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主に読み返した不死鳥作品や作った料理、他に小説や漫画や同人誌などの感想ブログ。

不死鳥

【Web小説感想】2024年10月30日 切奈と冬彦

はいこんばんはRM307です。今月も不死鳥先生の過去作品、2008年8月に2chの孤独な男性板の「孤独な大学生93」>>378に投稿された短編小説「切奈と冬彦」の感想。
今回もかなり久しぶりの再読。あと先月書き忘れたけど各タイトルは不死鳥先生が命名しておらず、wikiへまとめる際に七靴君と僕が便宜的に名づけました。


執筆時期から考えると小説「フォルテシモ」のリメイクか、2010年2月11日のねとらじで不死鳥先生が仰った『一番最初の「絶クレ」』である「新世紀フォルテシモ」の可能性が高いと思う。

中学校が舞台でミズエさんが在籍、ちーちゃんが登場しミナセと仲睦まじい、ムッくんナナミの因縁などの「絶対加速クレッシェンドQ」の設定がすでに散見される。
ただ不死鳥先生のお父さんがお元気だった当時は、ヤマギワがナナミに傷を与える構想だったか。しかもラスボスに近い役どころで、ますます「フォルテシモ」以降の弱体化にせつなくなる・・・w昔は卓越した活躍の特別なキャラクターだったんだけどねw

当時は「雲林院水徒シリーズ」の皆川先輩と同じ姓のフユヒコや、「刹那」では無く「切奈」と表記されるセツナが新鮮で、彼女にはさんづけ!親しさゆえにあえてかしこまり、じゃれただけかもしれないけど。
彼をおぶって登校したり、その間に始終頬を緩ませたりする切奈も可愛かった!!!
僕もFAを2010年7月2011年10月2014年1月の3回、セツナの単体でも2010年9月に描いたくらい、フユセツは昔から大好きなカプなんだよねぇ・・・!!!
Q」十一話でのレプタイル戦でも、ちーちゃんと同じくらいセツナの死がつらかった思い出。

レッドラムが決起し人間が続々と月へ移住する、「フォルテシモ」とも「絶クレ」とも異なる世界情勢で興味深い。奴隷からの脱却、魔界の廃止による解放では無く、武力による敵対を選んだレッドラムたち。
何となく「魚眠洞とナナミ」の3話でも感じたけど、当時の不死鳥先生はたびたび現実での戦争の勃発を懸念なさっていた気がする。赤羊たちの自己実現とは異なり、憎しみ苦しめ合うだけの非情な殺戮。
僕はまだ幼くちゃんと理解できていなかったように思うけど、2003年に開戦したイラク戦争や2002年から始まった「機動戦士ガンダムSEED」により、当時高校生だった不死鳥先生たちの世代には戦争が意識に深く刻まれたのでは、なんて考えたり。ただの憶測だけどね。

ミズエさんのスローガンの「世界と君との戦いでは、君に味方せよ!」は、不死鳥先生が昔からお好きなフランツ・カフカの残した言葉を改変したフレーズ。しかし過去作品の「世界樹の下で」と「農ネーム」最終話や後の「Q」最終話では原文のままに「世界に味方せよ」と書かれたのに、今作では逆の意味で理由が気になる。
あとは他作品には未登場のキャラの森川空、総合百貨店の「メルフィス」や舞台の「落世町」の意味や名称の元ネタも知りたい。

冬彦の言った「生まれてきて良かったって思って死にたい」には共感した。僕が生まれてきた意味も生きている意味も存在しないのでw
まぁ孤独な僕に対し、大好きな相手が隣に居る冬彦は十分恵まれていると思うけどね・・・!!!www
僕も想い人から愛してもらえたら生まれてきて良かったと思えそう。でも永遠に起こり得ないし、そもそも叶わないなら否定しても仕方が無いのだ、なんて甘い考えだろうとも思う。
そして残り時間も少なく、生まれてこなければ良かったと悲嘆に暮れながら死んでいく人生だろうと思う。

