はいこんばんはRM307です。最後の映画回、今月は大林宣彦監督の「ふたり」の感想。150分。
この映画感想の本来の目的だったし、当初は実写映画を観るつもりだったしね。原点回帰した。
4月にGEOオンラインのレンタルカートに入れたのだけど、人気で常にレンタルされていたので
なかなか借りる事ができず、今月になってようやく借りる事ができた。ぎりぎり間に合ったな。
【あらすじ】
優秀な姉の千津子と常に比べられて育ってきた妹の実加。ある時千津子は事故死したのだが、
実加だけには幽霊として見る事ができるようになる。千津子が亡くなってからも実加は周囲から
姉と比較されたり、姉ありきで扱われたりする事が多かったが、明るく前向きに成長していく。
1991年、30年前の作品なので当たり前だけど映像が古い!30年前ってこんなに古かったの?!
映像もそうだし、僕は詳しい訳じゃないけど、カメラでの画面の切り取り方にも時代を感じた。
それとも古い時代を扱うからあえて古い映像表現を使った?僕は古い邦画はほとんど観た事が
無いのでわからないけど。ただでさえ実写や邦画が苦手なのに、こんな歴史映像なんて・・・
と正直観るのはとても気が重かった。「機動警察パトレイバー」の方がまだ新しかったよね。
そして冒頭で実加が変質者に襲われるあたりでは、観ない方が良かったんじゃと後悔し始めた
のだけど、でもだんだんとこういうものだと慣れていった。それに古い事は悪い訳では無くて。
単に僕が慣れ親しんでいないというだけで、作品に問題があると言うつもりはもちろん無い。
赤川次郎原作という事で、ところどころ「赤川次郎だなッ」(鷲崎健さん風の言い方)と思う
展開が多かった。僕は昔赤川次郎作品を50作ぐらい読んでいたので、ちょっと懐かしかった。
(ちなみに好きだったのは杉原爽香、三姉妹探偵団、三毛猫ホームズシリーズ、早川一家など)
好きなシーンは、真子が電話で実加を第九に誘った時、実加が「ふたり」とつぶやき、真子が
「お姉ちゃん?」と言い、実加が驚いて「え?」と聞き返すと真子が「その歌」と実加が部屋で
流していた千津子の歌に言及するところ。こういうおしゃれなやりとりって好きなのだよな。
あと真子が討ち入りだと言って、気合を入れた着物姿で現れたシーンも良かった。可愛いなw
千津子の歌やミュージカル劇の楽曲など、音楽は久石譲さんが担当されていたのが嬉しかった。
ジブリ作品でもそうだけど、やっぱり独特なコード進行の魅力的な曲を作られるなぁ・・・。
お姉ちゃんの千津子は美人で、うちのユイ姉と通ずるところがあって個人的に嬉しかったな。
実加は、あらすじにも書いたけど優秀な姉と比較されて育ち、母親に「千津子が死んだ時に
自分も死んでいれば良かった」なんて言われたのに、屈折していなかったのがすごいなぁ。
僕だったらひねくれていたと思う。実加自身も立派なところがある、すごい子だったのだな。
ユカリ嬢も上には学業が優秀なユイ姉が居たけど、小学生の時はまだそんなに差が無かったし、
体育など身体を使う面ではユカリ嬢の方が得意だった事もあり、コンプレックスは無いみたい。
百合丘女学園に入ってからも、大好きなお姉ちゃんはすごい、あたしの自慢!と思っていた。
実加のお父さん役の岸部一徳さんはめちゃくちゃ若っ!医師役の竹中直人さんも若かったけど、
竹中さんは竹中さんで昔から変わらない、おちゃらけたキャラクターの演技だったので笑った。
女優さんはほとんど知らなかったのだけど、観終わって検索したら「この人観た事がある!」
と思う方が何人もいらっしゃって驚いた。年齢を重ねた最近の姿しか知らなかったなぁ・・・。
驚いたといえば、最初実加が中学生だった事。てっきり高校生だと思っていたw大人びている。
でも昔の中学生ってそれぐらいだったのかもしれない。今の時代はもっと幼いイメージだよね。
「ご注文はうさぎですか?」のチマメ隊などは小学生に見えるので、逆に驚く存在だけどw
お父さんは良い父親だと思っていたのに、実加にビンタをしたところでがっかりしてしまった。
自分が不倫したくせに!不倫相手を悪く言われた程度で娘に手を上げるか?何様やねんと憤慨。
ラストでお母さんに「お前といっしょに過ごしたい」と言っていたけど、これは本心からの
言葉だったのかなぁ。僕は読み取る事ができなかった。結局気持ちは戻らないのでは・・・。
小樽に戻っていったけど、内田さんが現れたらまた気持ちが揺らぐんじゃないだろうか・・・。
