金魚ちゃんの週末インプット★

読んだ本や漫画、観た映画の感想を書いたり作った料理の記録をしたりするブログ。

【読書感想】2020年5月2日 黄昏の岸 暁の天 下巻

はいこんばんはRM307です。読書回の今週は小野不由美作「黄昏の岸 暁の天」下巻の感想。
上巻同様、読むのは十代の頃以来でたぶん2、3回目。なので細かいところを結構忘れていた。
上巻の感想http://rm307.blog.jp/archives/81736341.html



【あらすじ】
慶に転がり込んできた李斎の頼みを受け、泰麒の捜索をできる限り協力すると約束した陽子は、
延王尚隆ら、十二国のうち六国の王と麒麟の力を借り、蓬莱と崑崙を捜し始めた。しかし
一向に麒麟の気配は感じられない。そんな中、廉麟の使令が良くないものの存在を感じ取る。
蓬莱に居るはずの無い強大な妖力の持ち主、泰麒の使令の饕餮、傲濫だ。泰麒はここに居る!
しかし角を失った泰麒はもはや麒麟とは呼べず、麒麟でないなら、蝕で十二国に渡れない――。


短い話だったという事もあるけど、捜索が進展する後半の展開はとても面白く、一気に読めた。
あまりキャラの心象に触れず、ずいぶん急に展開が転がっていくなと少しびっくりもしたけど。
伝説の西王母に会い泰麒が目を覚ますまで、もっとじっくり書かれても良さそうなものだけど。

碧霞玄君玉葉に伺いを立てるシーンなど、法の裏をかくように、天の意向に触れないように
するにはどうすれば良いか考えたり質問したりするところが好き。大昔の中国のような世界の話
なのに、明らかに自動的に発動するシステムが常に働いているのが面白い。神の箱庭世界だな。
作中でも書かれていたけど、詭弁のように感じる。陽子と同様に、僕も天意に不信感を抱いた。
上巻の感想でも書いたけど、天命をもって玉座に就いた王が非道な振る舞いをすれば、それは
失道というかたちで天帝の裁きが下される。しかし天命無き偽王に裁きは下らない。王と麒麟を
管理するだけじゃなく、悪人にも天罰を与えて欲しい。下巻ではそれを李斎も訴えていた。
悲痛な叫びにこちらも胸が痛かった。祈る事しかできず、死んでいった民の事も思うと・・・。

西王母が阿選の事を知っていたのもちょっといらっとするな。知っていても何もする事は無い。
玉葉も李斎の事を、昇山した事を知っていた。こちらも阿選の事を知っていただろう・・・。
昇山というシステムについての疑問もよくわかる。騎獣で雲海の上を行けば簡単に着けるのに、
どうしてあんなに危険な黄海の旅をしないといけないのだろう?それによって王になる人物が
命を落とす事もあるのに。他の昇山者、優秀な人物だってたくさん命を落としたりするのに。
麒麟がはっきりとした王気に向かってまっすぐ会いに行ける仕組みの方が絶対良いよね・・・。
李斎も言っているけど、何の為に民にこれだけ高い代償を求めるのだろう。わからない・・・。

天帝や西王母の目的って何だろうな?このままじゃ戴は滅びるかもしれなかったのに、戴に対し
何もしていなかったし、目の前の泰麒が命を落としそうな時も一度は見捨てようとしていた。
神は人と関わらないようにしているのはわかるけど、今回は管理する世界の国の滅亡だよ?
戴が滅んだらどうしていたのだろう?それでも良かったのかな?じゃあ何の為に王と麒麟という
システムを維持し続けている?民の為になる王を選び、国を治めさせている?気になるなぁ。
それともシステムが残っているだけで、天帝の意志というものはもう存在しないのか・・・。
このへんもいつか語られる事があるのかなぁ。すごく知りたいけど、公開される事は無さそう。

あと以前も読んだのに今回初めて知ったんだけど、氾王って男性だったんだね・・・!w長身が
男としか思えないとは書いてあったんだけど、昔の僕は男性に見える女性だと思っていた。
だって女性の格好をしているんだもの。十代の頃の世間知らずな僕は、男性でそんな服装が
好きな人が居るとは知らなかったのだ。十年以上経って初めて知る事実に結構驚いた・・・w
氾王に対し、目線のやり場に困ったり、目をぱちくりさせたりする陽子の反応が面白かったw
氾麟を見てぽかんとする景麒も珍しくて良かった。もしかして予王の姿に見えたりしたのかな。
金波宮に滞在する事になり、氾王が趣味に合うように勝手に模様替えをしたり、世話をする官の
選り好みが激しかったり、氾麟は氾麟で変装して宮殿内を歩き回ったり・・・厄介なふたりだw
祥瓊は疲れただろうなw自分の選んだ服を絶対に着せてやる!と腕まくりしていたところも好き。

筆で字を書くのに慣れていない陽子が氾王からの親書に返事を書く時に、祥瓊の注文が多くて
手厳しいのも面白かった。「そのへんにある紙に書き殴ったら、塵芥みたいなものでしょ」w
陽子が李斎に協力する事を約束した時に、気になった鈴たちが起きて待っていた時の会話も、
「だから、陽子は慶を見捨てるほど莫迦じゃないわ、って言ったのに」→「私にはそれほど
利口には見えなかったの」と遠慮が無いw身分が違っても何でも言い合える仲で好きだなぁ。
この時、遠甫や浩瀚が起きていたのも好きなところ。本当に良い人たちにめぐり逢えて良かった。
虎嘯や遠甫や桂桂が身近なところに住んでいるのも良いよね。しかもいっしょに!暖かいなぁ。

けれど気安い風潮、信頼のおける官だけが王の身近に居られる事を快く思わない人間も居て。
内宰と閽人の愚かな発言。こういう人間、どこにでも居るんだな・・・と残念な気持ちになった。
「他人の内実は推し量るしかない」という考えは、たしか上巻の李斎の回想でも登場したな。
ここで陽子側に持ってくるのが上手いなぁ。しかし陽子、冗祐を手放していたのは良くないぞ!
何か理由があったのかな。賓満が居ない状態でどうやってストレスを発散していたんだろうw
陽子を襲撃した内宰たちにも一理あると思った陽子に対し、浩瀚がさらりと、長々と(笑)
説明するシーンも好き。「剣を持って人を襲うと決めた時点で有罪、他者を裁く資格は無い」、
「愚かな差別を口にする事を恥じない者に道の何たるかがわかるはずがない」、「報われれば
道を守る事ができるけど報われなければそれができない、そんな人間を信用できるはずがない」。
さすがだなぁ。当たり前の事なんだけど、自分の存在に胸を張れない時は自信が無くなるよね。
そんな陽子を慰めるでも無く、淡々と道理を説く姿がカッコ良かった。憧れる大人の姿だ・・・。
あと「実状を知らない者に批判する資格は無い、実状を知ろうとするより先に憶測で罪を作り、
その罪を元に他者を裁く事に疑問を覚えない者に、いかなる権限も与える訳にはいかない」
という部分もなるほどと思った。今の日本にもこうやって私刑を行おうとする人が多い印象だ。
Twitterなどで騒いでいる人々を見ているとそう感じる。自分も気をつけないといけないな。

年長者から諭される事が多い陽子だけど、もちろん言うまでも無く陽子だってとてもすごい。
慶の復興もまだなのに戴を救っている場合かと言われるかもしれない、でも戴の民を救う事は、
もし自分が斃れた時、道を誤った時に慶の民が救われる前例になると言って周りを唖然とさせる。
やっぱり王の資質があるなぁと深くうなずいてしまうな。陽子が好きなので嬉しくなるシーン。
この時の尚隆との駆け引きも、最初ははらはらするけど面白い。周りもはらはらしただろうなw
最後に泰麒捜索の采配を請け負った尚隆に、陽子が「この借りは必ず返す、尚隆が斃れた時に、
雁が騒乱に巻き込まれる頃までには慶を立て直しておくので、安心して頼ってください」と
言ったのも面白い。ホント、ちょっと前まで女子高生をやっていたなんて信じられないなw
泰麒を捜す事になりかなり負担が増えたのに、当然の事のような顔をして尽力するのもえらい。

他の国の王や麒麟たちも、在位が長い立派な王、朝廷が多かったとはいえ忙しかっただろうに、
長く国を空けて一生懸命泰麒を捜してくれて嬉しかったな。特に蓬莱、崑崙を行き来して直接
捜してくれた麒麟たち。傲濫の気配、その恐怖と嫌悪が感じられるようになってからの捜索が、
あんなに身体に悪くつらいものだったとは・・・。今回読み返して廉麟がとても好きになった。
また泰麒と再会して欲しいなぁ・・・。いつか泰麒と驍宗が無事に王宮に戻り、各国へこの時の
感謝を伝えに行く事があれば良いなと思う。廉麟の話は「華胥の幽夢」でも読めるので楽しみ。

