はいこんばんはRM307です。読書回の今週は小野不由美作の「白銀の墟 玄の月」3巻の感想。
1巻の感想:https://rm307.blog.jp/archives/82632252.html
2巻の感想:https://rm307.blog.jp/archives/82890451.html
【あらすじ】
泰麒は膠着状態を打開する為、阿選の六寝に侵入を試みる。その途中で気づいた東宮の様子。
そこに囚われた正頼が居るのでは。深夜、泰麒は項梁と耶利とともに地下から東宮に向かった。
予想通り囚われていた正頼と接触し、国帑のありかを聞いた項梁は王宮を抜け出す事になった。
しかし正頼を助け出す事は叶わず。苦しむ泰麒だったが、民を思いすぐに毅然として前を向く。
一方李斎たちは石林観の主座沐雨から、驍宗が身罷っていない事を聞かされる。また密かに
驍宗を捜索し、阿選に対抗しようとしている民や勢力が多い事を知り、もう一度希望を抱いた。
そしてついに驍宗の居場所に目星をつける。時同じくして、阿選も麾下を驍宗の元に派遣する。
冒頭で項梁の泰麒への疑念が晴れる。泰麒が祈っていたのは阿選では無く、文州に居る李斎や
驍宗だったんだね。味方をも騙せるぐらい泰麒の演技が上手かったという事なので結果良し!
しかし李斎が阿選と通じていた可能性すらも考えていたとは!そこまで用心深かったのだな。
王宮に戻ったのも、早く民を救いたいと逸る気持ちだけでは無く、驍宗を王宮の中から捜す事、
自分の警護に労を割かせない事などの理由もあったのか!めちゃくちゃ考えていてすごい!
泰麒のすごさについては耶利や琅燦も舌を巻いている。外界に開かれていたものが閉じられる、
内面を見せず閉ざす術は、蓬莱での苦しい日々に身につけたものだから複雑だけど。悲しい。
この巻では「魔性の子」に関する記述が多くて嬉しかった。それはすなわち泰麒が苦しんでいる
シーンでもあったから複雑だけど。東宮に忍び込み、兵士と相対する際に広瀬先生を思って
「先生」とつぶやき勇気を奮い立たせたり、阿選に誓約を迫られた時にかつて同級生たちから
土下座を強要され、その為に彼らが屋上から飛び降りた事を思い出したり。これまでの巻では
語られる事は無く、十二国の世界に戻った事で過去を振り返らなくなったのかとも思ったけど、
泰麒の中では決して過去では無いのだな・・・。思えば、読者からしたら「魔性の子」から
新刊までは30年近く経っているけど、泰麒は十二国の世界に戻ってきてまだいくらも時間が
経っていないのか・・・うっかり失念してしまっていた。それでも民を想い、その救済の為に
前を向き続ける泰麒は本当にすごい。殺されるかもしれない正頼を残し、館に戻る時の表情も。
計り知れない精神力の強さだな・・・。兵卒を殺す事ができず、項梁に「甘い」と言われは
したけど、これは性格じゃなく麒麟だからどうしようも無いと思う。項梁は叱らないであげて。
囚われて、拷問されていた正頼。阿選に通じている可能性もあると疑っていたごめんよ・・・。
六年もの長い間、殺される手前の壮絶な苦痛を毎日与えられていたなんてひどすぎるよ・・・。
その上脱走しようとした咎で、今後さらに痛めつけられる事になるなんて・・・惨い話を書く。
殺される前に、すべてが解決して何とか救い出されて欲しい・・・。阿選、絶対に許せない。
正頼に接触した後、泰麒の居る館に阿選が現れた時は、耶利同様読んでいて僕もびっくりした。
さすがに頭が良い。阿選自身が天意を疑っているから思い当たったという事もあるだろうけど。
阿選が驍宗に背いた理由も明かされた。そんなに驚くような事は無かったので少し残念だった。
驍宗と比べられたり自分が影のように思えたりするプレッシャー、軍を退いて野に下る事は
できなかったのかなぁ。まぁ驍宗にはそれができただろうけど、阿選にそれは難しいか・・・。
驍宗でも、一度は泰麒から天意を得られなかった時、「王になる者如何では玉座を掠め取ろうと
思わないとは限らない」と言っていた。王になる人物でもそう思う事があったのだな・・・。
驍宗と阿選は似ていると言われる事もあった。ならば似ている、けれど王たり得ない阿選が
ずっと驍宗に仕え続ける事はどだい無理な話だったのか。泰麒への「嫉妬に触れなかったのは、
