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主に読み返した不死鳥作品や作った料理、他に小説や漫画や同人誌などの感想ブログ。

井上きぬ

【漫画感想】2022年11月6日 ピンクの金魚

はいこんばんはRM307です。今週は特別編、ハルタ88号に掲載された井上きぬ先生の読み切り「ピンクの金魚」の感想。
去年「ガラスの瞳で覗かせて」のすぐ後の12月に書く予定だったのだけど、当時はいろいろあり断念し、結局一年後になってしまいました・・・すみません・・・。

ハルタ 2021-OCTOBER volume 88 (HARTA COMIX)
ハルタ編集部
KADOKAWA
2021-10-15


【あらすじ】
中学校の司書教諭である主人公の元へ、女子生徒の有村が相談に訪れる。彼女は唯一の友だちだった金魚が死んだと話す。
不思議な印象の彼女を慰める主人公の目の前に、突然もう一人の有村が現れる。寡黙だが表情豊かな彼女は裸で宙に浮き、主人公にしか見えていない。しかも分裂し次々と増えてゆく。
まとわりつく幻覚たちに手を焼きつつ、儚げで可憐な有村の表情に惹かれる主人公。そしてもう一人の彼女に手を引かれ、現実の彼女の身体に触れた。

20221106_ピンクの金魚
掲載されたままの撮影は難しく、写真は歪んでいますが、実際はちゃんときれいです!続きを読む

【漫画感想】2021年11月20日 ガラスの瞳で覗かせて 3話

はいこんばんはRM307です。今週は井上きぬ先生の「ガラスの瞳で覗かせて」3話の感想です。

【3話「パーティと失くし物」あらすじ】
パーティで待ち合わせるノイユディット。しかし浮かない表情で現れたユディットは、ノイに
カペラが消えたと話す。隠れていたカペラは、ふたりがキスするまで戻らないと言うが・・・。

パーティに現れたユディット、もう可愛い。2話の感想でも書いたけど、「た たっ」のコマ、
口に手を当てて笑っているコマのようなデフォルメ顔が最高!目と口のかたちが良いのかな。
「盗難は困りますが!」の指をばってんにするジェスチャーも可愛い!!!現実のどうでも良い
人間や芸能人などがしていたら嫌悪感を覚えるけど、漫画の好きなキャラだとただただ萌える。
一見素敵な大人のお姉さんだけど、カペラを連れ歩いていたり可愛いジェスチャーをしたりと、
幼い面もあるのがぐっとくる。結婚したい・・・いや一番はノイと結ばれて欲しいけど・・・。
逆光で微笑み、手を差し伸べるコマも可愛すぎる!!!ノイはこんな女神を前にしてよく平然と
踊れんな!!!僕だったら胸を抑えて倒れるわ。あるいはとっさに求婚してしまうかも・・・。
僕がこんな光景を見たらユディットを一生離したくないな・・・永遠に保存しておきたい表情。

口をへの字に曲げたカペラも可愛いなぁ。むすっとした顔にこんなに惹かれるキャラは珍しい!
「せいぜい楽しませてくれよ」の悪い顔も良かったwそして一番好きだった表情は、ノイに
見つかったときの照れたような焦り顔、「他の男はやだ」の前の堪えるような不安そうな顔。
きゅんきゅんする。ユディットももちろん可愛くて美人で性格も良くて好きで結婚したいけど、
やっぱりカペラの可愛さは突出しているなぁ。魅力的な表情や瞳。この絵柄が大好きなのだ。
小さな身体の中に可愛さがぎゅっと詰まっている感じ。どこにそんなエネルギーがあるんだ、
と驚くくらいパワフルに動きそして可愛い、幼い子どもの魅力が彼女に再現されているのかも。
20211120_ガラスの瞳で覗かせて3話
出典:ハルタ 2021-MAY volume 84 885ページ 「ガラスの瞳で覗かせて」3話より
手を焼かせるカペラだけど、ノイの怪我を心配してくれる優しさもある。何だかんだで良い子!
「キスしないと戻らない」と持ちかけながらも、「もう戻らなくていいならそれでいいけどさ」
と諦めも覗かせるカペラ。興味もユディットへの愛もあるけど、やるせなくて捨て鉢になって、
そして寂しい、彼女のせつない心境が伝わってくるようだった(間違っていたらすみません)。