もう一つの驚きは、「戴史乍書」に書かれた一文。阿選が「兵を能くして幻術に通ず」とある。
なぜか突然阿選に寝返る人間が居るのは、幻術の所為だったのか・・・?!知らなかった!
前回も書いたかもしれないけど、驍宗が崩御していないのに戴に妖魔が跋扈しているのも
不思議だ。下巻でも「王が無事なら妖魔は現れるはずがない」と書いてあった。もしかして、
これも阿選の幻術の一つなのか・・・?いやさすがに妖魔を呼び寄せる事はできないか・・・。
他の話にもあったけど、妖魔は自分たちの事を人に話したがらないし、人には惑わされないか。
そんな妖魔、使令が、六太の呼びかけに対して「是」と答えるシーンは何だかどきどきした。
少し沈黙するのが良い。自分たちからは積極的に答えたり関わったりするつもりは無いけど、
一応考えて言う事を聞いてくれはするんだな。妖魔の存在も不思議だ。もっと知りたいなぁ。

そういえば妖魔が麒麟の使令に下った後、麒麟の身体欲しさに契約を破ったり、他の麒麟を
襲ったりする事は無いのだろうかと思っていたのだけど、使令との契約は王と麒麟の契約に
匹敵するらしい。そこまで絆が深いものなのだな。なら、傲濫も泰麒と離れるのはつらかろう。
いずれ清められた汕子や傲濫が泰麒の元へ帰る事ができるのだろうか・・・そうなって欲しい。
やり方は悪かったけど、あんなに身を削って泰麒を長い間守ってきたのだし、麒麟の力を失った
泰麒の支えにもなって欲しいし。本当に泰麒と李斎は戴に戻って大丈夫なのだろうか・・・。
慶の波乱の種子になる訳にはいかないし、自分たちの手で支えなくてはいけない。わかるけど、
やっぱりもうちょっと慶で養生して欲しかったなぁ。他国の人間は何もしてあげられないのだと
しても、先行きが不安すぎる。このまま戴に戻っても無事でいられるとはとても思えない・・・。

王気が見えないから驍宗を探せない、使令もおらず転変して逃げる事もできず身を守る術も無い。
玉葉も言っていたけど、そんな状態でどうするのだろうな・・・。あと玉葉が言っていた事で
もう一つ気になるところ、角を失い気脈から切り離された麒麟が生き延びられる年数はわずか、
との事だったけど、十二国の世界に戻れば大丈夫なんだよね・・・?まだ生きられる・・・?
せっかく戻ってこられたのに、あと数年しか生きられないなんて事は無いよね・・・心配だ。
もうお肉を食べないといけない事も無いし、ゆっくりでも角が再生していって欲しい・・・。
でも、何度もはっきりと「失った」と書かれているから、もう再生する事は無いのかな・・・。
あと日本に居る時の泰麒が自身の喪失に気づかなかったのは、やっぱり胎果だったからなんだね。
十二国の世界に戻り、本来の麒麟の身体に戻った途端に意識を失ってしまったのが悲しかった。
少しの血の穢れでも気分が悪くなる生き物なのに、これだけの怨誼は相当つらかっただろうな。

本当に泰麒が不憫だ。李斎の言うように、何も罪を犯してないのに。日本でだってそうだった。
泰麒自身が悪い訳では無いのに、優しい仁の生き物が、あんなに疎まれて、恨まれて・・・。
一番悲しかったのは、「魔性の子」も読んで、この時のつらい経験を泰麒はきっとこの先誰にも
話さず、独りで抱え込むのだろうな・・・という事。独りで、死んでいった命を背負って生きて
いくのだと思うと・・・。それでも笑って前を向き、戴に戻った泰麒はすごすぎるな・・・。
同じ表現になってしまうけど、本当に本当に、泰麒が幸せに生きられるようになって欲しい。

泰麒が戻って目を覚ました時、あの小さい麒麟はもう居ないのだ、と景麒や李斎が喪失感を
覚えたのもせつなかった。これからその失われた時間を埋めていく事ができたら良いんだけど。
みすみす死なせるようなものだと思いながら泰麒と李斎を見送った陽子もつらかっただろうな。
ふたりともせっかく命を救う事ができたのに、もしかしたらこれが今生の別れかもしれない。
でも無力な彼らに対して、戴に対して何もしてあげられない。覿面の罪って厄介だな・・・。
一日でも早く吉報が金波宮に届きますように・・・。ラストの六太との会話も印象的で好き。
「……まず自分からなんだよな」
(中略)
「まず自分がしっかり立てないと、人を助けることもできないんだな、と思って」
 陽子が言うと、そうでもないぜ、と六太は窓に額を寄せる。
「人を助けることで、自分が立てるってこともあるからさ」
僕も誰かを助ける事で、自分もしっかり立てるようになったら良いな・・・と思う。難しいけど。

あと遵帝の故事について六太が話した際、以前国氏が変わった例として代王の話をされていた。
失道で麒麟を失い逆上し、蓬山に乱入してすべての女仙を虐殺、捨身木に火をかけたという。
めちゃくちゃだな!wこの代王は遵帝のようにその場で死んだのだろうか。それとも玉葉に
倒されたとか?いろいろと気になる。十二国記の世界の話、すべてを知る事ができたらなぁ。


以上、面白かったです。ここから続きが読めるまで、読者は19年も待たされたのだよなぁw
ホント待たせすぎだよ・・・!早く続きを読みたいな。不安もあるけど・・・。それではまた。

Web拍手

【料理感想】2020年4月22~24日 おかゆ・たまごがゆ

はいこんばんはRM307です。この一ヶ月で作ったものはチャーハンとホットケーキ、鶏ハム。
鶏ハムは毎週食べていました。しかし今週それが原因でか、胃腸炎になってしまうというね!
中までちゃんと白くなっていなかったかなぁ。しばらく怖くてちょっと食べられないけど、
次作る時は炊飯器の保温機能を使って作ってみたいと思う。上手くいくと良いんだけど・・・。


さて今月の料理回、今回はおかゆです。え?料理と言えるのか?まぁ初めて作ったので・・・。
使用したレシピはこちら。母はごはんから作っていたけど、僕はレシピ通り米から作りました。
事前に米を水に浸けておいて、弱火にかけた時間は25分。柔らかめより固めが良かったので。

20200422_おかゆ

完成したものはこちら。少ないですね。2回に分けて食べたので、写真は0.25合分だったのだ。
味は・・・うん、塩二つまみだとかなり薄いけど、ちゃんとおかゆになっている。美味しい。
でも固めにしたけど、ごはんとしての固さというよりお米としての固さが残っている感じだな。
母が作るおかゆぐらい柔らかくした方が美味しかったかも。明日はもっと火にかけよう・・・
と思ったところ、母に「炊飯器におかゆモードがあるよ」と教えてもらった。そうだったの?!
じゃあわざわざ時間をかけて作らなくても良いじゃん!それで次の日は炊飯器で作りました。
すると・・・うん、自分で作ったよりぜんぜん美味しいおかゆができた!作った意味無し!!!
やっぱり炊飯器は偉大だなと思いました・・・。これからも炊飯器で作る事にしよう・・・。

さらに次の日はたまごがゆを作りました。溶き卵と塩と鶏ガラスープの素を入れて熱しただけ。
https://oceans-nadia.com/user/20995/recipe/368184

20200424_たまごがゆ

完成したものはこちら。味は・・・うん、美味しい!鶏ガラスープの素は少なめだったけど、
十分美味しかったので良かった。ちなみに母が作る時はしょうゆを少し入れる事が多いらしい。
あと今さら思ったけど、これ去年作った雑炊とほぼ同じじゃない?!まぁ良いか。それではまた。

Web拍手

【漫画感想】2020年4月18日 推しが武道館いってくれたら死ぬ 1~4巻

はいこんばんはRM307です。今週は漫画回、今回は初の4冊分の感想を一気にどどーんと更新。
平尾アウリさんの「推しが武道館いってくれたら死ぬ」1~4巻の感想。13~16日の期間限定で
配信されていたのをマウス先生のリツイートで知り、アニメで描かれたところまで読みました。

