思う。期待せずにお読みいただけると・・・。
感想が下手くそな僕がえらそうに書くのはおかしいよな・・・とも思いつつ、正直に書きました。
読み取り方がおかしかったりすると思うけど、駄目な読者の例としてお受け取りください・・・。
去年の1月に書いた1巻の感想はこちら。1巻のAmazonのレビューはこれを元にして書きました。
http://rm307.blog.jp/archives/73917298.html


【あらすじ】
バイオリンの勉強の為に海外留学してしまった修一郎の幼なじみのつづみと、彼らの後輩の舞。
修一郎の事が好きなふたりは、告白する権利を得る為に文化祭のミスコンに出場し順位を競う。
果たして順位が上になるのはどちらか、そして告白の行方は、春が訪れるのは・・・。完結編。


7話は日常回。つづみが偶然舞とその友人が話していた、舞と修一郎との思い出話を聞きます。
盗み聞きが思いっきりバレるつづみ。ただでさえ気まずいのに、後輩にバレるのはつらすぎるw
お互いに、自分の知らないつづみの中に居る修ちゃん、舞の中に居る桜井先輩と会えるって良いな。
でも僕だったら、好きな相手の知らない部分を恋敵から聞かされたらいちいち嫉妬してしまうかも。
恋敵のフィルターを通して語られる好きな相手の話を喜べるって、すごい事のような気がするな。
しかし聞かれてとても恥ずかしがってはいるけど、怒ったり嫌な顔をしたりしない舞はえらいな!

冒頭のつづみのメイド服姿から、本人曰くダサい私服、変装姿までどれも可愛くて良かったなぁ。
基本的に全コマ可愛いのだけど、強いて挙げるなら、つづみは10、11ページのきっとした表情、
盗み聞きがバレて顔を逸らした時の表情、26、29ページ1コマ目、最後の笑顔が特に可愛くて好き。
でも一番好きだったのは、24ページの気まずそうな「あの……」という表情。とても可愛らしいw
10ページの舞のちょっと困ったような笑顔も大好きなのだよな。15ページの恋に落ちた表情や、
「好きだからつづみ先輩と一緒に居たいの」と言う表情も可愛い。八重歯もホント素敵です。
舞のほわんとした優しい笑顔は、これからも近くでたくさん見たいなぁと思わせてくれるなぁ。


8話では、プールにやってきたつづみと舞と修一郎のお姉ちゃん。つづみがウォータースライダーに
行っている間に、舞と演劇をやっていたお姉ちゃんとで学祭の劇の練習をします。劇は「人魚姫」。
王子と結ばれず、最後は自らの死を選んだ人魚姫の自己犠牲の愛を、舞は素敵な終わり方だと言う。
恋が報われないキャラを好きになる事が多い僕だけど、これが素敵だと思った事は一度も無いなぁ。
舞が言うように儚くて、美しいとは思うけど。でも、舞には人魚姫のようになって欲しくない・・・。
その後、実はお姉ちゃんも人魚姫のように好きな相手から身を引いた事がわかる。なるほど面白い。
そんな相手の結婚式のスピーチなんて嫌だなー!そもそもお姉ちゃんは何で告白しなかったんや!
まぁ事情があったのかもしれないけど、好きな気持ちを抱え続けている様子がつらかったよ・・・。
お姉ちゃんの言った「悲劇のはじまり」が重い。でも、64ページと最後のページの微笑みが良いな。
何とか自分の気持ちに折り合いをつけていく事ができたら良いんだけど。舞の笑顔にも救われる。

と、まじめな事を書いてきましたが、44ページの舞にはめちゃくちゃどきどきしてしまった・・・。
それまでできるだけ目に入れないようにしていたけど、これはすごいですね。6話も良かったけど、
好きなキャラの水着姿って最高だな・・・。気持ち悪いかもしれないけど、正直に書いておきます。
あと、プールサイドで溺れている王子の演技は十分やりすぎだw周りがびっくりしていそうだなw


9話は文化祭当日、すでにミスコンの投票が始まっている。前日あたりのどきどきしている様子を
見たかったな。中間発表では舞が3位、つづみが5位。つづみは舞のアドバイスで、目立っている舞の
そばに居て、自分の順位を上げようとアピールをする事にした。涙目のつづみも、可愛いと言われて
笑顔になったりどや顔?をしちゃったりするつづみも可愛いな。容姿だけなら彼女に入れちゃう。

