はいこんばんはRM307です。今週は特別編、ハルタ88号に掲載された井上きぬ先生の読み切り「ピンクの金魚」の感想。
去年「ガラスの瞳で覗かせて」のすぐ後の12月に書く予定だったのだけど、当時はいろいろあり断念し、結局一年後になってしまいました・・・すみません・・・。

ハルタ 2021-OCTOBER volume 88 (HARTA COMIX)
ハルタ編集部
KADOKAWA
2021-10-15


【あらすじ】
中学校の司書教諭である主人公の元へ、女子生徒の有村が相談に訪れる。彼女は唯一の友だちだった金魚が死んだと話す。
不思議な印象の彼女を慰める主人公の目の前に、突然もう一人の有村が現れる。寡黙だが表情豊かな彼女は裸で宙に浮き、主人公にしか見えていない。しかも分裂し次々と増えてゆく。
まとわりつく幻覚たちに手を焼きつつ、儚げで可憐な有村の表情に惹かれる主人公。そしてもう一人の彼女に手を引かれ、現実の彼女の身体に触れた。

20221106_ピンクの金魚
掲載されたままの撮影は難しく、写真は歪んでいますが、実際はちゃんときれいです!
扉絵、凛とした瞳の一糸まとわぬ黒髪美少女が、眠れる大人の女性の身体に手を回す。蠱惑的・・・!ポーズも表情も仄暗さもとてもカッコ良いなぁ。
対象的に背後の重なり合った少女たちは表情がとりどりで、ハートも象っているギャップも良い!様々なポーズで上手く形作られているなぁ。あと、特におしりがえっちでとても好き・・・。

幻覚の彼女たちは作中でも、有村さんの頭に手を置き意味ありげに先生を見つめる、笑顔で分裂、くすくす笑いながら先生の頭に触れる様子などが可愛かった。デフォルメされた小さい彼女たちの作画もすべてとても可愛らしかった!そりゃこんな魅力的な女の子たちに囲まれたら、中学生男子なんてイチコロだわ・・・僕だってそうだし・・・。

普段は一応創作世界と現実世界は分けて読んでいるのだけど(当たり前かもしれないけどw)、今作では裸の気になる女の子が見える状況をリアルに想像し、かなりどきどきしてしまった。
そう、裸なんだよね。当初はアニメなどでよく用いられる精神イメージの描写のように、同じく局部が隠されたあやふやな存在として受け取っており、先生と同様にモテる理由に気づけなかったけど、実際に目の前に存在しているのだ・・・しかもこんなに魅力的だし!!!
また、決して暗い物語じゃないのに全体的に何となく明度が低いような、まるで夢の中の映像のような印象があり、現実で起こってはいないけどたしかに「みた」ヴィジョン、だからより肌感覚が強くなったのかもしれない。
・・・僕の夢の映像は現実よりも暗く、その前提で話しているのですが、僕だけかな・・・?

(しかしもしも描かれていたら、もっと本気で惚れていただろうな・・・だからこれで良かったのか・・・正直に言えば、めちゃくちゃ見たかったですが・・・他のページを開くと描かれている掲載作品もあるし・・・まぁ今作ではブレるから無い方が良いのだろうけど・・・でも・・・ぐらぐら)

もちろん有村さん自身もとても可愛かった!陰のある表情、一転して柔らかい笑顔、照れたように外した目線など、極上の輝きを放っていた。
セミロングの髪型も好き!成長したら長く伸ばしたり、逆に短く切ったりするのかなぁ・・・そんな様子も非常に見たかった・・・。
そして先生ともどんなふうに親交を深めていくのだろう。すごく気になる・・・。最後のコマのふたりの可愛く幸せそうな笑顔も、たいへん素敵だった!

以前の感想で、井上作品ではコマ割り、間や大ゴマのシーンの選び方が特徴的ですごく好きだと書いたけど、最終コマのカットにも毎回良さが表れている気がする。
僕はどうしてもきらきらした効果に頼りがちなのだけど、アレンジを加えなくても箱の説明通りに作ったバーモントカレーが一番美味しいように、ドラマ「フードファイト」のおにぎりがシンプルでも奥さんが愛情を込めて握ったから最高に美味かったように(誰に伝わるんだこの喩え)、特別な加工を必要せずとも満たされるラストが表現されているなぁと感じた。

先生も、慰める笑顔、直後の困り顔、ときめいた後の俯いた表情、ジト目、追い払う表情、口を尖らせた表情などがとても可愛かった!カウンターに座っている時など、こちらのデフォルメ作画もキュート!
他にも赤面した表情は全コマ良かった!照れたりときめいたりする女性ってやっぱり良いものだー!

有村さんへの気持ちを感じられる様子も嬉しかった!井上先生の描かれる百合(で良いのかな)、やはり良き・・・。
それと有村さんを抱き寄せた後の「つい魔が差して」にも惹かれた。もう一人の有村さんに誘われたのだから、「元気づけようと思って」のような取り繕い方をしても許されるのに、まっすぐな謝罪を選んだ誠実さが素晴らしいなと感じた。
そんな真摯で優しい先生が、有村さんの友だちなってくれて良かったなぁ。年齢が離れていても、暖かい関係を築いていけそうだ。もちろん今後その意味合いが変わっていっても一向に構わんッッッ!

幻覚の彼女たちには、有村さんがそうありたい姿も反映されていたのかな。これから彼女に多くの友人ができ、楽しく幸せな日々を送れますようにと願った。
あるいは彼女たち――金魚は読み聞かせで人間の生活、有村さんの話を聞いて学校生活に憧れもあったのかもしれないと、自由に楽しそうに振る舞うたくさんの分身のシーンで思い浮かんだ。
彼女(彼?)も天国で安らかに眠れますように。そして最期に願いが叶って、大好きな飼い主を救えて本当におめでとう!ありがとう!有村さんに愛しそうに頬を寄せ、手を振り別れを告げる表情も美しかった。


以上、今作も楽しめました!やっぱりきぬ先生の絵柄も漫画も大好きだなぁ。
ちなみに金魚と司書と微百合(?)は、いずれも僕も大好きな要素だったので勝手に喜びましたw
あと図書委員の子も、眼鏡+おさげ+そばかすと、好みな要素が満載でありがたかったw
読めて良かったです。いつかまた誌面でも読める機会があると嬉しいな・・・。それではまた。

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