以上、今回も予想よりも楽しめて予想以上に感想も書ける内容で面白かったです。それではまた。

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【SS感想】2024年9月29日 カンジの主張&ユアイインタビュー

はいこんばんはRM307です。今月も不死鳥先生の過去作品、2009年に不死鳥先生のブログ「勉強して偉い人になり隊」(当時のタイトル)で書かれた、SS形式のセリフ集の感想。
今回は9月の「カンジの主張」と11月の「ユアイインタビュー」。当時は読んでもほとんど意味がわからず楽しめず、翌年「絶対加速クレッシェンドwiki」へまとめる際などにたびたび再読した。
前回いつ読んだかは覚えておらず、8年か下手をすると13年くらい前かも・・・w

【カンジの主張】


恐らく「Q」第十二話前編のプロットなのかな。カンジくんは懐が深いイメージだったので、人間はまだしも赤羊にも敵意を抱いていたっけと意外に感じた。
でも環境を守るだけじゃなく、テレーゼと同様に戦争ビジネスも終わらせる、そしてさらにその先も見据え、赤羊にも食が必要となる未来の為に農耕を広めようとする志が改めて素晴らしい!

そんな彼の想いに賛同し、傍で支える良妻賢母なシホさん・・・だったけど、今作では唐突に「カカロットー!」と叫び面白かったw
内容を失念しており、すべてカンジくんのセリフなら名前の表記とかぎ括弧は要らないのでは、とも考えながら読んでいたので不意打ちを食らったw
シチュエーションもわからんw「ドラゴンボール」を未読なので見当違いかもしれないけど、カンジくんがのセリフに引用や、持論に元ネタが含まれたりしたのかな・・・?w

スローガンの「必ず負けない事」は実現し、地獄でもいつまでも活躍を続けて欲しい!!!
あとカンジくんの23歳は、たしか当時の不死鳥先生と同い年だったと思う。
僕は基本的に他者の年齢をすぐに忘れがちだけど、自分との年の差を思い出し見当をつけられた。

【ユアイインタビュー】


恐らく「Q」第十五話の構想か補足で、変化した精神エネルギーの安力(ハルシオン)がたしか本編に先立ち初出。
たどたどしく語尾が消え入りながらも真摯に、「は・・・はひっ!」 と顔を真っ赤にし「ほわんほわん・・・」 と混乱しながら質問に回答するユアイがとっても可愛い!!!漫画でその表情も拝みたかった~!!!

非リアを誇るユアイの視点は不死鳥先生もお持ちだったのだろうか。あるいは他者から肯定してもらいたかったのだろうか。彼女は非リアの何を誇ったのだろうか。
僕もよく非リアだぼっちだと公言するけど、恐らく毎回卑下。上辺だけの付き合いをしたくない、おべっかや社交辞令でご機嫌を取りたくないなど、芯や信念を持った一匹狼と言い換えられたらカッコ良いかもしれないけど、実際は他者から好かれず孤独なだけの残念な人間性・・・誇りとはほど遠いのだろう。

また軽率に明かすべきじゃない事柄も話してしまう危うさも、コミュ力不全ゆえだろうかwでもわかる!w
しかし本編では好感を示し魔界廃止後も交流が続いていたけど、「アタシにとって・・・」以降とライマくんへの正確な感情が気になる!!!

