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主に読み返した不死鳥作品や作った料理、他に小説や漫画や同人誌などの感想ブログ。

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【SS感想】2024年12月31日 フユヒコの主張

はいこんばんはRM307です。今月も不死鳥先生の過去作品、2009年に不死鳥先生のブログ「勉強して偉い人になり隊」(現「竹フィラメント」)で書かれた、SS形式のセリフ集の感想。
今回は7月の「フユヒコの主張」。毎回書いているように、タイトルは七靴君か僕が便宜的に名づけた。


フユヒコのテンションが高く、ナナミへの想いも珍しくあふれる。「絶対加速クレッシェンドQ」本編ではもっと控えめな印象だったので、かなりの好意(あるいは劣情?)を抱えていたのだなと感じる。
しかし自分を好いてくれている、幼なじみのセツナの前なのにけしからん!!!w非リアを自称するリア充め!!!w

「抑圧された表現意欲はネット上で炸裂した」、「コミュニケーションの不全が芸術を生む」には共感した。僕の創作物は芸術とは呼べないものの、幼少期から表現に憧れたけど無理だと諦め欲求を封印し、ネット上で気軽に公開できる/見てもらえるおかげで爆発的に広がったので。
またよく脳内で現実と理想のギャップも埋めており、もしかしたら僕にも精神エネルギーが発動したら同様に妄想力かもwまぁサニーサイドアップで経理として立派に頑張る彼に比べ、僕はただの現実逃避だけど・・・w
でも本当に「此処じゃない何処か」に魅力を感じるよね、現実を後にしたいよね・・・w

「萌えの伝道師」も大きく出たなwそういえば初期の不死鳥先生は萌えを強く意識なさっていたようだけど(「Q」の完結記念ねとらじでの有名な発言「これで萌えただろう!萌えまくっただろう!」などw)、後年は別のテーマにシフトしたような・・・?
いややっぱり気の所為か・・・?後期に書かれた短編や「絶クレM」などを振り返ったらまた考えたい。

それと英語で表記した「GAP」も不死鳥先生らしくて良き。
あと水を向けられ一度だけ口を開く、落ち着いたちーちゃんのセリフも愛らしいw
一言でもきゅんとしちゃうwやっぱり大好きなキャラだぜ・・・!
なお「俺が俺である証」に関しては「チヨジとラグナロクの面接」の感想で触れるかも。

セツナの「殺し合いの螺旋下りる」も社会や他者から背を向けたい、「てめェを生かす為に働いてるミズエさんの事を第一に考えろよ!」もお母さまの心中を想い、ご自身を糾弾し戒め律する不死鳥先生の内なる声かな。こちらもとても共感できると思う。
締めの冷めた一文も・・・w不死鳥先生も創作に打ち込まれながらも、同時に常に否定する声が聴こえていたかもしれない。自分がそうだったので。
だけど不死鳥作品は、紛れもなく芸術だったと今でも確信している。改めて、生み出してくださりありがとうございました・・・!!!

以上、小説やSSでは毎回2本まとめて感想を書くつもりだったのだけど、1本だけである程度の文量に達するケースが非常に多い。今でも興味をそそられる不死鳥作品は素晴らしい!!!
魅力を再確認でき、何より楽しめる内容で良かった。今年の再読も充実した!それではまた。

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【SS感想】2024年11月29日 スイトのモノローグ&ミナセとチヨジ

はいこんばんはRM307です。今月も不死鳥先生の過去作品、2009~2010年に不死鳥先生のブログ「勉強して偉い人になり隊」(当時のタイトル)で書かれた、SS形式のセリフ集の感想。
今回は12月の「スイトのモノローグ」と3月の「ミナセとチヨジ」。なお先月も書いたように、各タイトルは七靴君と僕が便宜的に名づけた。

【スイトのモノローグ】


絶対加速クレッシェンドQ」の十一話後編で描かれた、ラグナロクとの面接に臨むちーちゃんのセリフ案から続けて掲載された。分けて考えて良いのか、合わせた意味が存在するのか・・・?
かつ名前がカタカナ表記なので、「雲林院水徒シリーズ」の彼とは別個体、「Q」九話で描かれた現世の門番のスイトなのだろうか。まぁ両者の関係も不明で、同一人物なのかもしれないけど。