なのでノイがそんな彼女を必要としてくれて、カペラと居るユディットが好きだと言ってくれて
嬉しかった!カペラも良かったね!そう、いくつになってもずっといっしょに居て良いんだよ!
カペラがノイに「私はお前じゃないと嫌だよ」と告げるのも良いシーンだなぁ。この時カペラが
後ろ姿なのもまた良い。驚いて照れるノイも可愛かったwこのコマもとても好きなデフォルメ。
そしてユディットの額にキスしてカッコ良いセリフを!やるぅ~!1話からノイやカペラの瞳に
人物が映る描写は多かったけど、ここで初めてユディットの瞳にノイが映ったのも良かった。
しかしノイは言動も行動もイケメンだ・・・僕には一生無理だわ・・・。1話の感想で「ノイは
あまり経験が無い方なのかな」と書いたけど、ぜんぜんそんな事は無さそうな感じだったぜ!

ラストで鼻血を出したユディットも可愛かったし、このページはカペラの表情もどれも可愛いw
カペラが望む、一気に進展する仲にはならなそうだけど、個人的にはじっくり距離が近づく方が
好きだし、カペラにも長い間見ていて欲しい。近づいてからも、ふたりの面白いやりとりは
きっとたくさん見る事ができると思うので、いつまでも三人で楽しく暮らして欲しいな・・・。

でもカペラはあんまり派手に行動しすぎると、ノイが疑われそうだから気をつけてね・・・w
今回も的確に探し出せたノイが隠したと思われないかと心配だったwけれどノイとユディットの
間には、すでに信頼が芽生えているようだったので杞憂だったな!羨ましい関係だなぁ・・・。

以上、楽しめました!続きが読めたら、また三人と逢えたらとても嬉しいです。それではまた。

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【漫画感想】2021年11月13日 ガラスの瞳で覗かせて 2話

はいこんばんはRM307です。今週は井上きぬ先生の「ガラスの瞳で覗かせて」2話の感想です。

【2話「再会と水遊び」あらすじ】
ユディットとくっつかせようとするカペラの悪巧みに手を焼くノイ。そんなカペラはどうやら
水が好きらしい。覗きよりももっと面白い事を教えようと、ノイはプールである行動に出る。

朝起きたら船室に大量の水が。嫌すぎるwwwそりゃ沈没したのかと慌てるよw心臓に悪いw
時代がよくわからなかったけど、1話で会話に「ロボット」が登場したり、きれいな内線電話が
あったりするので、現代なのかな。「おもちゃとお茶を」ではかなり古い年代の電話だった。

水を前にしたカペラは可愛い!動けるようになり、今まで見ているだけだった世界の様々な
面白いものに触れられるんだから、そりゃはしゃいじゃうよねw子どもっぽくて良いと思う。
これからもずっといっしょに様々な場所へ旅をして、様々な体験をさせてあげたいなと思った。
20211113_ガラスの瞳で覗かせて2話
出典:ハルタ 2021-APRIL volume 83 501ページ 「ガラスの瞳で覗かせて」2話より
扉絵の目を輝かせた表情、捨てられて不満げな表情、水遊びがバレた時の表情、ホースで水を
かけた時のジト目、ノイに捕まった時の表情、水に浮かべられて宝石のように目を輝かせたり
満足そうだったりする表情、ふたりをにやにや眺める表情、怪しむノイにそっと微笑む表情も、
良くて可愛かった。プールから抱き上げたユディットに向けた表情も好き。自由奔放だけど、
この表情から感じるユディットへの慈しみもカペラの一面なのだなぁ。ノイに叱られた瞬間や、
水に浮かべられた瞬間、最後のページのタオルを被ったデフォルメ顔もとても可愛かったな。