それと恋人の有無を尋ねるインタビュアーは、令和の世ならコンプライアンスに抵触しそうだと思ったら、マネージャーのフユヒコがきちんと静止してくれて良かったw立派に職務を果たしていてえらい!大人!
あとクリエイターはリソースをマネジメントに割きづらそうだけど、フユヒコなら漫画家に就いても大丈夫そうだな!頑張ってね!
セツナとも今頃どのような日々を送っているのだろう・・・知りたいなぁ・・・。

以上、短い上にセリフのみなので感想に困りそうだと予想したけど、今回も思いの外書けて驚いた。SSまでも不死鳥作品も魅力的だ!
ただ「カンジの主張」の終盤で書かれた「そうゆう」は、個人的にものすごく苦手なご表記で受け入れられなかったw不死鳥先生はいつか該当部分を修正してください!!!wそれではまた。


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【Web小説感想】2024年8月31日 絶対加速クレッシェンドNORTH 第三話

はいこんばんはRM307です。今月も不死鳥先生の過去作品、「絶対加速クレッシェンドNORTH」の感想の続き。
今回は第三話「ひきこもりのユアイ」。全三話なので実質的に最終話。
1話の感想https://rm307.blog.jp/archives/88717399.html
2話の感想https://rm307.blog.jp/archives/88816787.html

闇沼家は土着宗教の総本山、いわば日本における神職だったのか。数年前に読み返したはずだけど、いきなり失念していた記述だった。
それと大脳特化型赤羊のエマ・オーミクスや鵺の滅殺モードは、掲示板やブログで設定が語られたのみだと思い込んでいたけど作中にも登場していたのだな。
そして祖先に宿された鵺が女系子孫に代々引き継がれていく・・・もはや呪いのような・・・。

お昼のテレビ番組「笑ってイイトモ」を楽しむ鵺には自我が、エニグマとはいえ個を確立している気がするけど、「Q」で魔界が廃止された後はどうなったんだっけ・・・と思い出せず22話前編を読み返したら、地獄へ移住した彼女の腕に描かれていた。
戦闘を必要とせずエニグマとしての役割も終えたと思うけど、今後も闇沼家の女の子に引き継がれていくのだろうか?今後はどのような役目を果たすのだろうか?気になる!

「テレビの明るい笑い声が何処か遠い世界の音のよう」では、表現は異なるけど「魚眠洞とナナミ」の1話の冒頭を想起した。いずれも書かれた時期が5ヶ月しか違わず、当時の不死鳥先生が実感なさった虚しさが反映されたのかな・・・。
またユアイの当時のカンジくんシホさんへの印象を知れて嬉しかった。特にひきこもりな彼女にも分け隔てなく接してくれたシホさんは、やっぱり魅力的な女性だ・・・!!!
たしか本編ではふたりの会話はまったく描かれなかったけど、親密な関係だったりしたのかしら。レインパッカーのメンバーの普段の様子も読みたかった・・・!!!
ついでに、2010年に投稿されたティッシュ先生のユアイとシホの1ページファンコミックにも萌えたw

当時の僕はまだ百合好きでは無かったけど、超絶美少女で色っぽいなユアイとシチュエーションにとても惹かれた思い出w

なお今回読み返すまで、何となく「カズナがスマブラを持ってきてくれる話だったっけ」とうろ覚えだったけど、こちらもティッシュ先生が同年にアンソロジーへ投稿された「僕の完全妄想 ユアイとカズナのクリスマス」の内容と混同していたw

原作や設定に忠実で、安力(ハルシオン)の萌芽を示唆したりライマくんとの関係も描かれ、ユアイの表情や仕草がすごく可愛く、今作の一人でプレイしたスマブラにつなげられラストも素敵なお話で、めちゃくちゃおすすめなのでぜひごらんください!!!

そのカズナはひきこもりの姉に、参加し活動しているレインパッカーやカンジくんについて話してくれる。優しい!
メンヘラだから無駄だと一蹴する彼女に、本質では無く虚力の影響を受けているだけだと指摘したのかな。でもユアイは”能力”の響きに気を取られ、真意が伝わっていないみたい。
メンタルが不調だと疎ましく思う気持ちもよくわかると思うけど、彼女に向ける言葉たちは姉を大切に想っているからこそだと感じられる。
長年気に留めていなかったけど、すごく良いなぁ・・・。さすが、「羊のうた」の主人公の名を冠しているだけある!w
僕も誤解しがちなので身につまされ、そしてカズナへの愛おしさを覚えた会話とエピソードだった。

しかしやるせも気力も無かったユアイは後にライマくんとのココロの交流を経て、精神エネルギーが虚力から前述の安力へと変遷する。このプロセスをもっと知りたかったよね!!!
もしかしたら小説「フォルテシモ」ですでにふたりはフォーカスを当てられたので、「Q」では省かれたのかもしれないけど・・・でももっと接近したりいちゃいちゃしたりするシーンを読みたかった・・・!!!

