はいこんばんはRM307です。今月も不死鳥先生の過去作品、「絶対加速クレッシェンドNORTH」の感想の続き。
今回は第三話「ひきこもりのユアイ」。全三話なので実質的に最終話。
1話の感想https://rm307.blog.jp/archives/88717399.html
2話の感想https://rm307.blog.jp/archives/88816787.html

闇沼家は土着宗教の総本山、いわば日本における神職だったのか。数年前に読み返したはずだけど、いきなり失念していた記述だった。
それと大脳特化型赤羊のエマ・オーミクスや鵺の滅殺モードは、掲示板やブログで設定が語られたのみだと思い込んでいたけど作中にも登場していたのだな。
そして祖先に宿された鵺が女系子孫に代々引き継がれていく・・・もはや呪いのような・・・。

お昼のテレビ番組「笑ってイイトモ」を楽しむ鵺には自我が、エニグマとはいえ個を確立している気がするけど、「Q」で魔界が廃止された後はどうなったんだっけ・・・と思い出せず22話前編を読み返したら、地獄へ移住した彼女の腕に描かれていた。
戦闘を必要とせずエニグマとしての役割も終えたと思うけど、今後も闇沼家の女の子に引き継がれていくのだろうか?今後はどのような役目を果たすのだろうか?気になる!

「テレビの明るい笑い声が何処か遠い世界の音のよう」では、表現は異なるけど「魚眠洞とナナミ」の1話の冒頭を想起した。いずれも書かれた時期が5ヶ月しか違わず、当時の不死鳥先生が実感なさった虚しさが反映されたのかな・・・。
またユアイの当時のカンジくんシホさんへの印象を知れて嬉しかった。特にひきこもりな彼女にも分け隔てなく接してくれたシホさんは、やっぱり魅力的な女性だ・・・!!!
たしか本編ではふたりの会話はまったく描かれなかったけど、親密な関係だったりしたのかしら。レインパッカーのメンバーの普段の様子も読みたかった・・・!!!
ついでに、2010年に投稿されたティッシュ先生のユアイとシホの1ページファンコミックにも萌えたw

当時の僕はまだ百合好きでは無かったけど、超絶美少女で色っぽいなユアイとシチュエーションにとても惹かれた思い出w

なお今回読み返すまで、何となく「カズナがスマブラを持ってきてくれる話だったっけ」とうろ覚えだったけど、こちらもティッシュ先生が同年にアンソロジーへ投稿された「僕の完全妄想 ユアイとカズナのクリスマス」の内容と混同していたw

原作や設定に忠実で、安力(ハルシオン)の萌芽を示唆したりライマくんとの関係も描かれ、ユアイの表情や仕草がすごく可愛く、今作の一人でプレイしたスマブラにつなげられラストも素敵なお話で、めちゃくちゃおすすめなのでぜひごらんください!!!

そのカズナはひきこもりの姉に、参加し活動しているレインパッカーやカンジくんについて話してくれる。優しい!
メンヘラだから無駄だと一蹴する彼女に、本質では無く虚力の影響を受けているだけだと指摘したのかな。でもユアイは”能力”の響きに気を取られ、真意が伝わっていないみたい。
メンタルが不調だと疎ましく思う気持ちもよくわかると思うけど、彼女に向ける言葉たちは姉を大切に想っているからこそだと感じられる。
長年気に留めていなかったけど、すごく良いなぁ・・・。さすが、「羊のうた」の主人公の名を冠しているだけある!w
僕も誤解しがちなので身につまされ、そしてカズナへの愛おしさを覚えた会話とエピソードだった。

しかしやるせも気力も無かったユアイは後にライマくんとのココロの交流を経て、精神エネルギーが虚力から前述の安力へと変遷する。このプロセスをもっと知りたかったよね!!!
もしかしたら小説「フォルテシモ」ですでにふたりはフォーカスを当てられたので、「Q」では省かれたのかもしれないけど・・・でももっと接近したりいちゃいちゃしたりするシーンを読みたかった・・・!!!

そして今作では「欲」が無いとまだ厭世的なユアイ。僕も想い人と時間をともにし、これからも生きたい!と欲を持てたら頑張りたいけど、まぁ永遠に叶わずこのまま生き腐り、近い将来に死ぬだろう。


以上、予想以上に楽しめました。今回で読み終わってしまい残念!!!まだまだ書かれて欲しかった!!!
初期の不死鳥先生の小説はインパクトが薄かった気がしていたけどちゃんと面白く、「NORTH」を再読した三ヶ月でイメージが変わった!やっぱり不死鳥作品が好きだ!読めて良かった!それではまた。

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