家族としてはもう壊れて終わっているのかもしれない。たぶん、千津子が死んだ時すでに。
お母さん役の富司純子さんの演技は見応えがあったな。特に不倫相手の内田さんが帰った時、
彼女が使った湯飲みを手を震わせながら持ち去ったシーンが好き。こちらも震えるリアルさ。
ただキャラクターとしては好きじゃなかった。実加のピアノの発表会の時も卒業式の時も、常に
千津子の名前を出して実加をまっすぐ見ているとは言い難かったから。実加が可哀そうだよ。
でも最後は「実加は実加」と言っていたし、これからはちゃんと実加も大事にしてくれるの
かな・・・。ただ寄りかかる相手を変えただけに見えるので、どうにもそう思えないけど・・・。
好きじゃないと言えば千津子の部屋にあったピエロ?あれは何だったんだ・・・?怖かったな。
ラストで実加の元から去る千津子。「ふたり」とタイトルにあるぐらいなので、全体を通して
僕はもっと姉妹にフォーカスを当てて進むんだと思っていたし、別れに際しても何か千津子と
実加と間に大きな山場があるんじゃないかと期待して観ていた為、ちょっと残念だったかな。
でも映像特典の監督と赤川さんの対談を観たら、幽霊の千津子は「実加が自然に育っていく力、
自分自身の生命力」だと言われていたので、そうか最初から実加の物語だったんだ!と知った。
本当の千津子は、やっぱりあの時完全に死んでしまっていたんだな。姉妹の会話が良かった分、
悲しいな。もっとふたりのやりとりを観ていたかった。千津子にそばに居続けて欲しかったな。
あと千津子が最後に口だけで「さようなら」と言うシーン、映画の最初からやたらと登場人物が
「さようなら」と言う事が気になっていて、昔は「じゃあね」や「またね」とは言わないのか?
別れを意識させているのかな?と思っていたら、意味があってここに収束していたのだな!
以上、本編150分+対談30分+映像特典8分と長く、数日に分けて観たけど、そこまで長さが
映画鑑賞を一年続けた感想としては、やっぱり僕は映画を観るのが好きじゃないな!という事。
ぎゅっと濃縮されていて疲れてしまう。30分アニメを毎週1話ずつ観るのが性に合っているな。
以前とあるフォロワーさんがツイートされていて、好きだった作品のタイトルとそっくりだし、
調べたら姉妹を題材にした作品だったので、拙作に活かせるかもと思って観る事にしました。この映画感想の本来の目的だったし、当初は実写映画を観るつもりだったしね。原点回帰した。
4月にGEOオンラインのレンタルカートに入れたのだけど、人気で常にレンタルされていたので
なかなか借りる事ができず、今月になってようやく借りる事ができた。ぎりぎり間に合ったな。
【あらすじ】
優秀な姉の千津子と常に比べられて育ってきた妹の実加。ある時千津子は事故死したのだが、
実加だけには幽霊として見る事ができるようになる。千津子が亡くなってからも実加は周囲から
姉と比較されたり、姉ありきで扱われたりする事が多かったが、明るく前向きに成長していく。
1991年、30年前の作品なので当たり前だけど映像が古い!30年前ってこんなに古かったの?!
映像もそうだし、僕は詳しい訳じゃないけど、カメラでの画面の切り取り方にも時代を感じた。
それとも古い時代を扱うからあえて古い映像表現を使った?僕は古い邦画はほとんど観た事が
無いのでわからないけど。ただでさえ実写や邦画が苦手なのに、こんな歴史映像なんて・・・
と正直観るのはとても気が重かった。「機動警察パトレイバー」の方がまだ新しかったよね。
そして冒頭で実加が変質者に襲われるあたりでは、観ない方が良かったんじゃと後悔し始めた
のだけど、でもだんだんとこういうものだと慣れていった。それに古い事は悪い訳では無くて。
単に僕が慣れ親しんでいないというだけで、作品に問題があると言うつもりはもちろん無い。
赤川次郎原作という事で、ところどころ「赤川次郎だなッ」(鷲崎健さん風の言い方)と思う
展開が多かった。僕は昔赤川次郎作品を50作ぐらい読んでいたので、ちょっと懐かしかった。
(ちなみに好きだったのは杉原爽香、三姉妹探偵団、三毛猫ホームズシリーズ、早川一家など)
好きなシーンは、真子が電話で実加を第九に誘った時、実加が「ふたり」とつぶやき、真子が
「お姉ちゃん?」と言い、実加が驚いて「え?」と聞き返すと真子が「その歌」と実加が部屋で
流していた千津子の歌に言及するところ。こういうおしゃれなやりとりって好きなのだよな。