ユディットのブロンドヘアもとても美しいなぁ・・・。細かく描くのがすごく大変そう・・・。
上着を脱いだ時、楽しそうなカペラを見た時の表情も良かった。この驚いた時の表情、すごく
ヴァイオレット・エヴァーガーデンみたいだなと思った。どちらも金髪で作画が良いからかな?
しかしユディット、胸が大きくて嬉しい・・・。至高の谷間。まだ見ぬ春の迎えかた」2巻の
感想
でも書いたけど、井上きぬ先生の可愛い絵柄で水着姿を見られるの、嬉しすぎる・・・!
好きな絵柄なので、普段イラストやアニメで目にする水着が及ばないどきどきがあります。
カペラにプールに落とされたコマでは、おしりも見る事ができてありがたかったです(?)。
あと大人っぽい表情だけじゃなく、「お願いします」のデフォルメ顔もとても可愛かったな。

カペラをプールで遊ばせてあげるノイは優しい!僕だったらもっと冷たくあしらったと思うw
一応周りの目は気にしていたようだけど、それでも見つかったら変人に思われてしまうものね。
でもユディットに見つかったw彼女に嫌がらせだと思われないかかなり心配だったのだけど、
純粋だったようでノイが疑われなくて良かった。もしかしたら、カペラの満足げな表情を見て、
彼女が動いていると知らなくても、喜んでいると伝わったからノイの言葉を信じたのかもなぁ。

それと過去作の感想でも書いたけど、「今捨てただろっ」の次のコマ(すねた表情が可愛いw)
のような独特の間が感じられるところが作者さんの魅力なんじゃないかと思っている。好き。

以上、1話の作画ももちろんぜんぶ良かったけど、2話はさらにそれを超えてくる素晴らしさで
良かったです。表情も良いし、プールでは水の表現と、霧雨のような細かい水滴を浴びた時の
あの心地良い感覚を思い出すような、透明感ときらきら感が伝わってきました。それではまた。

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【漫画感想】2021年11月6日 ガラスの瞳で覗かせて 1話

はいこんばんはRM307です。今月は不死鳥作品感想をお休みし、一年ぶりに商業作品の感想を。
「ハルタ」82~84号で短期集中連載された、井上きぬ先生の「ガラスの瞳で覗かせて」です。
昨年連載された作品「おもちゃとお茶を」に続き、動くドールをテーマにした作品。全3話。

【1話「出会いとディナー」あらすじ】
豪華客船での旅行中、お嬢さまのユディットと出逢ったノイ。彼女を食事に誘い浮かれるが、
彼の部屋に突然ユディットが大切にしている人形のカペラが現れる。何でもこの船に乗ってから
動けるようになったらしい彼女は、ノイとユディットをくっつける為に悪知恵を働かせ・・・。

ユディットの登場シーン、めっちゃ可愛い~!!!美人すぎる!お近づきになりたい・・・!
2のひと先生の描かれる女性キャラもそうだけど、鼻筋をしっかり描いて可愛い絵柄に憧れる。
物腰が柔らかで返答が落ち着いたトーンのお嬢さま、社交には慣れているのかもしれないな。
お付きの女性も居るし、苗字も名乗っていないし、実はかなり高貴な身分なのでは・・・?
でも常にカペラを携えて愛でているところにギャップがあって良い。とても純粋な人なのかも。
この年齢で身分も高かったら、人前でそんな様子を見せるのはなかなか勇気が要りそうなので。
ノイの部屋まで迎えにきたり、食事をもぐもぐしたりしている時の表情が好き。輝いて見える!
ノイがおなかに倒れ込んだ時、その後の照れた表情も可愛かった。顔を赤らめている様子が
本当に可憐で、この人の近くに居られるなら何だって差し出しても良いと思わせる魅力がある。
20211106_ガラスの瞳で覗かせて1話
出典:ハルタ 2021-MARCH volume 82 515ページ 「ガラスの瞳で覗かせて」1話より
カペラも可愛い!人形モードのおすましした顔も可愛いけど、生き生きと動いている時の表情が
どれも素敵。「おもちゃとお茶を」のレネットがしないような悪い顔も見られて嬉しかった。
悪い大人は嫌いだけど、子どもから大人にいたずらされるのは許せちゃうので良いですねw
「人形苦手なんだろ」のコマ、ノイが返答に詰まったコマ、ユディットに頭をなでられたコマ、
身投げしたと勘違いしたノイをより気に入ったかのようなコマの表情もとても可愛かった!
ベッドまでぜんぶ覗きたいカペラ。どういう経緯でそう思うようになったのだろう?気になる。
ユディットがうぶな印象だからその反動かな。あるいはユディットの深層心理だったりしてw