その後さらなる売名の為に舞のリハーサルに同伴したつづみだったが、後輩たちに目的がバレて
陰口を叩かれてしまう。そこにやってくる舞。僕は「きっと舞がびしっと言ってくれるのだろうな」
なんてのん気に考えていたけど、それは誤りだった。後輩にそう思わせる事が舞の目的だったのだ。
自分に泣きついて欲しくなかったからと言った舞だったけど、「先輩だから強く言えなかった」
と言って陰口に参加した舞を見た時は、冷水をぶっかけられたように一気に冷静になってしまった。
つづみを応援していたじゃん、好きだからいっしょに居たいって言ったじゃん、あの時の笑顔も、
あの時の優しさもぜんぶ無しにしてしまうの?嘘をつくのは全力を出す事に入るの?それとも本心?
1巻で「全力で来て」と言われた後も、舞はつづみと修一郎の事を考えているようだったので、
初見ではどうして舞がそんな行動に出たのかわからなかった。つづみを焚きつけるにしては
キツすぎる手段に感じられて。でももちろんつづみを切り捨てるつもりも無いはずなのだよなぁ。

読み返して、8話の舞の「ばかみたいなハッピーエンドも素敵かもしれない」というモノローグ、
ここで考えが変わったのかなとも思った。その後「せめてお話の中くらい」とも書いてあるけど、
これはお姉ちゃんに向けられたもので、舞は彼女自身のめでたしめでたしを見たいと思ったとか。
でも違うよなぁ。たとえミスコンでつづみに勝っても、舞は告白しないような気がするし・・・。
そもそも全力だとしても、舞からはつづみに勝ちたいという執念みたいなものを感じられなかった。
やっぱり「(私たちが一緒にいるのが評判になったら)修ちゃんもきっと喜ぶよね」というつづみの
セリフがトリガーになったみたいなんだけど、アホなので何が引っかかったのかわからない・・・。
決別シーンも悲しかったなぁ。最後の光と影の中に居るふたりも印象的だ。舞の表情がせつない。
9話の中では82ページのつづみの作画が一番好きかなぁ。髪のトーンやツヤベタが美しい・・・。


10話では何とすでにミスコンの投票が終了し、準ミスになっているつづみ。えー展開が早いな!
最終アピールとか聞きたかったよ!大食い大会でチャンピオンになっているのには笑ってしまったw
そこから修一郎との再会までぽんぽんと進んでいったので、7話冒頭のように夢オチかと思った。
そして再会後すぐに、舞の事を気にしている修一郎に焦ったのか、つづみはストレートに告白する!
うーん!早すぎるような?!それを聞いた修一郎のように、僕も正直あっけにとられてしまった。
それまで丁寧に内面をさらって話が進んできていたので、急激にギアチェンジしたように感じられた。
「そういうスキって本当にいいのかな?」という問題も、これまでだったら一話使っていたような。
でもバイオリンを隔てたつづみと舞の距離感は良かった。それでもまたいっしょに居てくれて嬉しい。
今回はつづみの、告白後の真っ赤な顔や、修一郎にバイオリンを弾いているところを見られた表情、
次のページの「うー」という声が聞こえてきそうな表情、告白の返事待ちの上目遣いもとても可愛く、
最後告白を受け入れてもらって、修一郎に抱きついた時の幸せそうな涙目の表情も良かったなぁ。
あと、9話から入るようになったおまけ4コマも好き。恥ずかしい夢をみてしまったつづみが可愛いw


11話はデート回。扉絵が素晴らしいですね。着替えようとしているつづみ。ふとももがまぶしい。
141ページの喜びと期待に満ちた笑顔も良いなぁ。手を差し出されてどきっとしたところも可愛い。
161ページの「これ以上は」の表情も良かったです。しかし修一郎、いっぱいっぱいと言いつつ
待ち合わせの間に本が読めるなんて余裕があるなw僕ならぜんぜん内容が頭に入ってこないよ!
ふたりを出迎えた時のお姉ちゃんの嬉しそうな表情も可愛いw147ページは・・・大きいな・・・!
ふたりの前に顔を出せなかった舞・・・。悪いとかじゃなく、顔を見せたくなんて無いよな・・・。
まだ無理をしている舞のおまけ4コマもせつない。でも、彼女は最初から諦めていたような気もする。
それでも好きな気持ちを消せる訳じゃないよね。そんな状態でつづみを応援していた舞はすごいよ。
9話の行動もあったけど、結局はこうなる事がわかっていて、これで良かったと思っているのかも。

