はいこんばんはRM307です。今週は読書回、今回は村上春樹のエッセイ「村上朝日堂」の感想。
読むのはたぶん五年ぶりで3、4回目。一つの話につき2ページという事もあり、書く事が少ない。
エッセイも短すぎるものより、やっぱりある程度ページ数があった方が楽しめるし書きやすいな。

村上朝日堂 (新潮文庫)
村上 春樹
新潮社
1987-02-27


蟻について(1)」は、巣穴を掘る蟻が掘った砂を穴の入り口から遠くに捨てに行く話で、
中には穴の入り口の横にぺっと捨ててしまう蟻も居ると語られている。それについて村上さんが
でも考えてみれば、誰も彼もが砂粒を遠くまで運んでいかなきゃいけないということはないわけで、まんべんなく砂をばらまくという観点から見れば、入口の近くにひょいと砂を捨てていくのがいてもちっとも構わないのである。
と書かれていて面白かった。たしかにそうだwでも蟻はそこまで考えて捨てているのだろうかw
よく不思議に思うけど、あんなに小さな身体の中に複雑な巣穴を把握したり道を覚えていたりする
能力が備わっているなんてすごいですよね。まさに生命の神秘。小さくても計り知れないなぁ。

とかげの話」では、とかげについて「よく見ているとちょっとシャイなところもあって」と
書かれている。たしかに可愛いけど、どのへんがシャイな感じなのだろうwこちらも面白い意見。
ちなみに、しっぽの切れたとかげは仲間内からいじめられる、縄張りも半分に減らされてしまうと
科学雑誌に書いてあったとあるけど、検索したところ、そもそもとかげは群れて行動しないし、
そこまでの高度な知能は無い、という意見もあった。どちらが正しいのだろう?少し気になる。

略語について(2)」では、社会が複雑化・多様化した事でわからない略語が増えたとある。
その中で「アメリカン・グラフィティ」という映画に登場する略語の話について書かれている。
I・D・なしにお酒を買いにいくシーンがある。テリー君は通りがかりのおじさんに「僕実はこのあいだ洪水でI・D・を失くしちゃいまして……」と言ってかわりにお酒を買ってくれるように頼むわけだが、おじさんがそれに答えていわく「そりゃ気の毒にね、俺も女房を失くしたんだ。でも名前はアイディーてんじゃないけどさ」。
これはたしかに面白いですねw今では当たり前だけど、「ID」が通用しない時代もあったのだな!

あとこのエッセイのイラストが安西水丸さんなのだけど、巻末には逆に村上さんがイラストを、
水丸さんがエッセイを書かれたおまけも載っている。水丸さんの文章もなかなか読みやすかった。


以上、引用が多くて感想は少なかったですね。書く事は無いけどいちおうどれも面白かったです。
小説を読んでインプットする体力と意欲が無いので、次回もまたエッセイかも。それではまた。