一行目からせつない。「フォルテシモ」におけるユアイにとってのライマくん、「農ネーム」における皆川先輩にとってのカフカ、「Q」におけるミナセにとってのミズエさん、ちーちゃんやナナミにとってのミナセ、ムッくんにとってのナナミラグナロクにとってのちーちゃん、イザヤにとってのテレーゼのように、不死鳥先生も優しい誰かからの助けをずっと求めていたのだろうか。その後もティッシュ先生やつばき先生へ吐露や相談をなさっていたようだったし。

僕も他者から、加えて神からの救済を待ち望んでしまう性質なので共感する。まぁ意志が薄弱で活力に乏しく、怠惰で努力に向き合えず、単なる他力本願の社会不適合者なだけではあるのだけどw
あと非常に恥ずかしいけど、いつか好きな相手にも振り向いてもらえるかもとどこかで期待してしまっている、本当に愚かで判断力に欠け受け身な駄目人間です・・・wイエーイ!(プラトさん風)

だからスイトは自身で叶わないと否定する。当時の不死鳥先生も痛感なさっていたのかな。
思えば昔から、ネガティヴや希死念慮に常時お悩みな様子だったけど、かといって停滞せずにいつも行動なさる姿勢ですごい!と尊敬していた。僕はなかなか動けずにうずくまってしまいがちなので。
苦手でも苦痛ても諦めず、一生懸命確実に階段を積み上げたスイト、不死鳥先生はえらいなぁ・・・。だからもうネットの世界を必要とせず、現実の生活を一歩ずつ堅実に上っていらっしゃるのだろうか。

「行動しないのなら悩まなくても良い」、「行動できないようなら、悩む事をやめよう」はシホさんの「悩みはウェイトだ!」につながる大切な考え方で、僕も昔は問題から目を逸らす現実逃避のようで引け目を感じていたけど、12年前につばき先生から似たような教えを受け、現在はウェイトを減らし行動できる場面も増えた。
それでも未だにモラトリアムからの脱却には至らないんだけどね・・・wつくづく幼稚だ・・・。

【ミナセとチヨジ】


大学を卒業後、大学院への進学に伴い地元を離れる、また「Q」の完結を目前に控えた時期の最終話直前のプロット案。当初は犬のチヨジを登場させる構想もお持ちだったのかな。
当時は不死鳥先生のご実家でミニチュアダックスフントを飼育していらっしゃり、現世へ渡ったミナセにも反映された設定。初出はこの記事かねとらじだったような。
すでに故人だったとはいえ、幼なじみの名前を与えるの?!と当時はツッコんでしまった覚えがw

それと再読して気づいたけど、ミナセはかつて愛したナナミとちーちゃんには想いを馳せず、父親との約束、母親のような役割を果たしたテレ子からの信用を再確認している。
コメント欄で「Q」のラストが作者の表明だと評されたように、過去や執着から決別し社会で生きていく決意も滲むかのようだ。
2021年の「Q」の感想からたびたび書いているけど、恐らく長年いつかは飛び立つのだとお考えだった不死鳥先生。現在はどちらにいらっしゃるのだろう。いつか新都社でまた羽を休めて欲しいと願ってしまう。

以上、短い内容ですが今回も面白かったです。
そしていつも感想よりも自分語りが多いようで申し訳無いですが、楽しんだ気持ちが少しでも伝わりましたら幸いですwそれではまた。

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【Web小説感想】2024年10月30日 切奈と冬彦

はいこんばんはRM307です。今月も不死鳥先生の過去作品、2008年8月に2chの孤独な男性板の「孤独な大学生93」>>378に投稿された短編小説「切奈と冬彦」の感想。
今回もかなり久しぶりの再読。あと先月書き忘れたけど各タイトルは不死鳥先生が命名しておらず、wikiへまとめる際に七靴君と僕が便宜的に名づけました。


執筆時期から考えると小説「フォルテシモ」のリメイクか、2010年2月11日のねとらじで不死鳥先生が仰った『一番最初の「絶クレ」』である「新世紀フォルテシモ」の可能性が高いと思う。