そして今作では「欲」が無いとまだ厭世的なユアイ。僕も想い人と時間をともにし、これからも生きたい!と欲を持てたら頑張りたいけど、まぁ永遠に叶わずこのまま生き腐り、近い将来に死ぬだろう。


以上、予想以上に楽しめました。今回で読み終わってしまい残念!!!まだまだ書かれて欲しかった!!!
初期の不死鳥先生の小説はインパクトが薄かった気がしていたけどちゃんと面白く、「NORTH」を再読した三ヶ月でイメージが変わった!やっぱり不死鳥作品が好きだ!読めて良かった!それではまた。

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【Web小説感想】2024年7月31日 絶対加速クレッシェンドNORTH 第二話

こんばんはRM307です。今月も不死鳥先生の過去作品、「絶対加速クレッシェンドNORTH」の感想の続き。
今回は第二話「農業王(アグリマスター)のホロキョウ」。
1話の感想https://rm307.blog.jp/archives/88717399.html

農業法人「ネイケフイケキロロ」、元ネタは不死鳥先生が敬愛なさった作品「シャーマンキング」に登場するホロホロの技で、アイヌ語で「どことして何一つ非のうちどころのない力」の意らしい。以前も何度か検索したのだけど、しばらく経つと失念しそのたびに調べ直しているw
なお隊訓の文体は宮沢賢治作の「雨ニモマケズ」が元ネタ。でも「なりたい」では無く「なるんだ」と決意が表れた改変となっており趣きがある。
あと「『大農業時代』の開始だ!俺は農業王~」は、こちらも不死鳥先生が愛読なさった漫画「ONE PIECE」のゴールド・ロジャーが元ネタ。

「思考がジャンプする癖があるものの、頭自体はそんなに悪くなく」などのカンジくんの性質は、不死鳥先生ご自身の要素が付与されたのかな。
シホさんについては前回の感想で「最初からカンジくんに惹かれていたんだね」と書いたけど、本人は赤羊科学的な理由に由来すると考えているようだ。とはいえ、まだ幼く恋愛経験が無く、一目惚れを知らなかったのではとも思うけどw

もちろん聡い彼女はそれすらも自覚しており、『もっともソレが「一目惚れ」である可能性も無きにしもあらず。赤羊とはその程度にはいい加減な生き物だ』のバランス感覚もとても好き。
「絶クレ」のちーちゃんの「人って脳が発達してるから色んな不自然な部分が発生してるんだね。でも、そういう不自然な所が即ち「人の余裕」「人らしさ」だよね!」も大好きだったけど、不死鳥先生が昔からお持ちだった持論なのかな。僕も己の不自然さを肯定、許容しても良いんだと嬉しく、かなり影響を受けたセリフ。

暁国の北海道は「北界堂」と表記される。全国の地名もめちゃくちゃ知りたい!!!
また「カンジにいちいち名前を教えてもらった鳥達の鳴き声を聴く。そうかな、と思う。」は、シホさんがとても可愛く感じられるふしぎと惹かれる一文!