一番好きなコマは、ユディットに頭をなでられたカペラが微笑むシーン。昔から言っているけど
大切に思っている相手と別れる展開が苦手なので、そうそう、大人になったからといって無理に
手放したりしなくても良いんだよ!これからもずっといっしょに居て欲しい!と強く思った。
違う意味でぐっときたコマは、ユディットにノイが倒れ込んだシーン。このコマのユディット、
胸から下半身のラインが柔らかそうで、めちゃくちゃエロスを感じてしまった(すみません)。
ドレスが薄く、身体のかたちがわかってしまいそうなところもどきどきした。羨ましい!!!

ユディットもそうだけど、ノイの反応も初々しかった気がした。あまり経験が無い方なのかな?
あと女性に慈しみを求めている反応のように思えた。何となくだけど。ノイの過去も知りたい。

海から落ちそうになった時、カペラはノイの差し伸べた手に対して遠慮する素振りを見せた。
自分で上がれると思っているなら、もっとはねのけるような強気の表情になりそうな気がする。
ユディットがもういい歳だからカペラを手放そうかと思っていると言っていたけど、カペラも
それがわかっているから、落ちても良いと思っていたのかな。そうだとしたらせつない・・・。

以上、大好きな絵柄が魅力的に動いている様子を読めるのはやっぱり嬉しいな!それではまた。

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【漫画感想】2020年6月20日 おもちゃとお茶を

はいこんばんはRM307です。漫画回の今週は、井上きぬ先生の「おもちゃとお茶を」の感想。
ハルタという雑誌の72~74号に掲載された一話完結の短編作品です。漫画雑誌を買うのは
去年のハルタオルタ以来で、読み切りじゃない連載誌となると中学生以来だから十数年ぶり。
商業作品を読むのが好きじゃなくてほとんどの連載作品を読まない事になるので、正直雑誌は
買いたくなかったのだけど、やっぱり大好きな作者さんは応援したいしな・・・と思ったので。
3ヶ月に分けて書こうかとも思ったんだけど、文量が少なかったので一記事にまとめました。

【1.幸運の手紙 あらすじ】
寮監のアニーと暮らす人形のレネットは、意思を持ち自由に身体を動かせる。今日も窓から
外を眺めていると、何やら生徒たちが楽しそうに手紙をやりとりしている。笑っているのは
きっと万年筆を持っているからだわ、私もこのペンが欲しい!でもレネットにアニーは言う。
それはペンでは無く、周りの人間に手紙を回せば願い事が叶うと書かれた手紙の影響なのだと。
生徒からの相談も受け困っていたアニーは、万年筆を欲しがるレネットに一つの頼み事をする。

様々なレネットの表情が可愛く、ため息をつく表情から物憂げな表情、とびきりの笑顔まで
ほぼ全コマ魅力的だった。フリルのついたドレスも可愛い(描くのがめんどくさそう・・・)。
最初は頭を悩ませていて沈んだ表情が多いアニーも、彼女を気遣って自分も気落ちするレネット
(素直で可愛いな)を見て以降の、特にレネットから願い事を問われた時の表情、その目元や、
最後の2コマの表情などがとても良かったな。こんなに美人だったんだ。まゆ毛の描き方も好き。

自分が手紙を書いたから生徒たちが笑っている、そう思って喜ぶレネットも可愛かったなぁ。
恐らく普段はこの部屋から出る事ができない存在だから、いつも見ているだけしかできない
アニーの可愛がっている(たぶん)生徒たちを喜ばせる事ができた、というのも嬉しいのかな。
最後に万年筆をもらえるのも良い。そして「不幸になりませんように」というアニーの願い。
それを私が叶えなきゃ、と言ってくれる小さな小さな存在が何より嬉しく、愛おしく感じる。
これからもふたりがずっと仲良くいっしょで、ささやかでも幸せに暮らして欲しいなと思う。

