はいこんばんはRM307です。今週は「絶対加速クレッシェンドQ」の第十二話「託し託され
中編の感想。前編は楽しかったけど、今回は長文を読むテンションじゃなくて結構つらかった。

【あらすじ】
カンジミズエの戦いが続く。カンジが目指しているのもまた、殺し合いの無い世界だった。
カンジの全力の攻撃を受けてなお立つミズエを前に、カンジは純然たる実力の差を思い知るが、
攻撃を受け切り気力が底を尽いたミズエの身体は崩壊する。自分が死ぬ事は、ミナセの元から
去り、一人にするのが彼の為になると考えたからだった。喪失感に襲われたミナセだったが、
ミズエの墓の前で無境界の人となったミズエと再会する。そしてそれが本当の別れとなった。

カンジくん、バトル漫画に登場するキャラの目標が「農」なのが面白い。しかも身体を動かし
邪気を発散する事で殺し抜きの生活ができるという、不死鳥先生は上手い具合に考えるなぁ。
「他人と共有せず独りだけで見る夢は、何処まで行っても中二病だ・・・。他人と共有して
初めて、夢は夢になる」はこの漫画の事も指しているような気がした。中二病からの脱却、
それがこの漫画のテーマで、不死鳥先生が漫画を描く事で目指していた境地でもあったような。

圧倒的な強さを誇ったミズエさんが、カンジくんの攻撃を受け切る事を選び、気力が底を尽いて
死ぬというのは当時残念だったなぁ。本人が望めばもっと長く、せめてミナセと再会するまでは
生きる事だってできたのに。でもそれがミナセの為だったんだよね。深い愛と強さだなぁ。
自分もミナセが好きだったのに、いっしょに居られる選択をせずにミナセに勉強に専念させ、
本人に知らせずに静かにこの世を去る。本当に相手の事を考えていないとできないよね・・・。
恋愛感情ってもっと身勝手な行動に表れてしまったりするものだと思うけど、ミズエさんの
ミナセへの気持ちは真実の愛情だったのだなぁ。本人が言うようにアガペー。本当に大人だ。
最後のキスも名シーンだし、指を振るコマもいつものミズエさんらしい清々しい表情だった。

そんなミズエさんには幸せになってもらいたいよ・・・でも、誰かとまた恋愛しようとはたぶん
思わないのかもしれないな・・・。いつまでもミナセを一途に想い続けていそうな気がする。
ネタバレになるけど、その後ライマくんとは親しくなっている感じだった。でも、ミナセへの
気持ちほど一心な愛では無かったような気がする。その後のミズエさんの話も読みたかったな。
「ヘタレ学生のミナセを見守る近所のお姉さん」、そんな世界線の物語があると良いな・・・。

意外だったのは、昔ミズエさんも自分は最強になれないというような諦めを経験していた事。
ミズエさんの過去エピソードは「絶対加速クレッシェンドM」で描かれる事になる訳だけど、
たぶんミナセと出逢ったところまでの予定で、その後今に至るまでのエピソードがわかる事は
無かったのだろうな。そのへんも読みたかったなぁ・・・不死鳥先生お願いします・・・!
あとこのコマの「少しかじったパンはとても美味しかった」という言い回しがとても良かった。

カンジくんにも自分は地球の守護体系になれないという挫折があった。フユヒコに「言う事が
コロコロ変わる」と言われていたけど、カンジくんもいろいろ考えて成長を遂げていたのだな。
この「要チェックや!」と実況しているフユヒコは面白いw元ネタは「スラムダンク」かな?
ミナセに責められた時のカンジくんの表情も良かった。「行っけぇえぇ!」の横顔も好き。

あとあれだけ強いナナミシホさんに負けたのも意外。シホさんってそんなに強かったのだな。
でもたしかに負けるところがあまり想像がつかないタイプのキャラだ。さすがリア充だなぁ。

ミズエさんの言う「特別扱いされなくても満足できるようになるべき」は結構つらい事だな。
言うのが恥ずかしいけど、僕も他人からの特別扱い、というか愛情を欲しているので・・・。
この時のミナセよりもずっと年上の僕も、満足できるようになるべきなのだよなぁ・・・はぁ。
本当に絶クレファンの中でも12年間僕だけがいっさい成長していませんからね・・・ひどいな。

以上、長文は少し大変だったけどミズエさんとの別れは良いシーンでしたね。それではまた。

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