それとこれまで15年以上気に留めていなかったけど、ホロキョウさんは魔界の支部長か。残る三界のトップ、そして頂に立つ存在はいったいどのような人物なのだろう・・・?
それとこれまで「アグリマスター」も何かわかっていなかったのだけど、検索したところ”長年農業に取り組み経験が豊富な農家を県が「アグリマスター」と呼ばれる指導者に認定”するらしかった。なるほど!
一話の記事でコメント欄のアーカイブページのリンクを載せたけど、当時寄せられた「農業王(アグリマスター)っていうセンスがヤバイ」が印象的でよく覚えていた。まぁニュアンスは否定的だったけど・・・w

彼らの作る野菜は食べると寿命が延び、地球力を使え、農作業で身体を動かすと赤羊の戦闘欲求も解消され、戦争ゴッコをせずに済むようになる!
ちーちゃんやテレーゼたちとはまた別のアプローチで、彼女たちが生まれるずっと以前から取り組んできた!すごい!!!
またラグナロクの中二病が希薄しつつあるとも予想されており、数年前に再読した際には「Q」で描かれるよりも早く、伏線が張られていたのか!!!と驚いた!
初見だった当時も、しっかりと読み込めて考察できていれば・・・wまぁ理解できなかった分、漫画本編での感動もひとしおだったのだけど!

炎熱羊は赤羊に対し性的欲求を覚えず、シホさんは自分に対し好意を抱いてもらえないと残念に思っている、なのに肉食だと宣うカンジくんに対しへそを曲げるオチも微笑ましいw末永く幸せに結ばれてくれー!!!
そして速いテンポでものすごくあっさりと書かれ、実に不死鳥作品らしいwもうちょっとたっぷり余韻を作った描写がなされたらもっと萌えたのだけどw
だがそこが彼の持ち味であって、憎めないヤツである(2006年にID:jIyxSoyl0が本スレに書き込んだ流行ワードより)。

以上、文章力では本格的に執筆している人には敵わないかもしれないけど、やっぱりキャラクターやお話にかなり魅力があり、毎回十分読める内容だなぁ。素晴らしき不死鳥作品!今回も楽しめた!それではまた。


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【Web小説感想】2024年6月30日 絶対加速クレッシェンドNORTH 第一話

こんばんはRM307です。今月からは久しぶりに不死鳥先生の新都社作品、2009年5月にニートノベルへ投稿された「絶対加速クレッシェンドNORTH」を再読します。
レインパッカーの主要メンバーのエピソードが描かれる全3話の小説で、今週はカンジくんシホさんが出逢う第一話「炎熱羊(グレンオーガ)のカンジ」の感想。
この十年で1~2回程度は読み返した覚えがあるけど、まとまった感想は書いてこなかった。

【あらすじ】
知新半島国立公園のパークレンジャーとして働く幼い赤羊の冬目志保(トウメ・シホ)は、ある時奥深くの湖の木の上で、動物の毛皮で作られた粗末な服を纏った野生味あふれる火祭莞爾(ヒマツリ・カンジ)と出逢う。
彼は絶滅危惧種である炎熱羊で、一族は冬目家との契約により匿われていたらしい。シホは不審に思いつつ、だけどどこか憎めないカンジと対話し、彼の語る考えや夢に耳を傾ける。
そして彼は尋ねる。「てめえ、地球は好きか?」

当時まだ三~五話までしか無かった「絶対加速クレッシェンド」・「ZERO」は概ね誰にとってもただの怪作で、僕も「NORTH」を読んでいたものの理解はできず、感想を書き慣れていなかった影響もあり内容に触れたコメントは残せなかった。

絶クレはそのセリフ量からネタにされたり小説で書いた方が良いと言われたりと散々で、コメント欄をごらんいただけるとわかる通り、今作が登録された際も笑われていた。
どこの世界でも特徴的な作風の初心者は嘲笑されがち、そしてそのままフェードアウトしがち。
しかしそこから、世紀の名作である「Q」を描き上げられた不死鳥先生は改めてすごい・・・!