推しが武道館いってくれたら死ぬ(1) (RYU COMICS)
平尾アウリ
徳間書店(リュウ・コミックス)
2016-02-29



【あらすじ】
岡山のマイナーな地下アイドル「ChamJam」。そのメンバーの一人、舞菜に一目惚れした
えりぴよと、センターであるれおを前のグループから応援しているくまさ、メンバーの空音
ガチ恋している。彼女、彼らは人生を捧げてアイドルを応援する。夢はいつか武道館へ!
一方えりぴよから熱心に応援されている舞菜は、実は密かにえりぴよの事を想っていて・・・。


やっぱり女の子の絵柄がとにかく可愛い!繊細な目やまつ毛の表現が好きだなぁ。憧れる絵柄。
鼻筋もしっかりめ、鼻の穴を描いても可愛いのがすごい。もちろん絵柄だけじゃなく、キャラの
内面も魅力的で、特に握手対応での一言は、それぞれのメンバーの個性が表れていて良かった。
百合要素もすごく良いし、ギャグ描写も面白い。えりぴよのキャラや叫びがホント大好きw

あと僕はツッコミや勢いのあるセリフには単純にびっくりマークを並べてしまうのだけど、
この作品はたとえば「大丈夫です 舞菜は元々そこまでCDが用意されてません」というセリフに
なんだと!?知ってた」とびっくりマークで終わらせず太字で表現しているのが良かった。
この方がシュールさが増して面白いな。くまささんとの会話でもよくこの表現になっていた。
「来週はCD2枚買いたいなあ♡」→「来週までに臓器売るんですか?」→「わたしの臓器安いな」
アイドルに疎いので「ドルオタは推しが出ていない場面でも盛り上がるべし」も勉強になったw

他にもえりぴよの「おい冗談言うなよおもしろいだろ」とまったく面白くなさそうなツッコミ、
えりぴよが握手会で舞菜の手首を握って「脈が…うん 正常だ…!」と言うシーンも笑ったw
舞菜も舞菜で、えりぴよの臓器の話題への内心ツッコミ、喉を痛めてマスク姿でしゃべらない
えりぴよに対して「何かおてつきして一回休み中なのかもしれないし」と考えているのが面白い。
動物園でのライブで、ランダムの整理券で後列を引いてしまったえりぴよが、竹馬に乗って
ライブを観ようとするところも唐突で面白かったな。2巻の運動会企画では、転倒したあーやが
両足にギプスをはめた松葉杖姿の小さいコマがあって、可哀そうだけど笑ってしまったw

今回原作を読んで、あーや優佳がかなり好きになった。特に二つ結びのあーや、可愛い!
今までわがままや妹系のキャラを好きになる事はあまり無かったんだけど、あーやは性格、
ビジュアルともにヒットした。ずけずけと物を言うけど、アイドルとしての意識もかなり高くて
素晴らしい。4巻では「わたしがセンターに立てるのは れおがアイドルをやめる時だと思う」
とモノローグがあり、けれどそれでもれおに「れお やめないでね」と言えるのもすごいなぁ。
まぁ人気投票で自分でCDを買って投票するところもあるんだけどw23話の扉絵は美人!
リレーで真剣に走る表情や、転倒した自分に手を差し伸べた優佳の行動は人気投票の為の
アピールなんじゃないかと疑う表情もめっちゃ良いw3巻で空音と険悪になっていた時に
空音に言われた「ずっと好きでいてほしいな」という握手対応の際の表情もすごく良かった。
空音との関係性も好きだけど、やっぱり優佳と仲良しなのが伝わってくる様子が微笑ましい。
1巻で、あーやが白い腕輪(優佳のメンカラーのグッズ)?ばかり詰めているシーンも好き。

優佳も本当に面白いキャラ。空気は読めないんだけど、天真爛漫な感じがとても可愛くて良い。
特に握手対応、ここまで自然体に振る舞えるのはすごい。しかも無理していないんだよね。
自分が思った事や言いたい事を言って、それを相手が喜べる、楽しめるって稀有な存在だなぁ。
他のキャラの握手対応もすごいけど、この対応は優佳にしかできないんじゃないだろうか。
眞妃の従妹に「愉快な仲間たち」と言われて「そんなに愉快かなあ??」と首を傾げるところ、
4巻のフェスで、自分も出演している側なのに他のアイドルを観て「この子可愛い、推そう」
と言って物販に並ぼうとするところも面白い。嫉妬や抵抗感が無いのだろうな、すごいなー!
僕もこんなふうに、純粋に良いと思ったものを素直に表現したりできるようになりたいものだ。
ありのままの自分を出し、それが嫌味じゃない。自己肯定感の低い僕とは真逆で憧れるな。
MCでの発言も面白く、「たしカニ」と言いながらカニのポーズをしたところも可愛かった。
あと際立っているのが私服のセンス!初詣の時の服がヒョウ柄?のコートに首にはぬいぐるみの
ついたマフラー、短いスカートにタイツw髪に大量にリボンをつけて、微妙にダサいリュックを
背負っている時もあった。個性的だwそれとも僕がわからないだけで、おしゃれなのか・・・?

「ファンにガチ恋させる」と言われている空音の握手対応も天下一品。空音のメンバーカラーの
青い服を着ている基に対して「わたしのこと考えながら選んでくれたんだね?」とか、どきっ!
先述のあーやへの握手対応もそうだけど、これはされたら誰でもガチ恋してしまうよな・・・。
そんな空音も男性といっしょに居たという目撃情報が広まってファンが離れ、人気投票の結果
グループの前列から後列に落ちてしまうのだけど、誤解が解けないままだったのが悲しいなぁ。
僕は誤解や冤罪といったものが嫌いなので・・・いつかちゃんと疑いが晴れると良いんだけど。
2巻152ページのれおとの会話も良かったな。久しぶりにれおの隣で踊れた時のやりとりも好き。

アニメから純粋に可愛いなぁと思っていたのはやっぱりれお。ビジュアルも性格もとても良い。
1巻のガールズフェスタで、くまささんだけに固定レスするところでもう惚れちゃったよね。
笑ってはいけないとされているランウェイ、他の出演者からも来場者からも知られていない
アウェイな場所で、空気の読めない出しゃばりと批判されるかもしれないのに、たった一人の
ファンの為に笑顔を向ける。本当にファンを大切にしているのだなぁ・・・と伝わってくる。
くまささんとのやりとりがホント良いのだ。友情でも恋愛でも無い、ただのアイドルとファン
という関係で、ここまでお互いに美しい信頼と愛情を描けるものなのか・・・!すごいなぁ。
4巻では、めいぷる♡どーるを観に行ったくまささんへの貴重なふくれっ面を見る事ができる。
そんな表情も可愛い・・・。それでも、くまささんの事を信頼しているのはちゃんとわかる。
そういえばメイがくまささんの事を気にしている理由は、れおから大切なファンを奪おうと
しているからなのだろうか。続きを読めばそのへんも描かれているのかもしれない。怖いけど。
どんな時もれおを一途に応援し続けてきたくまささん、彼を信じてその夢を叶え続けてきたれお。
これからもこのふたりの関係が壊れる事無く、立場は違えどずっと歩み続けていって欲しいな。
あと去年の運動会で両足の骨を折ったれおは、どうしてそんな事になってしまったんだろうw

そして男性向けアイドルでありながら、グループ内に百合カップルが居るのも好きなところ。
大人っぽい眞妃はカッコ良い!これで未成年なんだから末恐ろしい。2巻の胸チラもえっち。
眞妃が「(ファンに)見られて困るようなことしてないし?」とゆめりに振るところもえっち!
ファンにこの関係がバレないと良いんだけど。いつまでもふたりが仲良しで居て欲しいなぁ。
ゆめりは、人気投票でもし優佳の票が眞妃を上回ったら、来年はガールズフェスタにいっしょに
出ようねと言われたのにそれが実現できないと涙するシーン、自分が前列で踊るところを見て
感極まるファンの姿を見て喜ぶシーンが好き。眞妃の事も好きだけど、男性ファンの事も大切に
考えているところが良いな。眞妃の従妹にマウントを取られても嫉妬しないところもすごい。

舞菜は、えりぴよが基さんの妹のれなと親しげな様子を見てはらはらして、ただの知り合いだと
わかった時の弾けるような笑顔が良かった。基本的に良い子だよね。えりぴよが病気になったと
知った時に、「わたしが怪我しないようにっていうことしか神様にお願いしなかったからだ…」
と悔やむところもまじめすぎて可愛い。僕も(僕は可愛くないけど)こういう思考をよくするw
「えりぴよさんとの会話は全部覚えてます!!というのはさすがに言えないけど 気持ち悪いから」
というモノローグもよくわかる!僕も気持ち悪いぐらい相手の事を覚えていたりするから・・・。
でも舞菜にはきちんとえりぴよに、自分がどれぐらいえりぴよを好きかを伝えて欲しいなぁ。
それだと話が終わってしまうかもしれないけど、いつかそんな時がきて欲しいと願ってしまう。
恋愛漫画では無いからわからないけど、この想いが届く日がくるような事はあるのだろうか。