私に対する気遣いか?」というセリフはしびれるなぁ。阿選にじゃなくて小野不由美先生にね。
泰麒の角だけを斬る事、驍宗を殺さず幽閉する事は結果的にそうなったのでは無く、最初からの
狙いだったのか。角を封じれば良いという事はあくまで結果から導き出せる答えであって、
「月の影 影の海」でも景麒が塙麟に角を封じられてはいたけど、それは麒麟だから、麒麟の
事情がわかっている塙麟にだからできた事で、それ以外にできる術は無いと思っていたけど、
琅燦の存在が狂わせたな・・・ここまで詳しいとは。天の摂理を試す事が目的みたいだけど、
阿選に大逆をそそのかすだけじゃなく、その計画や幻術や妖魔を提供するなど、完全な共犯者
だったのか。2巻で軽くそのようだと触れられていたけど、ここまで深く結びついていたなんて。
厄介すぎるし、琅燦に対する怒りも湧いてきた。阿選といっしょに報いを受けて欲しい・・・。
王が斃れていないのに妖魔が蔓延っていたのも、阿選が使った妖魔が同族を呼び寄せたから。
なるほど!長年の謎が解けてすっきりした。謀反の疑いがあれば何も残さず殲滅するのも、
傀儡ゆえの機械的な行動だから。こちらも腑に落ちた。読んでいた当時はこの世界に幻術が
存在すると思っていなかったからなぁ。最初は世界観を壊さない?と心配だったのだけど。
あと黄海で採れるらしい先が光る木の棒、これはまんま懐中電灯だなwこんなに都合の良い
アイテムを出して良いのだろうか?wでもだからこそ、これは蓬莱や崑崙に存在するものを
十二国の世界を作った存在が真似て作った、という可能性がより感じられるようになったな。
人の魂魄を抜く妖魔次蟾。2巻で出てきた謎の鳩の声はこれだったのか。その所為で淶和や
平仲、徳裕は病み、ある程度病が進んだらもう元には戻らないという。可哀そうに・・・。
そんな中で巌趙が大僕として泰麒を助けてくれる事になったのは良かったな。駆けつけた巌趙に
応対した、前の巻から登場している阿選の麾下の兵卒駹淑が気になる。何か役割がありそう。
2巻の感想でも書いたけど、阿選の麾下にも良い人は居る。巌趙や、かつての巌趙の麾下杉登を
気遣ってくれた品堅。そして泰麒に仕えて信頼を得て瑞州州宰になった恵棟。恵棟は、非道の
限りを尽くした阿選が王になる事が納得できなくて職を辞そうとした。ただそれは阿選が麾下を
拒絶し、その想いを踏みにじったからというのが人間らしい。「黄昏の岸 暁の天」の感想で
「なぜここまで非道を行う阿選に麾下は追従するのか?人の心があるはずなのに」と書いて、
1巻からも主人と麾下の関係が描写されていたけど、ここで一つの答えが出たように感じた。
李斎パートでは、死んだ武将は驍宗では無く基寮だったという事もわかる。髪や目の色が驍宗と
一致していたからおかしいなとは思ったけど、これは老安の民の嘘だったのだな!どうりで。
薬を盛っていたというのも、毒薬じゃなく本当の薬だったという事で良かった。死んだ基寮、
傷が治りきる前に無理をして倒れる事を繰り返したのがな・・・ちゃんと養生して欲しかった。
葆葉のように実は戴の事を考え、密かに行動している民が多いとわかったのが嬉しかったな。
轍囲の民も白幟として、救われたのは自分が生まれるはるか前の出来事なのに、驍宗を思い
捜し続けていたし、李斎が慶に転がり込んだ時、戴の命運は尽きる間近のように思われたけど、
不羈の民がたくさん残っていたのだな・・・。まだまだ戴に希望はあるのだ!と心強く思った。
土匪にも朽桟のように、一見敵や悪人に見えるけど実は事情があったり道理がわかっていたり
する人物も居る。ただ、だからといって土匪すべてに考慮すべき事情があるとは限らないし、
人出が足りなくなると里を脅して人を連れて行き、使い捨てる者たちは同情に値しないけど。
高卓に至る厳しい道のり。僕は以前から過酷な修行をする宗教に対して疑問を抱いていたの
だけど、そこまでしなければ削ぎ落とせない邪念がある、という考えもあるのだな・・・。
それにしても、その過程で命を落としてしまうなんて意味が無いと思っちゃうけど・・・。
そして潜伏していた同志たちと再会!こんなにたくさんの味方が生き残っていたのだな・・・!