【2.朝の支度 あらすじ】
毎朝アニーを起こすのはレネットの役目。うつらうつらしているアニーの髪をまとめようと
していると、体勢を崩したアニーに潰され腕の関節のゴムが切れてしまった。これでは髪を
まとめられない、私がいないとできないもの・・・と言うレネットに、練習していたアニーは
一人でまとめて見せる。レネットは「これでもう私がやらなくていいのね」とつぶやいた。

腕が取れたレネットがめっちゃ騒いでいるけど、他の人に声が聞かれないかなと心配になったw
僕は女性のまとめている髪型が好きだけど、アニーは下ろした状態の方が可愛く見えるかも。
大手術を想像して青くなったり、足を上げたら転んでしまったりしたレネットも可愛かったw
そうか、レネットはアニーが小さい頃からいっしょに居るのだなぁ・・・こういうの好きです。
ずっとその成長を見守ってきたんだ。大人になっても人形を大切にしているというのも良い。
ラストのレネットも可愛かった。これからもずっとアニーの髪をまとめてあげて欲しいなぁ。

あと465ページのように、僕だったら1、2コマ目をまとめちゃうんだけど(めんどくさいから)、
分けて描かれているのも好き。他の話や作品でもそうなんだけど、この間が萌えるんだよね!

【3.ティーカップ あらすじ】
レネットが窓の外の大声に目をやると、アニーと相手の女性がつかみ合いのケンカをしていた。
動揺したレネットが思わず後ずさると、アニーが使っていたティーカップを割ってしまった。
謝るレネットにアニーは「いいのよ」と制する。ケンカの相手はこのカップを贈ってくれた
相手だったから。カップの破片を胸に「親友だったのに」と悲しそうなレネットを意に介さず、
アニーは「ゴミだから」と捨ててしまう。諦められないレネットはカップを修復しようとする。

大人になってつかみ合い手が出るほどのケンカをするってなかなかだな。何があったのだろう。
殴ったアニーの手を見てレネットが驚くコマ、話はまじめなんだけど笑ってしまったw可愛いw
「大事に思ってるもん」の表情もぷんすかしているところも可愛い。ポットを抱えて机の上に
登れず右往左往しているコマもめっちゃ可愛いwww思い出を再現している様子も愛らしく、
その次のアニーの指で口を塞がれたコマも可愛い。そして前後するけど、ごみ箱から破片を
拾って「よかった」とつぶやくコマ、顔も身体もごみまみれだけど、とても美しいと感じた。

アニーは、778ページのレネットの言葉に不意をつかれた表情が良かった。目のアップも良い。
しかし誰でもすぐに寮監を呼び出せる窓口が備えつけてあるのに、堂々とレネットと話していて
大丈夫なのかなwバレないかひやひやするよ。あと1からこの部屋を訪れる生徒や先生、そして
アニー自身の表情を見ていると、寮監業務が大変な事が伝わる。アニーが浮かない顔をする事が
多いのは、それもあるのかな・・・。大人にはいろいろあるよね。冒頭のケンカだってそうだ。

思い出は永遠だと言うレネット、つらいから昔の事はぜんぶ忘れたいと言うアニー。僕の場合は
他人の思い出に関してはレネットに、自分の思い出に関してはアニーにすごく同意してしまう。

これは「新都社百合企画2020」の漫画を投稿してから新ブログの方に書こうと思っていた話。
僕は昔楽しませてもらっていた作品だったり、仲良くしていた相手だったりしても、それらを
今現在嫌いになったりしたら、過去を全否定したい。その記憶を無くしてしまっても構わない。
たしかにその時はココロを動かされた、幸せだったかもしれないけど、それはもう過去の話、
今となってはもはやどうでも良い、そんなものに時間を使っていた事を後悔してしまう・・・。
僕はこう見えてわりと好きになるものは慎重に選んでいるので、たとえば過去に描いたFAでも、
のちにその作者さんが嫌いになって描いた事を後悔しているケースは88人中2人しか居ない。
今後もしその数が増えたりしたら、その都度FAに使った時間をもったいなかったと思うだろう。
(ちなみに本や漫画をあまり買わないのも、後で「無駄な出費だった」と後悔したくないから)
先日とある作者さんは、「大事に持っていれば良いと思う」と仰っていたけど、僕には難しい。
レネットのように大切に持ち続けようとは思えない。アニーのようにごみは捨ててしまいたい。