えりぴよは、容姿が十分可愛いのだけど、キャラの所為でそう見られないところが面白いな。
自分以外に笑いかける舞菜を見たくないと思ってしまい、その後れなちゃんがあまりライブに
こられないとわかった時の嬉しそうな表情、4巻で舞菜がテレビに出て号泣する表情が特に好き。
推しに人気が無くても応援し続ける、そんなえりぴよにはとても共感する。その姿勢が素敵!
「舞菜は私がいなくても何も思わないだろうけど 私の人生には舞菜の1分1秒が必要なんです!」
は名言だ。一つ気になったのは、病気で舞菜が前列で踊るところを見られなかった時、それを
知らなかった事。えりぴよだったら毎日「舞菜」で検索したりライブの感想をチェックしたり
しそうなものだけど。あえて検索しないようにしている描写があったっけ。忘れてしまった。
何だかんだくまささんや基さんと仲が良いのも良い。僕もこういう仲間が欲しいなぁ・・・。

くまささんのセリフでは、特に「僕なんかのことを相手してくれるのは れおがアイドルって
仕事してるからこそだと思うから」が印象的だった。ちょっと違うけど、僕も、今でも好きな
新都社作家さんたちと交流できている事に対してこういうふうに思っているふしがあるな。
「いつが最後の生誕になるかわからない」と言えるところもすごい。盲目的に応援するのでは
無く、いつか迎えるであろう終焉も見据えながら応援する事ができるのって強いな・・・。
れおが以前所属していたグループも応援していたからだろうけど。長年応援しているからか、
アイドルと繋がっては出禁になっている要注意人物のイケメンがれおに対応してもらっていても
動じず、れおを信頼しているのがカッコ良かった。ファンとしては一番見習いたい姿勢だなぁ。
僕はたぶん基さんに近くて、すぐに相手の行動やその一言に動揺してしまうだろうから・・・。
まぁ「僕には空音ちゃんしかなかったのに その空音ちゃんには僕がいらないって」みたいな
思考はしないけど。相手と住む世界が違う事はよくわかっているから、僕は期待しないと思う。
自分が必要とされているなんて最初から期待しないから、基さんのように失望する事も無い。

原作とアニメの違いはいくつかあったけど、印象的だったのは4巻のフェスのせつない終わり方。
アニメではまだ喜びの方が上回っていたので。最後のれおの表情が印象的だったな。
でもこういうマイナス面がしっかり描かれているのはすごく良い。続きも読みたくなる・・・。
あと3巻のバレンタインイベントで、チョコはどう受け取れば良いかれなちゃんがえりぴよに
訊いた時、喉を痛めてしゃべれないえりぴよが長文をフリップに書いたのだけど、れなちゃんの
「クソオタ…」というモノローグがあった。れなちゃんはこんなキツい事も思うんだな・・・w

以上、面白かったです。アニメ化されていない5~6巻は読まなかった。2期で知りたいので。
アニメ2期、欲しいなぁ・・・。原作では眞妃の従妹の夏未や要注意イケメンが登場したけど、
このへんは2期になったらどう描かれるのかな。うーん、続きを読みたいけど、今は我慢しよう。
やっぱり良い作品だなと再認識しました。作者さんの他の作品も読みたいな。それではまた。

Web拍手

【映画感想】2020年4月11日 思い出のマーニー

はいこんばんはRM307です。今月の映画回はスタジオジブリの「思い出のマーニー」の感想。
何か百合らしいという噂を目にしたので観る事にしました。ジブリ作品は好きだったんだけど、
そういえば「ハウルの動く城」を映画館で観てがっかりして以降の作品は観ていなかったな。

思い出のマーニー [DVD]
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
2015-03-18


【あらすじ】
12歳の杏奈は早くに家族を失い、頼子に引き取られていた。学校でも友人と上手くいかず、
持病のぜんそくも悪化した彼女に、主治医は田舎での療養を勧める。夏の間頼子の親戚夫婦に
預けられた杏奈は、外出先で他人を避けて逃げた入り江で偶然古びた大きな屋敷を発見する。
もう誰も住んでいない廃墟だったが、その夜、夢で杏奈はそこに外国人の少女の姿を目にする。
最初は夢で遠くから見るだけだったが、その後入り江にあるボートに乗り、屋敷へ向かうと、
そこには少女マーニーが住んでいた。杏奈は彼女にココロを許し、ふたりの交流が始まった。


夢野ヒトミ☆先生が含むところのあるようなツイート(「評価も評判もこんがらがっている」)
をされていたので、観る前は「がっかりする内容だったらどうしよう・・・」と心配していた。
杏奈は幻覚を見ているのだろうか、まずい方向へ進んでしまわないだろうかという心配もあり、
はらはらしていたけど、とても良い話で面白かった。彩香がマーニーを知っていたところでは
杏奈と同じように「マーニーは実在したの・・・?」と不思議な気持ちになって、どうなるか
ぜんぜんわからなかったな。目の色で杏奈には外国人の血が流れているとわかるシーンも、
どうつながるんだろう?と思いながら観ていて、久子のマーニーの話でようやく気づいた。
よくできている!マーニーと出逢ったのは偶然じゃなく必然だったのかな。何だか嬉しくなる。
マーニーとふたりでサイロへ向かうところから、少しずつ差異が生まれていくのも良かった。
まぁ不安になるし、マーニーを失う事になる杏奈の直後の気持ちを考えると悲しいんだけど。

でも杏奈が元気になって本当に良かった。彼女について、最初「感情を表に出ない」と言われて
いたけど、内向的なくらいでぜんぜん普通の子じゃん、問題なんか何も無いよ~と思っていた。
大岩夫婦もそう思っていたみたい。悪いところを改善できてハッピーエンド、とかじゃなくて、
杏奈が自分自身で良いと思い出したという事なのかなぁ。すべてひっくるめて一歩前に進めた。

腹を立てて「ふとっちょ豚」と呼んでしまった信子(最初中年のおばさんだと思った・・・w)
にも謝る事ができて、しゃべらなかった十一も口を開いて、頼子の事を「母」と紹介もして、
おいおい全部回収してくれるのかい!ぜいたくだな!と嬉しかった。できれば久子に杏奈が
マーニーの孫である事も話して欲しかったけど、それは最後に時間を使って描く事でも無いか。
お手紙を書くとも言っていたし、久子との交流が続いて欲しいなぁ。来年の夏もきて欲しい。

頼子の親戚の大岩夫婦はひたすら良い人でほっとした。杏奈の事を気にかけつつも、きちんと
信頼しているのが伝わってきてすごいなぁと思った。僕だったらまだ12歳の子どもを預かったら
もっと気を回してしまうよ。夜遅くまで帰ってこなかったり、信子の母親が乗り込んできたり、
道端で倒れたりしていても、子どもの行動を尊重してあげるのってなかなかできないよなぁ。
ちなみに奥さんの方のセツさん、お世話になっている職場のパートのおばさんに似ているwww
こちらはもっとおせっかい焼きなのだけど、体型とか雰囲気とかセツさんによく似ているのだ。
知らない子の境遇を聞いただけで涙していた彩香も良い子だったなぁ。こちらは、赤川次郎の
杉原爽香シリーズの爽香に似ている(名前と眼鏡からの連想w)。杏奈とも再会して欲しいな。

対照的に、マーニーの周りの人々はひどかったな。マーニーが家政婦たちに無理やりサイロに
連れて行かれたエピソードがつらくて謎だった。どうしてそんなにひどい事をするんだ・・・?
中でもマーニーを置いて遊び呆けていた母親!子どもがつらい目に遭うのは本当に許せない。
そして夢みていた愛する家庭をようやく持った直後に、だんなさんが亡くなるなんて・・・。
幼い頃にたくさん寂しい時間を過ごした分、その後の人生は幸せであって欲しかったな・・・。
和彦や久子と過ごせた時間は幸福だったかもしれないけど、本当にわずかな時間だったから。
代わりにはならないかもしれないけど、祖母の思い出を抱いて、杏奈が幸せになって欲しい。