出発した時は三人、それが六千以上の人数になった。熱い展開。文州城を攻略できるだろうか。
そしてついに驍宗の描写が。1、2巻に登場し、姉が亡くなった貧しい一家が流した供物が驍宗の
元に届き、その命を救っていたのもすごい・・・。貧しい一家がそれを知れたら良いな・・・。
そうすれば少しは一家も救われるだろう。どうか厳しい冬を越え、生き残って欲しいと思う。
驍宗はやっぱり阿選が裏切るだろうと思っていて、罠だとわかっていて出兵したのだな・・・。
阿選が妖魔を使うとは予想できなかっただろうし、侮りや慢心があって仕方が無かったのかも。
生き残り、折れて皮膚を突き破った脚の骨を無理やり接いだ描写はめちゃくちゃ痛そうだった!
切開するだけでも痛いのに・・・!こちらも精神力が強いな!正しく戴の王って感じがする。
さて阿選が朝に戻り、泰麒の周りにも人が集まり出した中で、窮地に立たされた冢宰の張運。
上位の者を蹴落とす為の「過剰な忠義」作戦や、嘘で塗り固めているうちに事実を捻じ曲げ、
自分に都合良い認識を持つという、現実の人間にも多く居そうなパターンの小物っぷりを晒す。
「丕緒の鳥」にも淵雅という矮小な人物が登場しましたね。どこの世界にも居るのだな・・・。
最終的に周りに蹴落とさせる「過剰な忠義」は特に厄介だ。でも泰麒には通じなくて良かった。
「新王阿選は泰麒の欺瞞だ」という主張がかえって驍宗が王である事を後押ししたのも面白い。
しかしきっとやられっぱなしでは無いよな・・・阿選や琅燦よりも障害になりそうな気がする。
以上、面白かったです。次回はいよいよ最終巻!どういった結末になるのか・・・実はキャラの
名前をコピペする為に検索した時、うっかり不安になるネタバレを見てしまった・・・心配。
誰も失われる事無く、幸せな結末を迎えて欲しい・・・読むのが怖いな・・・。それではまた。
1巻の感想:https://rm307.blog.jp/archives/82632252.html
2巻の感想:https://rm307.blog.jp/archives/82890451.html
【あらすじ】
泰麒は膠着状態を打開する為、阿選の六寝に侵入を試みる。その途中で気づいた東宮の様子。
そこに囚われた正頼が居るのでは。深夜、泰麒は項梁と耶利とともに地下から東宮に向かった。
予想通り囚われていた正頼と接触し、国帑のありかを聞いた項梁は王宮を抜け出す事になった。
しかし正頼を助け出す事は叶わず。苦しむ泰麒だったが、民を思いすぐに毅然として前を向く。
一方李斎たちは石林観の主座沐雨から、驍宗が身罷っていない事を聞かされる。また密かに
驍宗を捜索し、阿選に対抗しようとしている民や勢力が多い事を知り、もう一度希望を抱いた。
そしてついに驍宗の居場所に目星をつける。時同じくして、阿選も麾下を驍宗の元に派遣する。
冒頭で項梁の泰麒への疑念が晴れる。泰麒が祈っていたのは阿選では無く、文州に居る李斎や
驍宗だったんだね。味方をも騙せるぐらい泰麒の演技が上手かったという事なので結果良し!
しかし李斎が阿選と通じていた可能性すらも考えていたとは!そこまで用心深かったのだな。
王宮に戻ったのも、早く民を救いたいと逸る気持ちだけでは無く、驍宗を王宮の中から捜す事、
自分の警護に労を割かせない事などの理由もあったのか!めちゃくちゃ考えていてすごい!