冷たい人間ですみません。これってやっぱり悲しい事だよね。他人から見たら特にそうだろう。
なので前述のように、他人が捨てようとしている思い出に関してはレネットに同意できる。
自分にとっても大切な思い出、すでに自分の一部のようになっているものならなおさらそうだ。
ふと思ったけど、これは作品が削除される事と同じだな。作品が読めなくなる事だけじゃなく、
もうその作品は読者の一部にもなっている。だから削除は読者を傷つける行為でもあるのだ。

忘れたいとこぼすアニーに、「代わりに私が覚えてるから」と言ってくれるレネットは優しい。
僕はてっきり「思い出を忘れないで」や「仲直りしなきゃ」と諭すと思っていたのだけど、
そうじゃないんだね。相手との関係が変わってしまうのは仕方が無い。もう戻らないのかも
しれない。それでも代わりに大切にしてくれる存在が居るなら、救われるのかもしれないな。
もちろん、できればアニーには昔のように相手とまた仲良くして欲しい、と願ってしまうけど。
ふたりに何があったのだろうなぁ・・・いつかそのエピソードを読める機会があったら良いな。
いつか彼女が、「やっぱり捨てなくて良かった」と思える日がきたら、僕もとても嬉しいなぁ。

最後はふたりがにこやかなエピソードを読めたら良いなと思っていたけど、このエピソードも
好きです。いつかまたアニーとレネットのお話を読めたら良いなぁ。読み切り作品だと最初から
諦めもつくのだけど、短期でも連載だともっともっとふたりの話を知りたい!と思っちゃうな。
どうか彼女たちがいつまでも幸せでありますように。アニーとレネットに逢えて良かったです。

20200620_おもちゃとお茶を

以上。他には「ヒナまつり」と「ハクメイとミコチ」も読んだ。「ヒナまつり」はアニメより
かなり話が進んでいて、みんな成長していたし、ギャグはあるけどバンド漫画?になっていたw
ライブを成功させたら未来が変わる・・・?!気になるのでアニメ2期をお待ちしております。
あと井上きぬ先生の短編集を出してください。以前描かれた作品も読みたい。それではまた。

Web拍手

2019年11月16日 ハルタオルタ 感想

はいこんばんはRM307です。今週は漫画回。今回は「ハルタオルタ」という雑誌の作品の感想を。
896ページ41作品もあるボリュームのある一冊。雑誌といってもすべて新作の読み切りなので、
他の漫画雑誌のように作品の途中から読まないといけない事も無いのも選んだ理由の一つです。
一番の目的は、大好きな井上きぬ先生の読み切りを読みたかったから。以下、感想は掲載順です。
といっても全作品分ある訳ではありませんが。感想が一行以上生まれた作品だけ書いています。

80's video trip」赤瀬由里子
息子が今はケンカする事が多くなった両親の若い頃のビデオを見つけ、最後に両親が仲直りする話。
面白かったです。僕の両親が遠距離恋愛時代に送っていた手紙を見つけた時の事を思い出した。
仲の悪い両親を見ているから恋愛に踏み出せないナオト、僕も似たような理由で、あんなに熱心な
文通をしていた両親も離婚したのだから、僕も結婚なんてできないな、怖すぎる!と思っている。

ナイトゲーム」山本和音
プロ入り目前の高校野球のスターが初恋の女の子と再会し、プロより悪い道を選んでしまった話。
こういう話はすごく嫌い。この作品が駄目だというつもりはぜんぜん無くて、単に好みの問題です。
いかに燃え尽きる一瞬が美しくても、その後やってくる暗闇を考えると気が重くなるのだ・・・。
ゆりかがひなたの好意を利用し、転売目的のサインを書かせたり犯罪の片棒を担がせたり・・・。
文字通り日向に居たひなたの人生を捻じ曲げて、ゆりかは何の責任も取らないのだろうな・・・。
ふたりが警察に見つからなかった事を祈りたいけど、無理なんだろうな。告白シーンは良かった。