残り話数からもしやこのまま?と思っていたけど、告白以降は舞の内面の描写がほぼ無い・・・!
1巻の感想の時にも書いたけど、この作品ではふたりを応援したくなるバランスがちょうど良かった。
2巻でも、読んでいる方としてはそうだったのだけど、描写が完全につづみに傾いてしまったので、
上手くバランスを取れなくなってしまった。修一郎のお姉ちゃんと同じように身を引く事になった
舞の心境を知りたかったなぁ。まぁでも最初からつづみ視点で話が進んでいたから仕方が無いのか。
だけどやっぱりどちらも好きだった分、8話があった分、舞の内面が描かれた話が欲しかったなぁ。
個人的には2巻の終わりで決別、3巻に告白後の舞視点のエピソードが入るのが理想だった、なんて。
何を勝手にって感じですが。まぁもちろんWeb漫画では無いので、いろいろと都合があるだろうしね。
どうしても2巻は駆け足だったように感じてしまって。それとも僕が間を求めすぎているのだろうか。


最終12話、扉絵のつづみと舞が何だか大人っぽいな!時間経過と成長を表しているのだろうか。
留学に戻ってしまう修一郎を見送りにきたつづみと舞。でもつづみはお見送りを躊躇してしまう。
9話とは逆で、今回は舞が明るい方に居てつづみが暗い方に居るのだなぁ。意識されていたのかな。
つづみは「色々と楽しいことしたかったよぉー」と嘆いているけど、舞の気持ちを考えると・・・。
舞がどんな気持ちで君と見送ると思う・・・?君にちゃんと見送ろうと言っていると思う・・・?
君は「半年って長い」と言うけれど、舞はこの先ずっと彼の近くに居る事はできないんだよ・・・?
なんて、つい報われなかった舞側に立ってしまう。やっぱり、僕も舞の事が好きだったから・・・。
彼女は結局修一郎の前で自分の気持ちを出す事は無かったのだなぁ。それってすごい事だよなぁ。
それだけ彼への感謝の気持ちが大きかったのだな。そして最後の最後まで、つづみをあれこれ優しく
気遣っていたのもすごい。器が大きいな!逆につづみは最後まで愚痴っているような気が・・・。
舞はずっとつづみを支えてくれていたけど、つづみから舞にしてあげられた事はあったのだろうか?
1巻のお見送りの時以外で。舞は「つづみと会わせてくれてありがとう」と言っていたけど・・・。
つづみが居るだけで十分だったのかもしれないけど、つづみからもっと何かが欲しかった気がする。
と、最後に舞びいきになった事でつづみへの見方が厳しくなってしまうのをお許しください・・・。

でも、つづみの想いが修一郎に届き恋人同士になったところまで読む事ができたのは良かったです。
177ページの2、6コマ目のような、さまざまな魅力的な表情をこれからも見られるなんて羨ましいな。
そして182ページの舞の表情も本当に良かった。どうか彼女も幸せを見つけられますように・・・。
あとがきの、ふたりが手をつないで修一郎を迎えているコマも良かった。舞がつづみを呼び捨てに
したように、ふたりがちょうど良い距離感で、ずっと仲良くしていってくれたら良いなぁ・・・。


【総括】
1巻の時に否定した「男子不在のラブウォーズ」、今回はばちばち火花を散らしていた感じでした。
真剣にぶつかり合う女の子、良いですね!つづみと舞、とても微妙な面白い関係だったと思う。
つづみの事も舞の事も好きだったから、もうふたりの物語を読めないのがとても寂しいな・・・。
また違うかたちでも、彼女たちと逢う事ができたら嬉しいなぁ。小さじ一杯の希望を込めて・・・。
何よりじゃこ先生の作品をたくさん読む事ができて本当に楽しかったです。読んで良かった!
連載お疲れさまでした。なかなか応援できませんが、次回作もとてもとても楽しみにしております。


以上、役に立つ気がしない拙い内容の感想ですが。今回は4時間かかったのでさすがにくたびれた。
ちなみに初めて楽天ブックスで購入したのだけど、14日夜に発送されて嬉しかった。また使おう。
そういえば今回は読者感想はがきが入っていなかったな。前回のが可愛かったのでちょっと残念。
好きな作品の他人の感想はたくさん知りたいので、良ければみなさまのご感想をお聞かせください。
まぁ残念ながら僕の感想をここまで読んだ人はほとんど居ないと思うけど・・・!それではまた。