中学校が舞台でミズエさんが在籍、ちーちゃんが登場しミナセと仲睦まじい、ムッくんナナミの因縁などの「絶対加速クレッシェンドQ」の設定がすでに散見される。
ただ不死鳥先生のお父さんがお元気だった当時は、ヤマギワがナナミに傷を与える構想だったか。しかもラスボスに近い役どころで、ますます「フォルテシモ」以降の弱体化にせつなくなる・・・w昔は卓越した活躍の特別なキャラクターだったんだけどねw

当時は「雲林院水徒シリーズ」の皆川先輩と同じ姓のフユヒコや、「刹那」では無く「切奈」と表記されるセツナが新鮮で、彼女にはさんづけ!親しさゆえにあえてかしこまり、じゃれただけかもしれないけど。
彼をおぶって登校したり、その間に始終頬を緩ませたりする切奈も可愛かった!!!
僕もFAを2010年7月2011年10月2014年1月の3回、セツナの単体でも2010年9月に描いたくらい、フユセツは昔から大好きなカプなんだよねぇ・・・!!!
Q」十一話でのレプタイル戦でも、ちーちゃんと同じくらいセツナの死がつらかった思い出。

レッドラムが決起し人間が続々と月へ移住する、「フォルテシモ」とも「絶クレ」とも異なる世界情勢で興味深い。奴隷からの脱却、魔界の廃止による解放では無く、武力による敵対を選んだレッドラムたち。
何となく「魚眠洞とナナミ」の3話でも感じたけど、当時の不死鳥先生はたびたび現実での戦争の勃発を懸念なさっていた気がする。赤羊たちの自己実現とは異なり、憎しみ苦しめ合うだけの非情な殺戮。
僕はまだ幼くちゃんと理解できていなかったように思うけど、2003年に開戦したイラク戦争や2002年から始まった「機動戦士ガンダムSEED」により、当時高校生だった不死鳥先生たちの世代には戦争が意識に深く刻まれたのでは、なんて考えたり。ただの憶測だけどね。

ミズエさんのスローガンの「世界と君との戦いでは、君に味方せよ!」は、不死鳥先生が昔からお好きなフランツ・カフカの残した言葉を改変したフレーズ。しかし過去作品の「世界樹の下で」と「農ネーム」最終話や後の「Q」最終話では原文のままに「世界に味方せよ」と書かれたのに、今作では逆の意味で理由が気になる。
あとは他作品には未登場のキャラの森川空、総合百貨店の「メルフィス」や舞台の「落世町」の意味や名称の元ネタも知りたい。

冬彦の言った「生まれてきて良かったって思って死にたい」には共感した。僕が生まれてきた意味も生きている意味も存在しないのでw
まぁ孤独な僕に対し、大好きな相手が隣に居る冬彦は十分恵まれていると思うけどね・・・!!!www
僕も想い人から愛してもらえたら生まれてきて良かったと思えそう。でも永遠に起こり得ないし、そもそも叶わないなら否定しても仕方が無いのだ、なんて甘い考えだろうとも思う。
そして残り時間も少なく、生まれてこなければ良かったと悲嘆に暮れながら死んでいく人生だろうと思う。

以上、今回も予想よりも楽しめて予想以上に感想も書ける内容で面白かったです。それではまた。

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【SS感想】2024年9月29日 カンジの主張&ユアイインタビュー

はいこんばんはRM307です。今月も不死鳥先生の過去作品、2009年に不死鳥先生のブログ「勉強して偉い人になり隊」(当時のタイトル)で書かれた、SS形式のセリフ集の感想。
今回は9月の「カンジの主張」と11月の「ユアイインタビュー」。当時は読んでもほとんど意味がわからず楽しめず、翌年「絶対加速クレッシェンドwiki」へまとめる際などにたびたび再読した。
前回いつ読んだかは覚えておらず、8年か下手をすると13年くらい前かも・・・w

【カンジの主張】


恐らく「Q」第十二話前編のプロットなのかな。カンジくんは懐が深いイメージだったので、人間はまだしも赤羊にも敵意を抱いていたっけと意外に感じた。
でも環境を守るだけじゃなく、テレーゼと同様に戦争ビジネスも終わらせる、そしてさらにその先も見据え、赤羊にも食が必要となる未来の為に農耕を広めようとする志が改めて素晴らしい!