黒髪を舞うころ」黒川裕美
舞妓はん最後の日に着付けをしてもらったけど、いつもと違う人だからどうもしっくりこない。
でも来ないと思っていた男衆さんが現れ着付けしてくれる話。ただそれだけの短い話なんだけど、
漫画がお上手!と思った。僕なんかがプロの作家さんにこんな事を言うのは失礼なんだけどね。
舞妓はんの表情だけでああこの男性と何かがあったんだな・・・と伝わる。男性の表情は至って
普通で意識していないのに、舞妓はんだけはつらそうで。良かったです。絵柄もわりと好き。

ハートのお仕事」富沢未知果
恋のキューピットである妖精と、妖精に代わるAI妖精の話。ヒロインがふとまゆで可愛かった。

ゾンビのビビ」福島聡
自分以外全員ゾンビになってしまった小島で、校舎の中に入ろうと必死なゾンビの女の子の話。
銅像を重そうに運んだり傘を開いて驚いたりと、一生懸命なビビが可愛かった。最後、池に傘を
浮かべて喜ぶところ、主人公もいっしょになって傘に乗るところも微笑ましくて良かったな。

円楼暮らし」サカノ景子
引っ込み思案な妹がおつかいに行き、人々と交流して少し成長する話。とにかく絵柄が可愛くて、
夕凛の表情やリアクションが楽しかった。顔を赤らめたり口をあんぐり開けたり泣くのを
こらえたり。可愛かった。作画がきれいで、円楼の見開きページの書き込みもすごかったな。

午前1時の同窓会」松本水星
ホストになった優等生だった友人と再会する話。BL風味で、赤月に怪しい魅力があって良かった。

テイラーとクリスの事件簿」佐々木尚
死体や犯人が怖いけど有能な刑事とその助手の甥が事件を解決する話。一番面白かったかも。
近年アニメを観ていると推理物の皮を被った作品がわりと多いけど、これはしっかりしている。

スター・ドリーマー」三星たま
星の草を盗んだ疲弊した社会人が、罪を償う前に癒やされる話。なぜかバニーガールの格好を
している警察職員が可愛かった。バニーは良い。でも一番好きなのは編み込みの女性刑事さん。
まゆ毛がふとめで、目元もクール。警官の服装も似合っていてカッコ良い。もっと見たかった。

夏の夜」高橋那津子
帰省先で親戚の子と秘密の時間を過ごす話。絵柄はたぶん古い方に分類されると思うけど、
かなり好き。初期冬目景姐さんを思い出した。シチュエーションもおっぱいもエロくて良かった。

預言者カロン」右野マコ
過激派宗教団体の教祖の息子で、預言者である男の子の話。僕は預言者なんて存在しないという
強固な観念がある為、実はただの父親の傀儡なんじゃ?と思いながら読んでいたので、いまいち
入り込めなかったし、正直よくわからなかった。小学生レベルの僕には難しかったかもしれない。

洋裁店の蝶」高江洲弥
洋裁店の店主もさちゃんが、彼女が好意を寄せるお客の月子にワンピースを仕立てる話。百合だ!
こちらも絵柄が良い。長いまつ毛を伏せた時の目の描き方が好き。せつなげな表情も可愛かった。

不利な相手」佐々大河
身長の低い空手選手の話。主人公が好意を寄せる先輩の恋する表情が可愛かった。絵柄も良い。

愛の焦土」吉田真百合
地球を侵略しようとする宇宙人の息子が、地球の花に魅入られる話。タイトルを見ずに読み始め、
マスコット的なキャラが可愛い、癒やされると思いながら読んでいたら、すごく怖い話だった。
傷口の断面とかもえぐいし・・・。この雑誌を買った事を後悔した。でも力があるのは感じた。

100人の百子さん」川田大智
同一人物が100人居る日常。僕が描く場合はころころ顔が変わってしまう為、同じ顔を何人も
描くのは逆に大変だなと思った。100人の百子が同時に一人に告白する見開きページは圧巻。

豪烈送球」浜田慶亮
ハンドボール大会決勝戦、最後の59秒の話。動きのある作画がすごくて良かったけど、何かしら
オチにすごいものが待っているんじゃないか、と期待しながら読んでしまったのが失敗したな。

ランランランダ」冨明仁
動物園に暮らすメスチーターのランダと、他のいろんな動物たちの話。動物の作画がすごかった。
手塚治虫作品みたい。手塚治虫さんってあの頃すでに完璧な漫画を描かれていたんだな・・・。