一話はシホさんの視点から始まる。後に「Q」十二話の「カッキーン★」やおまけ漫画で人気を博す彼女だけど、登録当時は何とまだ登場すらしていない!w内容を理解できなくて当然か・・・w
あと4歳ですでに剣の修業を?!6歳で戦闘を?!9歳で国立公園の管理を?!と驚いた記憶がある。
両親と死別した抗争もちんぷんかんぷんだったけど、「ボーン・トゥ・ビー・ワイルド」や「M」の読後だとせつなくなる・・・。

また「父から意思力のイロハを教わり」とあるけど、意思力水無田一族の専売特許じゃなかったっけ。かつ父のコウメイさんは戦闘が苦手で、むしろキノさんが得意だった。いずれもまだ設定が固まっていなかったのかな。
シホさんは年中防寒着でも平気らしく、それと2015年にも絶クレ板に書き込んだけど、赤羊は気温に左右されないみたい。だから各キャラが様々な季節の装いなのね!w
それと身につけているイルカ型のイヤリングは可愛い!失念していた設定だった!

「スゲェ」は後に「Q」二話でも「スゲェ母性」として発しているけど、シホさんの口癖の初期設定だったのかな。以前は僕もまねて書いていたw
過去作でも感じたけどキャラの語り口は口語、特にシホさんはギャルギャルしい印象で、文語にしか触れていなかった当時は斬新に映り、しばらく慣れなかった。
小説を書くとどうしても書き言葉に寄ってしまうものだと思っており、不死鳥先生も漫画や小説をかなり愛読していたのに、強いて言えばケータイ小説に近い印象を受ける。
リア充、陽の者ならまだわかるけど、不死鳥先生は非リア、陰の者なのにふしぎ。そして面白い。

他には地の文の「なんて言う気にはならない夜だったが・・・・・・。」の言い回しやモノローグの「まったくまったく。」、そして不死鳥先生のお得意の好意だと直接記さない「誤解してしまうではないか。志保は思う。」も好き!特に憧れる良い表現だなぁ。
シホさんは最初からカンジくんに惹かれていたんだね!素敵だ。性格は異なるけど、彼の夢や考え、真剣な対話に魅力を感じたのかな。
あるいはもしかしたら、女の子好きなので彼の容姿にも・・・?w

犬のようにシホさんに懐くカンジくんも微笑ましい!そしてシホさんの一歳年下だったか。
冬目家が一族を隠す契約を交わしたと言っているけど、「M」でたしか面識のあったナナセが締結したのかな。カンジくんとも親類だったんだっけ・・・?「M」も再読しないと・・・。
まぁ絶クレが生まれる前のナナセの苗字もヒマツリだったので、血縁者ではあるのだろうな。
フォルテシモ」でおなじみのセリフ(「燃える!燃えるぜ!俺のパァトス!」)だった「パトスが燃え(て)る」も登場し嬉しい。

あと「エニグマ無しじゃ大した事はできない」とも言っているけど、武器ありきの特殊能力って不便だし歪な構造のような。
ラグナロクが炎熱羊を生み出した際に、出力させる・安定させるエニグマとセットでデザインしたのかな。彼の不安定性、不完全性の表れな気がした。

以上幼い頃からブレず、全体の奉仕者として尽くす、地球の守護体系を全うする意志の固いカンジくんがカッコ良く、キュートなボーイミーツガールで、15年前にはわからなかったけど現在は予想を超え楽しめる一話でした。面白かった!それではまた。

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【Web漫画感想】2023年7月21日 自キャラと作者シリーズ ナナミ・ミズエ・カンジ・フユヒコ編

はいこんばんはRM307です。今週は2009年から新都社で連載された不死鳥先生の漫画「絶対加速クレッシェンドQ」へ投稿された「自キャラと作者シリーズ」の感想。掲載雑誌は週刊少年VIP。
前回から続き、ナナミ編とミズエ編とカンジ編とフユヒコ編の計13ページ。
ミナセ編・チヨジ編https://rm307.blog.jp/archives/87517138.html