そんな彼の想いに賛同し、傍で支える良妻賢母なシホさん・・・だったけど、今作では唐突に「カカロットー!」と叫び面白かったw
内容を失念しており、すべてカンジくんのセリフなら名前の表記とかぎ括弧は要らないのでは、とも考えながら読んでいたので不意打ちを食らったw
シチュエーションもわからんw「ドラゴンボール」を未読なので見当違いかもしれないけど、カンジくんがのセリフに引用や、持論に元ネタが含まれたりしたのかな・・・?w

スローガンの「必ず負けない事」は実現し、地獄でもいつまでも活躍を続けて欲しい!!!
あとカンジくんの23歳は、たしか当時の不死鳥先生と同い年だったと思う。
僕は基本的に他者の年齢をすぐに忘れがちだけど、自分との年の差を思い出し見当をつけられた。

【ユアイインタビュー】


恐らく「Q」第十五話の構想か補足で、変化した精神エネルギーの安力(ハルシオン)がたしか本編に先立ち初出。
たどたどしく語尾が消え入りながらも真摯に、「は・・・はひっ!」 と顔を真っ赤にし「ほわんほわん・・・」 と混乱しながら質問に回答するユアイがとっても可愛い!!!漫画でその表情も拝みたかった~!!!

非リアを誇るユアイの視点は不死鳥先生もお持ちだったのだろうか。あるいは他者から肯定してもらいたかったのだろうか。彼女は非リアの何を誇ったのだろうか。
僕もよく非リアだぼっちだと公言するけど、恐らく毎回卑下。上辺だけの付き合いをしたくない、おべっかや社交辞令でご機嫌を取りたくないなど、芯や信念を持った一匹狼と言い換えられたらカッコ良いかもしれないけど、実際は他者から好かれず孤独なだけの残念な人間性・・・誇りとはほど遠いのだろう。

また軽率に明かすべきじゃない事柄も話してしまう危うさも、コミュ力不全ゆえだろうかwでもわかる!w
しかし本編では好感を示し魔界廃止後も交流が続いていたけど、「アタシにとって・・・」以降とライマくんへの正確な感情が気になる!!!

それと恋人の有無を尋ねるインタビュアーは、令和の世ならコンプライアンスに抵触しそうだと思ったら、マネージャーのフユヒコがきちんと静止してくれて良かったw立派に職務を果たしていてえらい!大人!
あとクリエイターはリソースをマネジメントに割きづらそうだけど、フユヒコなら漫画家に就いても大丈夫そうだな!頑張ってね!
セツナとも今頃どのような日々を送っているのだろう・・・知りたいなぁ・・・。

以上、短い上にセリフのみなので感想に困りそうだと予想したけど、今回も思いの外書けて驚いた。SSまでも不死鳥作品も魅力的だ!
ただ「カンジの主張」の終盤で書かれた「そうゆう」は、個人的にものすごく苦手なご表記で受け入れられなかったw不死鳥先生はいつか該当部分を修正してください!!!wそれではまた。


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【Web小説感想】2024年8月31日 絶対加速クレッシェンドNORTH 第三話

はいこんばんはRM307です。今月も不死鳥先生の過去作品、「絶対加速クレッシェンドNORTH」の感想の続き。
今回は第三話「ひきこもりのユアイ」。全三話なので実質的に最終話。
1話の感想https://rm307.blog.jp/archives/88717399.html
2話の感想https://rm307.blog.jp/archives/88816787.html

闇沼家は土着宗教の総本山、いわば日本における神職だったのか。数年前に読み返したはずだけど、いきなり失念していた記述だった。
それと大脳特化型赤羊のエマ・オーミクスや鵺の滅殺モードは、掲示板やブログで設定が語られたのみだと思い込んでいたけど作中にも登場していたのだな。
そして祖先に宿された鵺が女系子孫に代々引き継がれていく・・・もはや呪いのような・・・。

お昼のテレビ番組「笑ってイイトモ」を楽しむ鵺には自我が、エニグマとはいえ個を確立している気がするけど、「Q」で魔界が廃止された後はどうなったんだっけ・・・と思い出せず22話前編を読み返したら、地獄へ移住した彼女の腕に描かれていた。
戦闘を必要とせずエニグマとしての役割も終えたと思うけど、今後も闇沼家の女の子に引き継がれていくのだろうか?今後はどのような役目を果たすのだろうか?気になる!