泰麒のすごさについては耶利や琅燦も舌を巻いている。外界に開かれていたものが閉じられる、
内面を見せず閉ざす術は、蓬莱での苦しい日々に身につけたものだから複雑だけど。悲しい。
この巻では「魔性の子」に関する記述が多くて嬉しかった。それはすなわち泰麒が苦しんでいる
シーンでもあったから複雑だけど。東宮に忍び込み、兵士と相対する際に広瀬先生を思って
「先生」とつぶやき勇気を奮い立たせたり、阿選に誓約を迫られた時にかつて同級生たちから
土下座を強要され、その為に彼らが屋上から飛び降りた事を思い出したり。これまでの巻では
語られる事は無く、十二国の世界に戻った事で過去を振り返らなくなったのかとも思ったけど、
泰麒の中では決して過去では無いのだな・・・。思えば、読者からしたら「魔性の子」から
新刊までは30年近く経っているけど、泰麒は十二国の世界に戻ってきてまだいくらも時間が
経っていないのか・・・うっかり失念してしまっていた。それでも民を想い、その救済の為に
前を向き続ける泰麒は本当にすごい。殺されるかもしれない正頼を残し、館に戻る時の表情も。
計り知れない精神力の強さだな・・・。兵卒を殺す事ができず、項梁に「甘い」と言われは
したけど、これは性格じゃなく麒麟だからどうしようも無いと思う。項梁は叱らないであげて。
囚われて、拷問されていた正頼。阿選に通じている可能性もあると疑っていたごめんよ・・・。
六年もの長い間、殺される手前の壮絶な苦痛を毎日与えられていたなんてひどすぎるよ・・・。
その上脱走しようとした咎で、今後さらに痛めつけられる事になるなんて・・・惨い話を書く。
殺される前に、すべてが解決して何とか救い出されて欲しい・・・。阿選、絶対に許せない。
正頼に接触した後、泰麒の居る館に阿選が現れた時は、耶利同様読んでいて僕もびっくりした。
さすがに頭が良い。阿選自身が天意を疑っているから思い当たったという事もあるだろうけど。
阿選が驍宗に背いた理由も明かされた。そんなに驚くような事は無かったので少し残念だった。
驍宗と比べられたり自分が影のように思えたりするプレッシャー、軍を退いて野に下る事は
できなかったのかなぁ。まぁ驍宗にはそれができただろうけど、阿選にそれは難しいか・・・。
驍宗でも、一度は泰麒から天意を得られなかった時、「王になる者如何では玉座を掠め取ろうと
思わないとは限らない」と言っていた。王になる人物でもそう思う事があったのだな・・・。
驍宗と阿選は似ていると言われる事もあった。ならば似ている、けれど王たり得ない阿選が
ずっと驍宗に仕え続ける事はどだい無理な話だったのか。泰麒への「嫉妬に触れなかったのは、
私に対する気遣いか?」というセリフはしびれるなぁ。阿選にじゃなくて小野不由美先生にね。
泰麒の角だけを斬る事、驍宗を殺さず幽閉する事は結果的にそうなったのでは無く、最初からの
狙いだったのか。角を封じれば良いという事はあくまで結果から導き出せる答えであって、
「月の影 影の海」でも景麒が塙麟に角を封じられてはいたけど、それは麒麟だから、麒麟の
事情がわかっている塙麟にだからできた事で、それ以外にできる術は無いと思っていたけど、
琅燦の存在が狂わせたな・・・ここまで詳しいとは。天の摂理を試す事が目的みたいだけど、
阿選に大逆をそそのかすだけじゃなく、その計画や幻術や妖魔を提供するなど、完全な共犯者
だったのか。2巻で軽くそのようだと触れられていたけど、ここまで深く結びついていたなんて。
厄介すぎるし、琅燦に対する怒りも湧いてきた。阿選といっしょに報いを受けて欲しい・・・。
王が斃れていないのに妖魔が蔓延っていたのも、阿選が使った妖魔が同族を呼び寄せたから。
なるほど!長年の謎が解けてすっきりした。謀反の疑いがあれば何も残さず殲滅するのも、
傀儡ゆえの機械的な行動だから。こちらも腑に落ちた。読んでいた当時はこの世界に幻術が
存在すると思っていなかったからなぁ。最初は世界観を壊さない?と心配だったのだけど。
あと黄海で採れるらしい先が光る木の棒、これはまんま懐中電灯だなwこんなに都合の良い
アイテムを出して良いのだろうか?wでもだからこそ、これは蓬莱や崑崙に存在するものを
十二国の世界を作った存在が真似て作った、という可能性がより感じられるようになったな。
人の魂魄を抜く妖魔次蟾。2巻で出てきた謎の鳩の声はこれだったのか。その所為で淶和や