距離を詰められたり触れられたりするのに慣れていない杏奈のマーニーへの反応、たしかに
百合と言われるのはわかる。お互いストレートに相手に「あなたが大好き」とも言っているし。
(もちろん、必ずしも恋愛的な意味での好意であるとは限らないので決めつけられないけど)
個人的には友情に感じるかなぁ。百合でも良いけど。まぁそれはそこまで重要じゃないかも。
自分に初めてのものを見せてくれる、初めての経験をさせてくれる、いっしょに居る時は自分を
飾ったり偽ったりせず、ありのままの姿の自分を見せる事ができる・・・。そんな特別な相手。
それはたぶん、相手の年齢も性別も関係無いところにあって、友愛や恋慕というカテゴリに
たやすく分けられない事だってある。僕は杏奈とマーニーを観ていて、単純に大切な相手が
居るって良いな、と思った。それで良いや。結論から逃げていると思われるかもしれないけど。

悪い意味じゃないけど、これ日本だよね?時代設定はいつなんだろう?と違和感を覚えながら
観ていて、フォロワーさんが仰っていた原作を検索したのだけど、もともと外国の小説なんだ!
それでかと腑に落ちた。日本に置き換えても、やっぱり物語の作りは国で異なるものなのだな。
あとキャスト名で甲斐田裕子さんと藤田茜さんのお名前を発見した。声では気づかなかったな。

以上、16年ぶりのジブリの新作、心配はしたけど楽しめたので良かったです。それではまた。

Web拍手

【読書感想】2020年4月4日 黄昏の岸 暁の天 上巻

はいこんばんはRM307です。読書回の今週は小野不由美作「黄昏の岸 暁の天」上巻の感想。
十二国記シリーズの第6作目、番外編では無く続編で、前回感想を書いた「魔性の子」の顛末を
十二国の世界側から描いた作品。読むのは十代の頃以来でたぶん2、3回目だと思う。この作品を
読むにはヘビーな内容の「魔性の子」も読まないといけない為、なかなか読み返せなかった。
図書館には加筆修正された新文庫版もあるけど、今週は忙しくて読む時間、長い感想を書く
時間が無かったので、持っていた上下巻に別れている講談社ホワイトハート版を読みました。



【あらすじ】
陽子が景王として登極してから二年が経った。まだ安定にはほど遠い慶東国の王宮の金波宮に、
ある日傷だらけの騎獣に乗った女性が現れた。自分も大怪我をしている彼女は劉李斎と名乗る。
戴極国の将軍の李斎は、陽子に戴を救って欲しいと懇願する。彼女の口から語られる戴の現状は
凄まじいものだった。しかし兵を向ける事はできず、慶には助けるだけの余裕が無かった――。


部分的に覚えていた箇所はあったけど、ほとんど内容を忘れていた為、新鮮な気持ちで読めた。
単に泰王驍宗、泰麒の行方がわからなくなっただけでは無く、ここまで込み入った事情があり、
偽王(正確には偽王じゃないけど便宜的に)阿選の振る舞いがここまでひどかったとは・・・。
驍宗と阿選の水面下での読み合い、これも事実だったのかな。考え抜かれていて面白いなぁ。

王を目指し、自分と並び立っていた驍宗が選ばれ、自分は選ばれなかった阿選。驍宗から玉座を
掠め取った彼はしかし、王になる事が目的にはならなかったようだ。戴を滅ぼしたいのかな。
自分を王に選ばなかったこの国など、存在しているだけでも腹立たしい・・・みたいな気持ち?
でも徹底的に滅ぼそうとするほどの意志も感じられない。何もかもがどうでも良いのかな。
怠惰な何かを感じる。どちらにしても、ひどく厄介な状況には変わりない。天命をもって玉座に
就いた王が非道な振る舞いをすれば、それは失道というかたちで天帝の裁きが下される。
しかし天命無き偽王に裁きは下らない。何だかなぁという感じだ。本当に天帝が民を想うなら、
王と麒麟を管理するだけじゃなく、こういう悪人に天罰を与えて欲しい、と思っちゃうよね。
このまま放っておいたら本当に戴が滅んでしまうよ。それは天帝の意志に反すると思うけど。
そのへんのシステムについては下巻に出てくるので、その時にまた語りたくなるかもしれない。

しかし、驍宗も泰麒も亡くなっていないから次の王も立たないし次の泰果も実らないという状況、
王と麒麟が同時に居なくなり冢宰も重症で、朝廷を束ねる者が誰も居ないという前例の無い状況
初めて読んだ時も思ったけど、どちらもめちゃくちゃ良くできているなぁ・・・すごく面白い。
本当に戴はどうする事もできない窮地に陥った。これも阿選の狙い通りだったのだろうか?

泰麒を殺そうとした阿選は、もし殺した後はどう動くつもりだったのだろう?泰麒が鳴蝕を
起こす事も予想していたとは思えないんだけど。混乱に乗じて白雉が鳴いた、驍宗が死んだと
嘘をついた訳だけど、鳴蝕の被害が無かったらこんなに上手く動けなかったんじゃないかと。
このへんはもしかしたら新作を読むと解決するのかもしれないな。読んだ時にまた触れるかも。

何より気になるのは、こんなに無茶苦茶な所業を行う彼に従う人間たちが居る事。戴は空位が
長く続いた。荒廃が少なかったとはいえ、また王が居ない時代に逆戻りして良いと思う兵士が
そんなに居るのかな?何を考えて道理に反する阿選に従い、非道の限りを尽くしているのか?
自分の行動に疑問を抱かないのか?昨日まで阿選に反旗を翻していたのに、今日になると突然
露骨な心変わりをした、李斎たちを保護した官吏たちの事も気になる。どういう事なのだろう。
陽子が洗脳と言っていたけど、これに近い事が行われているとしか思えないよね。不気味だ。
そして轍囲や驍宗の故郷が焼かれ滅ぼされたのがとても悲しい。もう取り返しがつかない。

他にも李斎に真実を教えてくれたり匿ってくれたりした官吏たちの命や、多くの戴の民の命も
そうなんだけど。本当に多くのものが犠牲になった。人々は何の罪も犯していないのに・・・。
「魔性の子」での高里と同じように、李斎も人々から逃げなければいけなかった。僕は冤罪が
大嫌いなのでつらかったな。そして右腕を失った。もう軍人が務まらないのが可哀そうだ。
ただ李斎も完全な善人では無く、遵帝の故事を知らないかもしれない景王をそそのかして戴に
兵を向けてもらおうとしていたのは意外だった。それぐらいしないと戴は永遠に救われない、
このままだと確実に滅んでしまうと思っての事だから、そう思ってしまう気持ちもわかるけど。
あと飛燕が元気になったのは良かった。あんなにぼろぼろだったのに、本当に良い騎獣だなぁ。

そして泰麒も日々その力が損なわれていった。切られた角が再生しなかったのは、食事でお肉を
食べさせられていたからだったのか・・・。この血の穢れさえ無ければ、麒麟の力が戻っていた
かもしれないと思うと・・・。でもそうしたら、使令たちがもっと早くに暴走していたのかな。
「魔性の子」の広瀬と出会う前だったから、もっとひどい状況になっていた可能性もありそう。
でも角の再生とともに記憶が戻って、十二国の世界に戻れた可能性もあるな。うーん、難しい。
使令は麒麟の気力を喰わないといけない。大きく動けば泰麒が完全に損なわれるかもしれない。
という事は、「魔性の子」では暴走した彼らの為に本当にぎりぎりのところだったのだな・・・。
日本での姿(殻)の時は麒麟の部分の喪失に気づかない、というのも厄介だ。そうだったのか。
本当に泰麒はどうしてここまでひどい事になるんだ、と悲しくなるほど過酷な境遇だ・・・。

その他に面白かったところを引用。ああ、この感覚はこうやって表現すれば良いのか!と感動。
「評価は結果を言い表したものでしかないでしょう。傑物という言葉は乍将軍の――泰王の結果に対する評価であって、泰王の内実を示す言葉ではないと思うんですが。(中略)他人と自分を比べてみても仕方ない。引き比べるのはどうしたって、他人の評価と自分の内実という比較にならないものになるに決まってるんですから」
「それが器量の差というものだと。私の考えが及ばなかった、足りなかった――どれも言葉は正しくありません。考えるきっかけがあれば、私にも分かったことでしょう。だが、私にはそのきっかけを見出すことができなかった」
それと王が崩御した際に鳴いて死ぬ白雉は、人では殺せないんだね。阿選が切りかかっても剣が
素通りしたという。興味深い。仙のように飢えて死んだりもしないのかな?不思議な生き物だ。
あと気になった新キャラ、冬官長の琅燦。少しだけしか登場してないけど魅力的な女性だった。
検索したところ新作にも登場するらしい。という事はその後生き残っていたのかな?良かった。