あと真子が討ち入りだと言って、気合を入れた着物姿で現れたシーンも良かった。可愛いなw
千津子の歌やミュージカル劇の楽曲など、音楽は久石譲さんが担当されていたのが嬉しかった。
ジブリ作品でもそうだけど、やっぱり独特なコード進行の魅力的な曲を作られるなぁ・・・。
お姉ちゃんの千津子は美人で、うちのユイ姉と通ずるところがあって個人的に嬉しかったな。
実加は、あらすじにも書いたけど優秀な姉と比較されて育ち、母親に「千津子が死んだ時に
自分も死んでいれば良かった」なんて言われたのに、屈折していなかったのがすごいなぁ。
僕だったらひねくれていたと思う。実加自身も立派なところがある、すごい子だったのだな。
ユカリ嬢も上には学業が優秀なユイ姉が居たけど、小学生の時はまだそんなに差が無かったし、
体育など身体を使う面ではユカリ嬢の方が得意だった事もあり、コンプレックスは無いみたい。
百合丘女学園に入ってからも、大好きなお姉ちゃんはすごい、あたしの自慢!と思っていた。
実加のお父さん役の岸部一徳さんはめちゃくちゃ若っ!医師役の竹中直人さんも若かったけど、
竹中さんは竹中さんで昔から変わらない、おちゃらけたキャラクターの演技だったので笑った。
女優さんはほとんど知らなかったのだけど、観終わって検索したら「この人観た事がある!」
と思う方が何人もいらっしゃって驚いた。年齢を重ねた最近の姿しか知らなかったなぁ・・・。
驚いたといえば、最初実加が中学生だった事。てっきり高校生だと思っていたw大人びている。
でも昔の中学生ってそれぐらいだったのかもしれない。今の時代はもっと幼いイメージだよね。
「ご注文はうさぎですか?」のチマメ隊などは小学生に見えるので、逆に驚く存在だけどw
お父さんは良い父親だと思っていたのに、実加にビンタをしたところでがっかりしてしまった。
自分が不倫したくせに!不倫相手を悪く言われた程度で娘に手を上げるか?何様やねんと憤慨。
ラストでお母さんに「お前といっしょに過ごしたい」と言っていたけど、これは本心からの
言葉だったのかなぁ。僕は読み取る事ができなかった。結局気持ちは戻らないのでは・・・。
小樽に戻っていったけど、内田さんが現れたらまた気持ちが揺らぐんじゃないだろうか・・・。
家族としてはもう壊れて終わっているのかもしれない。たぶん、千津子が死んだ時すでに。
お母さん役の富司純子さんの演技は見応えがあったな。特に不倫相手の内田さんが帰った時、
彼女が使った湯飲みを手を震わせながら持ち去ったシーンが好き。こちらも震えるリアルさ。
ただキャラクターとしては好きじゃなかった。実加のピアノの発表会の時も卒業式の時も、常に
千津子の名前を出して実加をまっすぐ見ているとは言い難かったから。実加が可哀そうだよ。
でも最後は「実加は実加」と言っていたし、これからはちゃんと実加も大事にしてくれるの
かな・・・。ただ寄りかかる相手を変えただけに見えるので、どうにもそう思えないけど・・・。
好きじゃないと言えば千津子の部屋にあったピエロ?あれは何だったんだ・・・?怖かったな。
ラストで実加の元から去る千津子。「ふたり」とタイトルにあるぐらいなので、全体を通して
僕はもっと姉妹にフォーカスを当てて進むんだと思っていたし、別れに際しても何か千津子と
実加と間に大きな山場があるんじゃないかと期待して観ていた為、ちょっと残念だったかな。
でも映像特典の監督と赤川さんの対談を観たら、幽霊の千津子は「実加が自然に育っていく力、
自分自身の生命力」だと言われていたので、そうか最初から実加の物語だったんだ!と知った。
本当の千津子は、やっぱりあの時完全に死んでしまっていたんだな。姉妹の会話が良かった分、
悲しいな。もっとふたりのやりとりを観ていたかった。千津子にそばに居続けて欲しかったな。
あと千津子が最後に口だけで「さようなら」と言うシーン、映画の最初からやたらと登場人物が
「さようなら」と言う事が気になっていて、昔は「じゃあね」や「またね」とは言わないのか?
別れを意識させているのかな?と思っていたら、意味があってここに収束していたのだな!
以上、本編150分+対談30分+映像特典8分と長く、数日に分けて観たけど、そこまで長さが
気になるほどでも無かったかも。あとWikipediaを見たら、続編の小説が刊行されたとの事。
映画鑑賞を一年続けた感想としては、やっぱり僕は映画を観るのが好きじゃないな!という事。
ぎゅっと濃縮されていて疲れてしまう。30分アニメを毎週1話ずつ観るのが性に合っているな。