はいこんばんはRM307です。今週は演劇回、今回も前回同様劇団柿喰う客の「美少年」の感想。
YouTubeの公式チャンネルの動画はこちら。前回の「変身の永島敬三さんも出演されていた。



【あらすじ】
日本中を揺るがせた、昭和の終わりに起きた美少年の誘拐事件。少年は無事に解放されたが、
たしかに誘拐された本人なのに、以前の彼とは何かが決定的に違っていた。それから30年後、
平成の終わりに事件は起きる。誘拐事件の犯人は、そしてかつての美少年の行き末は・・・。


演劇を観るのは2回目なので、演劇全般がそうなのかこの劇団の特徴なのかはわからないけど、
前回の「変身」同様にめちゃくちゃテンポの速いセリフをよどみなく発するのがすごかった。
シン・ゴジラ」以上に速くて、お客さんたちも初見で理解しているのだろうか?すごいなぁ。
しかも演者4人の声が完璧にそろっていて。なんて、プロにこんな事を言うのは失礼かもだけど。
あと「携帯電話の電源はお切りください」などの上演時の注意から、流れるように劇に入るのも
面白かったな。それを含め、たびたびメタ視点のセリフが入ったり一旦素に戻る演技になって
劇の流れが中断したりするのだけど、中盤からはほぼノンストップ、息もつかせぬ展開だった。
「変身」でもそうだったけど、メタ視点になっても嫌な感じは無く、すんなり楽しめる印象。
上手く言えないけど、最初はメタから入りながらも、劇に昇華されていくのが見事だった。

「美少年を演じる事を完全に放棄し~」など最初から笑いのポイントがいくつもあるのだけど、
実はそれには意味があって、終盤に回収されたり繰り返す事で引き立ったりしたのが良かった。
ただあまりにもセリフと展開が速かったのと、このブログではよく書いているけど僕の頭が
悪い為、ちょっとついていけないところも多かった。相当集中していないと僕には難しいかも。
ストーリーへの細かい感想は、あと2、3回観て理解しないと上手く書けない・・・すみません。
けれどそんな僕でも、「今すごい事が起きている!」という大きな渦のような力を感じたし、
それは大人たちを狂わせた運命と同じような、抗いがたい圧倒的な流れとして伝わってきた。
なるほどなぁ。僕ほど頭の悪くない人だったら、たぶんもっともっと楽しめる1時間だと思う。

遠方に住んでいるので観劇する事は難しいのだけど、生で観たらすごい迫力だろうなぁ・・・。
迫力といえば、美しい石膏像を前にした時の演者さんふたりの表情が、まるで目の前に本物の
石膏像があるような嬉々とした、狂気も感じるような生々しいもので、とても惹き込まれたな。
取り直したり編集したりするものとは違う、演劇ってすごいな!と思いました。それではまた。

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