以上、ページ数は少なく、大きく物語が動いている訳では無いけど、終盤で李斎の語る真実に
あっと驚く面白い展開でした。下巻の感想は来月になるけど、早めに読むかも。それではまた。

Web拍手

【料理感想】2020年3月28日 蘇

はいこんばんはRM307です。今月は料理回。この一ヶ月で作った料理は鶏ハムぐらいかな。
先月末久しぶりに作ったのだけど、美味しくて毎週作って食べていた。母にも好評でした。
冷凍食品よりも安くなるので良いな。食べ飽きるまでは今後もしばらく作り続けようと思う。
ちなみに鶏ハムに使わない皮は、猫にあげたりカリカリの鶏皮せんべいにしたりしました。


さて今月の料理回、今回は古代日本で作られたチーズです。Twitterで流行しているらしい。
そんな食べ物があったとは!僕は今回ニュースサイトで取り上げられた事で初めて知りました。
使用したレシピはこちら。牛乳を熱して水分を飛ばすだけ。少し時間はかかるけどとても簡単。
https://cookpad.com/recipe/1772193
僕もレシピ同様250mlで作りました。最初はとろ火だったけど、固まる気がしなかったので、
こちらのサイトを参考に途中から中火で熱して作りました。完成までかかった時間は30分弱。
https://note.com/sarisally1/n/n759d4eb9e579

20200328_切る前の蘇
完成したものはこちら。かなり小さくなったな。冷蔵庫で冷やしてから切って食べました。
20200328_切った蘇
味は・・・おお、市販されているチーズとはぜんぜん違う。濃厚!そしてしっかり甘みがある。
美味しい!牛乳だけでこんなに違う味になるんだな!面白い。もっと作っても良かったかもな。
母にも好評だったので良かった。僕は以前腎臓結石を患ったのであまりチーズを食べない方が
良いのだけど、気が向いたらまた作ってみよう。パンにはさんでも良いかも!それではまた。

Web拍手

【漫画感想】2020年3月21日 私立!星乙女学園バニーガール学科1巻

はいこんばんはRM307です。今週は没先生の「私立!星乙女学園バニーガール学科」1巻の感想。
コミティアで出された同人誌です。Web連載分の1~3話のリメイクと描き下ろし漫画が2ページ。

1巻(現在は売り切れ)
https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=631575
Web版
http://bossanism.com/hosiotome.html

【あらすじ】
私立星乙女学園にはバニーガール学科、猫耳メイド学科など、ちょっと特殊な学科が存在する。
三角、ナギ、マユマユの三人は、今日も泣いたり笑ったり、叫んだりツッコんだりしながら
立派なバニーガールになる為精進している・・・はずだけど、メインは日常コメディだよ!

20200321_「私立!星乙女学園バニーガール学科」1巻

表紙はサイトのトップページ同様ナギが真ん中で嬉しい。表紙から飛び出している感じも良い。
ロゴもそうだけど、没先生はデザインがお上手だよね。僕はこういうセンスが無いので羨ましい。
あとこれはケチをつけている訳では無いけど、英訳タイトルが結構長くてちょっと面白かった。
ナギは髪の色の兼ね合いでセンターが多いのかな?と思っていたのだけど、裏表紙を見ると
紹介が一番上にきている。もしかして主人公ってナギだったの?!ずっと三角だと思っていた!
元気が良くてアホっぽいので・・・。単純に元気娘が主人公だと思ってしまうタイプです。

Webの旧版はアナログで描かれていたけど、本編はデジタルでオールリメイク。本になった事で
より漫画ぽさが増している(いや元から漫画なんだけど)し、上達されていてコミカルな表情の
表現力も上がっている印象。ただ個人的には初期のアナログの作画も絵柄もすごく好きなので、
どちらの作画も良いと思うし、できたらサイトでは旧版も残しておいてもらえると嬉しいなぁ。

【第1羽 バイト面接】
内容はWebで何回も読んだので特に語る事は無いんだけど、三角の面接で思い出した事がある。
以前司書補の資格を取った後、何度か司書や学校司書の採用面接を受けたのだけど、その中で
「印象に残っている本は何ですか?」と訊かれた事があった。「最近読んだ本は何ですか?」
という質問に対する回答は用意していたのだけど、とっさの事で頭が真っ白になり適用できず、
「村上春樹作品には大きくココロを動かされたからそう答えようか、でもにわかだと思われて
そこまで本に興味を持っていないのではと勘ぐられたらどうしよう・・・」と混乱してしまった。
結局何と答えたか覚えていない。今同じ質問をされても大して答えられない気がするな・・・。
という事で、パニックに陥った三角に共感したのだった。思い出せないよね、わかるよ・・・。
よく泣いている三角、ギャグ調の泣き顔が可愛いんですよね。こちらは今の絵柄の方が好き。

旧版とリメイク版のどちらの作画も良いと書いたけど、デジタル作画ではトーンや直線ツールを
使えるので、自分で補完せずそのまま摂取できる分、リメイク版の方が読みやすくて良いのかも。
作画のクオリティが高いと、シュールなコマはよりシュールに感じるし。ギャグ向きなのかな。

【第2羽 vs猫耳メイド学科】
こいつ・・・と思われそうだからあまり言いたくないんですが、純粋なバニーガールコスの時は
真っ先に胸の谷間に目が行ってしまう訳で。昔はそんな事無かったのにな!純粋に話の中身に
注目していたのに・・・まぁそれはともかく、新旧の谷間を比較したら描き方が違っていた。
旧版は寄せて上げるって感じだけどリメイク版はコスチュームを胸に当てただけに見えるな。
後者の方が現実に近いのかな?まったく詳しくないので間違っていたら申し訳無いんだけど。

猫耳メイド学科の成宮なるみさん、うさぎのフンのコマは、個人的には旧版の方が好きだな。
荒んでいる表情がとても良い。「こわ~い」を活かすならリメイク版の方が良いんだろうけど。
あと梅子さん、28ページではけんもほろろだけど、20ページでは笑顔を見られる。可愛いな。

でも2羽で一番良いのは男性に話しかけに行けないナギですね。普段はわりとオラオラ系なのに、
意外性があって良い!でも男性に耐性が無い、誰とも付き合っていないからといって、別に
僕にチャンスが生まれる訳では無いんだよな。はぁ、ナギと付き合っていろんな面を知りたい。
私生活では没先生のTwitterのヘッダーのような、可愛いおさげ姿も見られるのかなぁ・・・。

おまけページには狐耳巫女さんが描かれている。優しげな表情が可愛い!しっぽももふもふ。
このイメージとはぜんぜん違うけど、マユマユって狐ぽいですよね。ナギは狼、三角はわんこ?

【第3羽 真百合のデート】
尾行の為髪型を変えた三角とナギが可愛い!おさげ眼鏡良い!髪留めもギャップがあって良い!
あとまた胸の話をしますが、32ページのマユマユの胸、1巻の中では一番好き。大きい・・・!
そして同じくマユマユの、東大寺くんに髪に着けられたマリーゴールドの花を一瞬で取るコマが
1巻で一番好き。面白いwビデオで撮るマユマユも、ちょっと嬉しそうな表情が可愛いなぁ。

【おまけマンガ バニ学あるある】
大好きな三角の泣き顔を見られて良かった。いちいちしっぽをつけ替えるの、たしかに面倒だ。
最後ナギは何も言わないけど、ちょっとむっとしているのが面白い。血痕トーン、僕も使いたい。


以上、特に良い感想にならなかったけど。今後の連載の続きも楽しみですね。それではまた。

Web拍手

【映画感想】2020年3月14日 君と、徒然

はいこんばんはRM307です。今週は映画回、今月も実写映画の「君と、徒然」の感想。微百合。
10代、20代、30代の女性同士の関係を描いた三本立てのオムニバス形式の短い作品です。42分。

君と、徒然
秦佐和子
2019-07-17


Episode 1 17歳と17歳
読書家の物静かな少女と、彼女に話しかける明るく元気な少女。王道のカップリングですね。
静かに下校したり、電車内で並んで黙々と読書をしたり。大きな展開がある訳では無く、淡々と
時間が流れていくのだけど、きっとふたりは沈黙が苦にならない良い関係なのかな、と思った。
こういう特別な時間、素敵ですよね。僕もかなり昔に好きだった相手とこうやって過ごしたな。
元気な少女は「明日の映画楽しみだね」と言って笑顔で去っていく。物静かな少女も、表情は
ポーカーフェイスを崩さないのだけど、でもちょっぴり嬉しそうで。その明日も観たかったなぁ。