【あらすじ】
不死鳥先生の生きる現実世界へ召喚された、今作だけの設定が付与され性格が異なる自キャラたちと、不死鳥先生の欲望が反映された対話が描かれる。そしてそのモデルは現実の友人知人?!
ミナセ編、チヨジ編、ナナミ編、ミズエ編、カンジ編、フユヒコ編の全6本の短ページ漫画。    

ナナミと話される不死鳥先生は何だかぎこちない。彼女は本編と同じく京極夏彦作品は好きなようだけど、本編とは異なりヤンデレ気味だ。
不死鳥先生へ好意を向けている点では「魚眠洞とナナミ」と同じだけど、性格はやっぱり異なる。しかし肉体関係があるようで、こちらも同時期に書かれた替え歌の「ナナミでしか抜けない」を彷彿とさせる。
タバコを吹かす不死鳥先生の意味には当時は気づけず、事後を表現していると二年後に七靴君から教わったような気がする。
不死鳥先生風に書くと、ナナミへ「結構アレな」感情を抱いていたのかな・・・。まぁ僕も以前、「百合少女交響曲♪」のユイ姉の水着姿を描きながら若干どきどきしていたので、お気持ちは多少わかるかもしれない・・・w

ミズエさんはかなり駄目駄目に描かれていて、モデルは「ギョミミ」へ掲載された序文1に登場するTの恋人のSちゃんかな。そこへ中学時代の吹奏楽部長の人格を乗せたのか、同一人物なのかはわからない。
序文では、不死鳥先生が小学生の頃に彼女を好きだったと語られるけど、初恋の女性は”Mさん”なので別人だよね・・・?「不死鳥の短編集」の同名のキャラである水絵さんともタイプが異なるようだし。

子どもの頃の輝きが大人になると見る影も無くなった、はあるあるだろうなぁ・・・。以前も書いたけど、僕も中学時代のテストでは常に学年で1~2位だったくらい勉強ができていた。しかし現在は落ちぶれ最底辺、ひどいものだ・・・。
それは後に不死鳥先生も似た境遇だったようだけど、もしかしたら、ご自身の状況も本作のミズエさんに反映されていたのかも・・・?!

本作も短編も当時はほとんど読み込んでおらず、不死鳥先生の交友関係や恋愛事情も断片的な情報しか知り得なかったので、もっと訊きたかったなと後悔している。
ファンの距離感をわきまえるべきだと考えていたけど、親しくなりたかったなぁ・・・。

エコを辞めたカンジくんもご友人がモデル?それとも「農ネーム」から「Q」を描くまでに、彼のようにあまり傾倒しなくなった不死鳥先生かしら。
あと「自分の道は~」の表情がカッコ良かった。とても好きな作画!

フユヒコのモデルとなった法学部のご友人は、こちらも序文1のTかな。
序文2も含め、かつての親友だった彼らとまたこんなふうに競い合いたい、それが不死鳥先生の長年の願望だったのだな・・・。

ラストは王道のギャグだけど、「農ネーム」などでも見られた自分を茶化す自虐や悲哀が感じられ、少しせつなさも覚えるシーン。
ちなみにフユヒコの「人の夢は終わらねェ!」の元ネタは、不死鳥先生がお好きな「ONE PIECE」のDr.ヒルルクの名言。有名ですね。

以上、今回は特に「調べてみましたがわかりませんでした!いかがでしたか?」的なサイトのごとく内容が薄くて申し訳ございませんでした。でも掲載当時はわからなかった部分を、後に発掘された「ギョミミ」を踏まえて読むと発見があり良かったし、面白かったです。それではまた。

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RM307

新都社でFAや漫画を描いたり読んだりしています。
このブログでは読んだ作品、作った料理の感想を掲載しています。
2016~2021年は毎週更新、2022年以降は基本的には月2回更新です。
新都社以外で何か触れた作品があった場合は、その都度投稿するかもしれません。

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