「テレビの明るい笑い声が何処か遠い世界の音のよう」では、表現は異なるけど「魚眠洞とナナミ」の1話の冒頭を想起した。いずれも書かれた時期が5ヶ月しか違わず、当時の不死鳥先生が実感なさった虚しさが反映されたのかな・・・。
またユアイの当時のカンジくんシホさんへの印象を知れて嬉しかった。特にひきこもりな彼女にも分け隔てなく接してくれたシホさんは、やっぱり魅力的な女性だ・・・!!!
たしか本編ではふたりの会話はまったく描かれなかったけど、親密な関係だったりしたのかしら。レインパッカーのメンバーの普段の様子も読みたかった・・・!!!
ついでに、2010年に投稿されたティッシュ先生のユアイとシホの1ページファンコミックにも萌えたw

当時の僕はまだ百合好きでは無かったけど、超絶美少女で色っぽいなユアイとシチュエーションにとても惹かれた思い出w

なお今回読み返すまで、何となく「カズナがスマブラを持ってきてくれる話だったっけ」とうろ覚えだったけど、こちらもティッシュ先生が同年にアンソロジーへ投稿された「僕の完全妄想 ユアイとカズナのクリスマス」の内容と混同していたw

原作や設定に忠実で、安力(ハルシオン)の萌芽を示唆したりライマくんとの関係も描かれ、ユアイの表情や仕草がすごく可愛く、今作の一人でプレイしたスマブラにつなげられラストも素敵なお話で、めちゃくちゃおすすめなのでぜひごらんください!!!

そのカズナはひきこもりの姉に、参加し活動しているレインパッカーやカンジくんについて話してくれる。優しい!
メンヘラだから無駄だと一蹴する彼女に、本質では無く虚力の影響を受けているだけだと指摘したのかな。でもユアイは”能力”の響きに気を取られ、真意が伝わっていないみたい。
メンタルが不調だと疎ましく思う気持ちもよくわかると思うけど、彼女に向ける言葉たちは姉を大切に想っているからこそだと感じられる。
長年気に留めていなかったけど、すごく良いなぁ・・・。さすが、「羊のうた」の主人公の名を冠しているだけある!w
僕も誤解しがちなので身につまされ、そしてカズナへの愛おしさを覚えた会話とエピソードだった。

しかしやるせも気力も無かったユアイは後にライマくんとのココロの交流を経て、精神エネルギーが虚力から前述の安力へと変遷する。このプロセスをもっと知りたかったよね!!!
もしかしたら小説「フォルテシモ」ですでにふたりはフォーカスを当てられたので、「Q」では省かれたのかもしれないけど・・・でももっと接近したりいちゃいちゃしたりするシーンを読みたかった・・・!!!

そして今作では「欲」が無いとまだ厭世的なユアイ。僕も想い人と時間をともにし、これからも生きたい!と欲を持てたら頑張りたいけど、まぁ永遠に叶わずこのまま生き腐り、近い将来に死ぬだろう。


以上、予想以上に楽しめました。今回で読み終わってしまい残念!!!まだまだ書かれて欲しかった!!!
初期の不死鳥先生の小説はインパクトが薄かった気がしていたけどちゃんと面白く、「NORTH」を再読した三ヶ月でイメージが変わった!やっぱり不死鳥作品が好きだ!読めて良かった!それではまた。

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【Web小説感想】2024年7月31日 絶対加速クレッシェンドNORTH 第二話

こんばんはRM307です。今月も不死鳥先生の過去作品、「絶対加速クレッシェンドNORTH」の感想の続き。
今回は第二話「農業王(アグリマスター)のホロキョウ」。
1話の感想https://rm307.blog.jp/archives/88717399.html