Episode 2 21歳と20歳
大学の先輩後輩。最後に先輩が「退学届を出したんだ」と大学を辞める事を突然後輩に伝える。
これを観て、「生天目先輩の百合学時代のエピソードもこれだけ描けば良かったんじゃ?!」と
気づいた。そうすればもっと楽できていたかもしれないのにな・・・w当時は一話で成立する
「終わり」のエピソードを構築できなかった。こういうやり方もあったのだなと勉強になった。

Episode 3 31歳と30歳
何となく死にに行くふたりなのかな、と思って観ていたらやっぱりそうだった。30代にしては
ずいぶんと若い服装(偏見に聞こえたらすみません)なのにも何か意味があったのだろうか。
「少女のような純粋な気持ちを捨てない」という意志の表れだったのかなぁ。その気持ちには、
お互いへの特別な感情も含まれていて。もしかしたらその事でつらい目に遭ったりしたのかも。
まぁこれはただの想像ですが。ふたりがいつまでもいっしょに、幸せに生きていけますように。


以上、正直なところ、百合を期待して観ていたので物足りなさを感じた。短かった事もある。
もっと長い物語を観たかった。映像の切り取り方も相まって、何だか映画ぽくない印象だった。
技術が拙いと言いたい訳では無くて、ホームビデオやスナップ写真の延長のような感じがした。
そのへん狙って作られたのかもしれないな。日常の、でも一瞬一瞬が大切な時間、なのかも。

ちなみに声優の木戸衣吹さんと五十嵐裕美さんも出演されています。でも顔を知らなかった。
そういえば先月の映画回で書いたスクールガール・コンプレックス~放送部篇~」の感想で、
「寿美菜子さんも出演されていたんだ!声優でも映画に出るのだな」と書いたけど、寿さんは
もともと子役出身らしかった。なるほど!映像の演技もできるなんてすごいな。それではまた。

Web拍手

【読書感想】2020年3月7日 魔性の子

はいこんばんはRM307です。今週は読書回、今回は小野不由美作の「魔性の子」の感想。
十二国記シリーズの実質1作目。ただファンタジー色は強くなく、怪奇、現代ホラー作品です。
読むのは十年以上ぶり2回目。内容をほとんど忘れていたけど、ヘビーだった記憶はあった。

魔性の子 十二国記 0 (新潮文庫)
小野 不由美
新潮社
2012-06-27


【あらすじ】
大学生の広瀬は、教育実習の為に母校を再訪した。そこで一人の不思議な空気をまとった生徒と
出会う。彼の名は高里。担任である広瀬の恩師の後藤によると、彼は問題児だという事だった。
ただ高里自身に問題があるのでは無い。彼は台風の目で、周りの人間が荒れるのだという。
彼をいじめた生徒が突然大怪我をしたり、命を落としたり。生徒たちは言う。「高里は祟る」。
広瀬はそんな高里に自分と同じものを感じて守ろうとするが、祟りはエスカレートしていく。
高里の内なるエゴがそうさせているのか、それとも子どもの頃の「神隠し」が原因なのか――。


終盤以外内容を忘れていたので、新鮮な気持ちで読めた。しかしストーリーは新鮮という言葉が
似つかわしくない、凄惨な内容でびっくりした。高里は祟る、過去に周囲の人間が不審な死を
遂げている。ちょっと不気味だなくらいの気持ちでいたら、高里の為を思って彼を殴った岩木が
誰かも判別できなくなるぐらいに顔がぐちゃぐちゃになって死んだり、それを責めた生徒たちが
屋上から集団自殺をしたり。その後も高里の家族や高里の祟りの事を嗅ぎつけて追い回していた
マスコミたちが獣に食い荒らされたような姿で死んだり、高里たちを非難した広瀬のアパートの
住人たちが火事で焼死したり、ついには高里の高校が倒壊して多くの犠牲者が出たり・・・。
ここまでひどい事が起きるのか・・・と小説を読んでいて久しぶりに大きな衝撃を受けた。
今回読み返すまで、アニメの「十二国記」は杉本が居るからこの作品のアニメ化はできないな、
とぼんやり考えていたけど、杉本が居なくてもこれはアニメにできないな・・・恐ろしすぎる。

何が悲しいって、あんなに良い子だった泰麒(高里)が、何一つ悪い事をしていないのに友人や
家族、そして世間の人々から糾弾されていた事。学校では腫れ物に触るような扱いを受けて、
家でも家族から存在を否定され、祟りが広まってからは世間の人々から悪意を向けられて・・・。
特に母親の豹変が一番悲しかったな。神隠しの前ではあんなに高里の事を大切に思っていて、
泰麒も会いたいと泣いていたくらいだったのに。高里を殺したいぐらい呪うようになるなんて。
僕も、僕の母親はこの世界で唯一僕を受け入れてくれる存在なので、もしも高里の母親のように
憎み疎まれるようになったりしたら、もう生きていけないくらいつらいだろうな。本当の孤独。
また、自分からは話さなかったので誰も高里の事を理解していなかったけど、ココロの中では
悲しみ、苦しみ、涙を流していた事を思うと・・・。どうしてこんなにつらい思いをしないと
いけなかったんだ、と無性に悔しい。慈悲の生き物である彼にはつらすぎる運命だよ・・・。
周りで誰かが傷つくたびに、一人死ぬたびに、自分も深く傷つく高里が可哀そうだった・・・。
そして、高里の家が留守みたいで弟も父親も学校や職場を無断で休んでいる、という会話では
思わずああ・・・とため息と、読んでいて若干めまいがした。ついに家族までが犠牲に・・・。
何も知らない野次馬の「親まで祟り殺しやがって!」という罵声が、今回一番つらかったかも。

でも正直――これを言うとあーるえむ君性格悪いなと思われそうだけど(いや今さらか)――、
高里の母親や、広瀬のアパートの住人たち、ハイエナのようなマスコミの人間たちが無残に
殺されたところは「あー良かった」と結構すっきりしてしまった。もちろんそれによって深く
ココロを痛めた高里は可哀そうだけど、恐怖と苦痛の死を遂げてしかるべきだと思ったのだ。
高校が倒壊して校長や教頭が死んだのも良かったけど、無関係な生徒たちも巻き込まれたのは
ちょっと悲しかったかな。でも正直なところ、スケールの大きさに少しぞくぞくしてしまった。

麒麟は血の穢れで弱る仁の生き物なので、蓬莱では長く生きられないとどこかに書いてあった。
高里は肉や魚を食べながらも、よく高校生まで生き続ける事ができたな。食べられないものは
無いと言っていたし、胎果の殻の姿では麒麟とは違う身体の作りになるのかな?あるいはまだ
この頃はそこまで麒麟の設定が固まっていなかったのかもしれないけど。ちょっと謎ですね。
それとなぜ泰麒の使令たちは、泰麒が被害に遭ってすぐでは無く、しばらく経ってから報復
したのだろう?廉麟の使令はすぐに攻撃をしたよね?どんな違いがあったのかわからない。
泰麒の身を守る存在なのであれば、すぐに姿を現して相手に反撃するべきだと思うんだけど。

しかしこれが第一作という事に本当にびっくりする。リアルタイムで読んでいた人は疑問だらけ
だったんじゃないかな。たとえば麒麟が王以外に膝を折らない伏線は作中で説明されていない。
ただ広瀬と読者に謎を残しただけ。高里が思い出した戴極国や蓬盧宮という十二国のワードも、
直接伏線や謎を解くキーにはなっていないし。いずれもこの作品だけでは回収されない部分。
読者にもちゃんと説明しない、本当に十二国の世界から帰ってきた高里にしか意味がわからない
作りになっているのがめちゃくちゃすごい。商業作品でこんな事をやっちゃえるんだな・・・。
当時は読者からどういう評価を受けていたのだろうな。まとめているサイトとか無いかな?
「未回収だけどこれは伏線だったのか?」という疑問点とどう向き合っていたのか気になる。

あと今回初めてWikipediaのページを開いたのだけど、十二国記シリーズを書く予定があって
この作品が書かれた訳では無く、十二国の設定はただこの作品の為だけに考えられたらしい!
じゃあ余計に作中でぜんぶ説明するべきじゃん!それをしないってものすごい勇気じゃない?
もしかしたら十二国記シリーズは世に出なかった可能性もあって、その場合はただただ読者に
謎を残しただけで終わった訳で、ますますそんな事をできるなんてすごいな・・・と驚いた。
ある意味不死鳥先生と似ているタイプなのかも。不死鳥先生の構築する世界観もすごかった。

