はいこんばんはRM307です。今月も不死鳥先生の過去作品、「魚眠洞とナナミ」の感想の続き。
今回は7話「魚眠洞とナナミのインフルエンザ」。6話まではたまに読み返していたけど、深夜特急の辛辣さや悲しむナナミがせつなく7話以降を避けていたので、実は12年ぶりの再読かも?

序文1の感想https://rm307.blog.jp/archives/87732559.html
序文2の感想https://rm307.blog.jp/archives/87820910.html
1話の感想https://rm307.blog.jp/archives/87927829.html
2話の感想https://rm307.blog.jp/archives/88020353.html
4話の感想https://rm307.blog.jp/archives/88216879.html
5話の感想https://rm307.blog.jp/archives/88307873.html
6話の感想https://rm307.blog.jp/archives/88417892.html

【あらすじ】
インフルエンザに罹患した魚眠洞は、タミフルの服用もあり実家へ帰省する。ナナミは魚眠洞の母に存在を認識されず悲しみつつも、彼に寄り添い暖かく看病を行う。
しかしそこへ、封じられていたはずの魚眠洞の魂の一部である深夜特急が現れる。
彼はナナミを否定し、魚眠洞を駄目にする根源だと唾棄する。自身から生まれた存在と言葉でもある為、魚眠洞は彼女を慰められない、何もできない。
だけど苦痛に顔を歪めながらも、嗚咽を漏らしながらも、ナナミは魚眠洞の為に、魚眠洞の幸せの為に立ち上がる。
そしてその間も、その後も、涙は流れ続ける。

看護師なナナミが可愛い!僕も2012年にFAを描いたけど、ぜんぜん魅力を表現できていないw
fa20120506
いつか機会があればリベンジしたいなぁ。可能なら漫画化したいのだけど・・・。
でも魚眠洞はナースコスに食指が動かないだなんて、もったいないぞ!!!僕なら写真と動画に収めまくりたい!!!
でも首を斜めにし、その行為に触れたナナミには魚眠洞も興奮を覚えた・・・かと思いきや、熱が上がった気がした理由は煮えたぎる怒りや焦燥に類する感情だろうか。

魚眠洞と同じく、ひどい人間性の僕なんかの血を引くと子どもが不憫なので、中学生の時に絶対に子孫は残さないと決めた。
また作るよりもすでに生まれてきて保護者の居ない孤児を救いたい、養子に迎えたいと考えていたので。
まぁ結局子どもどころか結婚もできず、恋人関係すら築けない残念な大人になったので、まったく心配は要らなかったのだけど・・・w

ネガティヴに陥る魚眠洞の隣で、三つ指をつき魚眠洞のお母さんにあいさつをし、無視をされ号泣するナナミも愛おしい!w可哀そうだけど、淡々とした「ナナミは魚眠洞に抱きついて数十リットルの涙を撒き散らした。」の一文は面白く、不死鳥先生の文章の好きなシュールさw
あとは「まあ、そういうアレなのだろう。」のようにぼかした表現も不死鳥先生らしくて良いなぁ。

涙を振りまきながら健気な様子もキュートで、頬を紅潮させながら「あーん」をしてあげようとする様子も最高!!!大好き!!!羨ましい!!!
再読する前から、よくアニメなどで想い人から看病される描写を観ては妄想をふくらませており、ちょうど今朝も考えていたのでタイムリーだったw憧れるシチュエーション・・・。

しかし宿敵の深夜特急が登場。魚眠洞以前の不死鳥先生のハンドルネームだけど、性質は異なる。
ナナミにショックを与える言葉の凶器は鋭く、僕も消えて欲しいと恨んでしまった。
けれど序文2で「ナナミ、お前に付き合ってるばっかりじゃ俺は駄目になっちまう気がするんだ……」と書かれていたように、魚眠洞もちゃんと自覚していたし、それは当然ナナミにも伝わっている。せつない・・・。
当時彼女の大ファンだった身としては堪え、冒頭でも触れたように、読み返せなかった原因でもあった。

自分の分身からの慰めを受け、ずぶずぶと居心地の良い沼に浸り続ける堕落への危機感。
かつ恋人、理解者、いつだって隣に居てくれる、暖かく包み込んでくれる、すべてを肯定してくれる存在。魚眠洞が求めた愛は、だけど他者でないと無意味、空虚だった。たぶん。
13年前にはつばき先生が「不死鳥先生は現実で頑張っていらっしゃると思うけど、他者からの承認が欲しいんですね」(うろ覚え)と仰っていたけど、やっぱり現実や他者の力は大きい。

自愛やアドラー的な考え方では自分で自分を愛する、満たす、他者に求めない、期待しない姿勢が必要だと説かれるけど、やっぱり他者から受け入れてもらえる幸せは何物にも勝る。たった一人で構わない、相手から慈しまれたい、大切に扱われたいと思う。
まぁ僕の場合は幼い欲求かもしれないけど、不死鳥先生の場合は自分を甘やかしたくない立派な意志を感じる。尊敬!

また他作品では心身ともに強い彼女が、たやすく倒される描写も悲しかった。実際は深夜特急を軽くひねるくらい圧倒的な能力を有しているんだぞ!!!と熱弁したくなる。
それでも、倒されても否定されても下を向かずに立ち上がる、やっぱりどの作品のナナミも素敵だ!!!
ラストの慟哭もつらいけど、いじらしい・・・これほどの苦しみを知ったからこそ、彼女が救われたり役目を果たして消えたりする幸せな結末までを読みたかったなぁ・・・不死鳥先生め・・・!!!

それとナナミの「作家says社会性」には元ネタがあるのだろうか。調べても見つけられなかった。
深夜特急の「やっぱ花の孤男だ!害悪細菌孤男だ!」はリズムが良く、12年前に朗読ねとらじを行った際は読んでいて楽しかった覚えがある。
他にも、「天空の城ラピュタ」の「君をのせて」の歌詞になぞらえたセリフも好き。

深夜特急の「お嬢さん」に対するナナミの「名前で呼んでって言ってるでしょ!」も気になった。勝手に名前で呼ばないでと怒るヒロインは多いけど、逆は珍しく面白い。
絶対加速クレッシェンドQ」四話のちーちゃんや「雲林院水徒シリーズ」でも見られたように、不死鳥キャラが存在理由や存在価値を自身の名前と結びつけているから、とか・・・?
考察が足りていないけど、これまで気に留めていなかった記述で、考えられて楽しかった。

今作の内容は忘れていたけど、深夜特急は登場だけで「これは不死鳥先生の内部の中二成分を煮詰めた存在だな」と気づけたので、これまで読み重ねてきた甲斐があったかも?
だけどナナミのセリフは「魚眠洞の役に立つ日が来るかもしれない。だから生かす」、「唯一の武器」で、中二病を必要とするかのようで引っかかった。
前作の「農ネーム」ではすでに利他主義や「中二病は人を殺す」というフレーズが登場し、後の「Q」では「中二病からの脱却」がテーマなので、間に位置する今作の思考としてはふしぎな感じ。
不死鳥先生の中で揺らいでいたのか、あるいはナナミだけが持つ独立した意思だったのか・・・?

以上、今回もまともな結論を出せず感想自体も拙いですが、再読でき良かったです。それではまた。

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