農業法人「ネイケフイケキロロ」、元ネタは不死鳥先生が敬愛なさった作品「シャーマンキング」に登場するホロホロの技で、アイヌ語で「どことして何一つ非のうちどころのない力」の意らしい。以前も何度か検索したのだけど、しばらく経つと失念しそのたびに調べ直しているw
なお隊訓の文体は宮沢賢治作の「雨ニモマケズ」が元ネタ。でも「なりたい」では無く「なるんだ」と決意が表れた改変となっており趣きがある。
あと「『大農業時代』の開始だ!俺は農業王~」は、こちらも不死鳥先生が愛読なさった漫画「ONE PIECE」のゴールド・ロジャーが元ネタ。

「思考がジャンプする癖があるものの、頭自体はそんなに悪くなく」などのカンジくんの性質は、不死鳥先生ご自身の要素が付与されたのかな。
シホさんについては前回の感想で「最初からカンジくんに惹かれていたんだね」と書いたけど、本人は赤羊科学的な理由に由来すると考えているようだ。とはいえ、まだ幼く恋愛経験が無く、一目惚れを知らなかったのではとも思うけどw

もちろん聡い彼女はそれすらも自覚しており、『もっともソレが「一目惚れ」である可能性も無きにしもあらず。赤羊とはその程度にはいい加減な生き物だ』のバランス感覚もとても好き。
「絶クレ」のちーちゃんの「人って脳が発達してるから色んな不自然な部分が発生してるんだね。でも、そういう不自然な所が即ち「人の余裕」「人らしさ」だよね!」も大好きだったけど、不死鳥先生が昔からお持ちだった持論なのかな。僕も己の不自然さを肯定、許容しても良いんだと嬉しく、かなり影響を受けたセリフ。

暁国の北海道は「北界堂」と表記される。全国の地名もめちゃくちゃ知りたい!!!
また「カンジにいちいち名前を教えてもらった鳥達の鳴き声を聴く。そうかな、と思う。」は、シホさんがとても可愛く感じられるふしぎと惹かれる一文!

それとこれまで15年以上気に留めていなかったけど、ホロキョウさんは魔界の支部長か。残る三界のトップ、そして頂に立つ存在はいったいどのような人物なのだろう・・・?
それとこれまで「アグリマスター」も何かわかっていなかったのだけど、検索したところ”長年農業に取り組み経験が豊富な農家を県が「アグリマスター」と呼ばれる指導者に認定”するらしかった。なるほど!
一話の記事でコメント欄のアーカイブページのリンクを載せたけど、当時寄せられた「農業王(アグリマスター)っていうセンスがヤバイ」が印象的でよく覚えていた。まぁニュアンスは否定的だったけど・・・w

彼らの作る野菜は食べると寿命が延び、地球力を使え、農作業で身体を動かすと赤羊の戦闘欲求も解消され、戦争ゴッコをせずに済むようになる!
ちーちゃんやテレーゼたちとはまた別のアプローチで、彼女たちが生まれるずっと以前から取り組んできた!すごい!!!
またラグナロクの中二病が希薄しつつあるとも予想されており、数年前に再読した際には「Q」で描かれるよりも早く、伏線が張られていたのか!!!と驚いた!
初見だった当時も、しっかりと読み込めて考察できていれば・・・wまぁ理解できなかった分、漫画本編での感動もひとしおだったのだけど!

炎熱羊は赤羊に対し性的欲求を覚えず、シホさんは自分に対し好意を抱いてもらえないと残念に思っている、なのに肉食だと宣うカンジくんに対しへそを曲げるオチも微笑ましいw末永く幸せに結ばれてくれー!!!
そして速いテンポでものすごくあっさりと書かれ、実に不死鳥作品らしいwもうちょっとたっぷり余韻を作った描写がなされたらもっと萌えたのだけどw
だがそこが彼の持ち味であって、憎めないヤツである(2006年にID:jIyxSoyl0が本スレに書き込んだ流行ワードより)。

以上、文章力では本格的に執筆している人には敵わないかもしれないけど、やっぱりキャラクターやお話にかなり魅力があり、毎回十分読める内容だなぁ。素晴らしき不死鳥作品!今回も楽しめた!それではまた。


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RM307

新都社でFAや漫画を描いたり読んだりしています。
このブログでは読んだ作品、作った料理の感想を掲載しています。
2016~2021年は毎週更新、2022年以降は基本的には月2回更新です。
新都社以外で何か触れた作品があった場合は、その都度投稿するかもしれません。

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