他にも上手いなぁと思ったところは、人は汚い生き物だ、エゴは醜いというテーマが描かれ、
てっきり高里にも適用されるものだと思って読んでいたら、高里は麒麟であり人では無かった、
という流れ。ここも初見だと見破れない気がする。ちょっとずるいような気もするけど・・・w

ただ違和感のあるところもあって、たとえば理科室のメンバーの岩木が死んだ後も、メンバーが
集って岩木の軽口を叩いたり談笑できたりする事。高校生を子ども扱いしている訳では無いけど、
普通はもっとショックを受けそうなものじゃない?見知った顔が突然、しかもあんなかたちで
死んだりしたら一生物のトラウマのような気がするけど・・・。屋上からの集団自殺後も同様。
鋼メンタルだ。まぁ創作だから良いんだけど、ちょっとリアルじゃないように感じてしまった。

でも橋上は良いな。高里の元に殺到する逆上した生徒たちを守るシーンはカッコ良かった。
あと十時先生。事情を知っていながら自分の部屋に広瀬と高里をかくまってくれたのがすごい。
もしバレたら自分も世間から非難されるかもしれないのに、勇気があるなぁ。僕にはできない。
後藤先生も好き。こういう大人って良いよなぁ。これからも広瀬との交流が続いていくと良いな。
ちなみにこの十時先生、養護教諭だから女性だと思っていたら、男性でちょっとがっかりしたw
ずっと敬語だったし、最後になって「彼」って書いてあるんだもの。勘違いしちゃったよ!w

後藤先生の広瀬への言葉はぐさぐさ刺さったなぁ。こことラストが僕にとって重かったのだ。
現実世界に馴染めず、広瀬が帰りたがっていた夢の中の世界。後藤はそれをおとぎ話だと言う。
誰でもこの世界から逃げたい、自分の為の世界へ戻りたいと思う。でもそんなものは無いのだと
はっきり否定する。人は現実の中で生きていかないといけない、どこかで折り合いをつけないと
いけない、いつかは切り捨てないといけないのだと広瀬を諭す。「それは広瀬にとって恐ろしい
科白だった」という地の文があるけど、それは僕にとっても聞きたくない、耳の痛い言葉だ。
僕もネットの世界に入り浸り、重きを置いているのは、現実世界から逃げる為でもあるからね。
不覚にも涙を流す広瀬がせつない。でも、後藤先生の「広瀬。俺たちを拒まないでくれ」という
セリフは良いなぁ。広瀬の事を大切に思っているんだよね。でも、やっぱりその言葉は刺さる。

その後、高里の過去が明らかになりそうになっても、広瀬は彼にそれを伝える事ができなかった。
そして伝えた後も、十二国の世界へ戻ろうとした高里を前に自分が追い詰められているような
感覚がしたり、自分が置いていかれる不安から引き止めたりしようとするところが悲しいなぁ。
「俺を置いていくのか」と高里にすがる広瀬の姿を見るのも、覚えてはいたけどつらかった。
高里がいくら迫害されようと、日本中が敵だらけになろうと、彼を守ってきた。でも最後に、
彼が選ばれ、自分が選ばれなかった時、彼だけが戻り、自分だけが戻れないとわかった時、
汚いエゴが表出した。なんて悲しいのだろう。最後の最後に回収されてしまうのがキツい。
広瀬もつらいだろうけど、高里もとてもつらいだろうなぁ・・・。唯一の理解者だったから。
でも文中に汚いと書いてあるけど、それが人なんだ・・・広瀬を責める事はできないよ・・・。
広瀬にとっても高里は唯一の理解者だと思っていたのだ。どちらの気持ちも考えると・・・。
何となくは覚えていたけど、ここまで痛みを伴うシーンだとは思わなかったな。苦しかった。

一番好きなシーンは、広瀬と高里がふたりでロライマ山での隠遁生活の計画を練るところ。
どこかで夢物語だとわかりながら、幸せそうに想像している様子がとても良く、そしてせつない。
ラストシーンで、広瀬の耳に高里の「――山に……ってください」という叫びが聴こえる。
そこで広瀬の足取りがたしかになるのも良い。広瀬はロライマ山へ行く事ができたのだろうか。

メディアに槍玉に挙げられ、広瀬はその後どういう人生を歩んだのだろうととても気になる。
大学には戻れたのか、それとも辞めて、高里の考えていたような生活を送ったのだろうか。
とてもじゃないけど平穏無事に元の生活に戻れたとは思えない。今度は孤独な戦いだな・・・。
隠遁生活を送っているのか、それとも幸せに生きる事ができたのだろうか。知りたいな・・・。
かつてみた甘い夢の世界に帰りたいと望んでいた広瀬が、この現実世界でたしかなものを得て、
前向きに生きる事ができていますように。それは広瀬に自分自身を重ねている僕の祈りなのだ。
本当に幸せでいて欲しいと思う。それが、僕を含めた異端者たちの希望にもなっているはず。

僕自身も、いつか自分の幸せをつかむ事ができるようになるのだろうか。見通しは立たない。
それでも、後藤先生の言うように現実世界で生きていくしかないのだ・・・しんどいなぁ・・・。
もう生きるのがしんどい・・・明日さえも生きたくない。あと何十年これが続くんだろう・・・。
高里のように別世界には戻れない。広瀬のように前にも進めない。僕はどこへも行けない・・・。


以上、内容を忘れていた事もあって、シリーズの中では一番の衝撃だった。面白かったです。
しかし王が蝕で渡るとここまでの被害が出るものだとは・・・。でも、こちらを先に読んだ事で
次回の「黄昏の岸 暁の天」をより理解しやすくなったと思うので良かった。それではまた。

Web拍手

【料理感想】2020年2月29日 野菜ジュースと豆乳のスープ

はいこんばんはRM307です。この一ヶ月で作った料理はフレンチトースト、炊き込みご飯ぐらい。
炊き込みご飯はしょっぱかったな・・・調味料の量はそこまで多くしなかったんだけどなぁ。
それとくろすけ先生のお誕生日にカフェオレケーキと、2のひと先生のお誕生日にチーズケーキを。
まぁどちらもホットケーキミックスを混ぜて、オーブンで焼いただけのシンプルなものだけど。
おふたりには言っていないし、このブログも読んでらっしゃらないと思うので完全な自己満足。
あと今日久しぶりに鶏むね肉を買ってきたので、これまた久しぶりに鶏ハムを作ろうと思う。

さて、昨年末に母方の叔父と叔母からお歳暮に野菜ジュースの詰め合わせをいただきました。
お中元同様、野菜の味が強くて僕と母は飲めない野菜一日これ一本200mlも6本入っていました。
またトマトスープにして飲むか・・・でも他にも簡単な料理に使えないかな、と思って検索し、
見つけたこのレシピ、今回は野菜ジュースと豆乳の冷製スープを作ってみました。混ぜるだけw
ちょうどフレンチトースト用に買ったけど、食べ飽きて余らせた豆乳があったので良かった。

20200229_野菜ジュースと豆乳の冷製スープ
完成したものはこちら。味は・・・うーん、野菜ジュースと豆乳の悪いところが出ている気が。
野菜の主張は変わらず、豆乳が味を薄めてはいるけどかえってえぐみが足されて美味しくない。
個人的には苦手だな・・・しかしもったいないので残す訳にはいかない。どうしたものか・・・。

・・・あれ、そもそもこの濃い野菜ジュースはいつも温かいスープにして飲んでいたのだから、
この冷製スープも温めれば良いんじゃないか・・・?よし、試しにレンジで温めて飲んでみよう!
そう思って軽くチンして飲んでみました。すると・・・うん、やっぱり温めると結構飲めるな!
もういっそたまねぎとコンソメを入れてちゃんとしたスープにするか!と思って煮てみました。

20200229_野菜ジュースと豆乳のスープ
完成したものはこちら。味は・・・うん、豆乳が入った事でまろやかな味になった気がする!
たまねぎ(薄切りにして炒めてから入れた)の香りもすごく良い。たまねぎのスープ大好き!
でも沸騰させてしまったので豆乳が分解して、ざらっとした舌触りになった。失敗したな。
今回は野菜ジュースと混ぜた状態から作ったので仕方が無い部分があったけど、次作る時は
野菜ジュースでたまねぎを少し煮た後に、火を弱めて仕上げに豆乳を入れた方が良いのかも?
味自体はわりと美味しかったので、また作ってみようかな。リカバリーは成功!それではまた。

Web拍手
最新コメント