平仲、徳裕は病み、ある程度病が進んだらもう元には戻らないという。可哀そうに・・・。
そんな中で巌趙が大僕として泰麒を助けてくれる事になったのは良かったな。駆けつけた巌趙に
応対した、前の巻から登場している阿選の麾下の兵卒駹淑が気になる。何か役割がありそう。
2巻の感想でも書いたけど、阿選の麾下にも良い人は居る。巌趙や、かつての巌趙の麾下杉登を
気遣ってくれた品堅。そして泰麒に仕えて信頼を得て瑞州州宰になった恵棟。恵棟は、非道の
限りを尽くした阿選が王になる事が納得できなくて職を辞そうとした。ただそれは阿選が麾下を
拒絶し、その想いを踏みにじったからというのが人間らしい。「黄昏の岸 暁の天」の感想で
「なぜここまで非道を行う阿選に麾下は追従するのか?人の心があるはずなのに」と書いて、
1巻からも主人と麾下の関係が描写されていたけど、ここで一つの答えが出たように感じた。
李斎パートでは、死んだ武将は驍宗では無く基寮だったという事もわかる。髪や目の色が驍宗と
一致していたからおかしいなとは思ったけど、これは老安の民の嘘だったのだな!どうりで。
薬を盛っていたというのも、毒薬じゃなく本当の薬だったという事で良かった。死んだ基寮、
傷が治りきる前に無理をして倒れる事を繰り返したのがな・・・ちゃんと養生して欲しかった。
葆葉のように実は戴の事を考え、密かに行動している民が多いとわかったのが嬉しかったな。
轍囲の民も白幟として、救われたのは自分が生まれるはるか前の出来事なのに、驍宗を思い
捜し続けていたし、李斎が慶に転がり込んだ時、戴の命運は尽きる間近のように思われたけど、
不羈の民がたくさん残っていたのだな・・・。まだまだ戴に希望はあるのだ!と心強く思った。
土匪にも朽桟のように、一見敵や悪人に見えるけど実は事情があったり道理がわかっていたり
する人物も居る。ただ、だからといって土匪すべてに考慮すべき事情があるとは限らないし、
人出が足りなくなると里を脅して人を連れて行き、使い捨てる者たちは同情に値しないけど。
高卓に至る厳しい道のり。僕は以前から過酷な修行をする宗教に対して疑問を抱いていたの
だけど、そこまでしなければ削ぎ落とせない邪念がある、という考えもあるのだな・・・。
それにしても、その過程で命を落としてしまうなんて意味が無いと思っちゃうけど・・・。
そして潜伏していた同志たちと再会!こんなにたくさんの味方が生き残っていたのだな・・・!
出発した時は三人、それが六千以上の人数になった。熱い展開。文州城を攻略できるだろうか。
ただ順当に驍宗とともに城を落とし反旗を翻す、みたいな展開にならないような気もするけど。
そしてついに驍宗の描写が。1、2巻に登場し、姉が亡くなった貧しい一家が流した供物が驍宗の
元に届き、その命を救っていたのもすごい・・・。貧しい一家がそれを知れたら良いな・・・。
そうすれば少しは一家も救われるだろう。どうか厳しい冬を越え、生き残って欲しいと思う。
驍宗はやっぱり阿選が裏切るだろうと思っていて、罠だとわかっていて出兵したのだな・・・。
阿選が妖魔を使うとは予想できなかっただろうし、侮りや慢心があって仕方が無かったのかも。
生き残り、折れて皮膚を突き破った脚の骨を無理やり接いだ描写はめちゃくちゃ痛そうだった!
切開するだけでも痛いのに・・・!こちらも精神力が強いな!正しく戴の王って感じがする。
さて阿選が朝に戻り、泰麒の周りにも人が集まり出した中で、窮地に立たされた冢宰の張運。
上位の者を蹴落とす為の「過剰な忠義」作戦や、嘘で塗り固めているうちに事実を捻じ曲げ、
自分に都合良い認識を持つという、現実の人間にも多く居そうなパターンの小物っぷりを晒す。
「丕緒の鳥」にも淵雅という矮小な人物が登場しましたね。どこの世界にも居るのだな・・・。
最終的に周りに蹴落とさせる「過剰な忠義」は特に厄介だ。でも泰麒には通じなくて良かった。
「新王阿選は泰麒の欺瞞だ」という主張がかえって驍宗が王である事を後押ししたのも面白い。
しかしきっとやられっぱなしでは無いよな・・・阿選や琅燦よりも障害になりそうな気がする。
以上、面白かったです。次回はいよいよ最終巻!どういった結末になるのか・・・実はキャラの
名前をコピペする為に検索した時、うっかり不安になるネタバレを見てしまった・・・心配。
誰も失われる事無く、幸せな結末を迎えて欲しい・・・読むのが怖いな・・・。それではまた。