つきの裏側」仁科彰太朗
外に出たくないヒロインが昔同棲していた女性を家に呼んでごはんを作ってもらう話。百合だ!
最後にふたりの関係がわかるのが良いですね。顔をゆがめる月乃と、彼女の名を呼ぶ日和が良い。
最初は月乃をただ怠け者かと思っていたんだけど、かつての恋人の顔が見たかったのだな・・・。

彼らのルナシー」井上きぬ
密かに想いを寄せる同僚の教師のスペンサーが、夜毎外で踊っているのを見つけたアラン。
やっぱり絵柄が最高ですね。スペンサー先生は髪を結んでいる時も下ろしている時も可愛い。
赤らめている顔も、誰にも言わないでとお願いしている表情も良い。507~8Pの表情も美しい。
月明かりがブロンドの髪を暖かく照らし、コマ割りの間も読んでいて心地良い。好きです。
主人公がいきなりヒロインにキスする展開は正直好きじゃないのだけど、これも好みの問題。
最後のページの表情も良かったな。スペンサー先生はいつか踊るのをやめられるだろうか?
それとも、これからはアラン先生といっしょに踊り続けるのだろうか?ふたりの未来に乾杯!

アンダソンちゃん生活史」長沼修
ぴょんぴょんぐもの擬人化?と思ったけど糸を出しているから違うのかな。ハエトリグモ・・・?
僕も蜘蛛が好きなので楽しめた。表情が可愛かったな。最後の砂糖水を喜ぶ表情が一番好き。

緋袴をぬがさないで」佐藤春美
アラサー巫女が小学生時代の同級生と再会し、彼の為に厄払いをする話。今回絵柄が一番好き!
眼鏡っ娘でおでこが少し出ていて・・・可愛い。最後の表情も良かったな。幸せになって欲しい。

琥珀の鳥の夢」丸山薫
義理の父親から虐待を受ける鉱物が好きな少年が、いわくつきの琥珀を手に入れのめり込む話。
子どもが痛めつけられるのは創作であってもつらいので、読んでいて結構しんどかった・・・。
なので最後にエーレが父親を殺してくれて嬉しかった。そして主人公は別の世界へ連れて行かれ、
もしかしたらそれは不幸な事なのかもしれないけど、僕にとってはハッピーエンドだなと思った。

子連れ魔王」嵐田佐和子
人間と結婚した魔王とその息子の赤ちゃんの日常。日本なのかw息子の可愛さにもだえる魔王が
可愛かった。旦那さんは仕事で疲れているとはいえ、ちゃんと奥さんの話を聞いてあげて欲しい。
いやでも僕も100億分の1、いや4兆分の1の確率で結婚したら旦那さんみたいになってしまうかも。

ラークの冒険」大武政夫
少年がとある森の中で猫型の獣人と出会う話。「ヒナまつり」の作者さんなのか!ところどころ
シュールで良かった。ラークがお礼に差し出したカブトムシを叩き落とすシーンが好きだなw

みちのくピンポンステーション」渡邉紗代
とある田舎の駅職員が、構内に卓球台を置いて利用客と触れ合う話。一番読んでほっこりした。
好きな方。ドジっ子なヒロインが魅力的だったな。絵柄が古い方だと思うけどそこが良いと思う。

青い夜」namo
教室から出ようとしたら外で教師たちの情事を目にし、出るに出られなくなったふたりの生徒が
自分たちも身体を重ねる話。この柔らかくて可愛い絵柄でえっちな話を描かれたらたまらないな。
愛が先か性が先か。僕の場合は愛(と呼んでも良いのならば)が先である事が多かったかなぁ。

捨て丸さま」氷堂ジョージ
フラれて汚部屋に帰ってきたOLの元に捨て丸という神が現れて断捨離する話。オチが良かった。

俺が一番愛してる!」八重樫莉子
主人公が大学のマドンナ?的存在に告白する話。ヒロインが可愛く、胸も大きくて良かった。

マリリトルサーモネーター」押岡大和
肌に触れる摂氏温度によって肉体年齢が変わる妹の話。老婆の状態から幼児に戻る様子を見て、
おばあちゃんが自分も水風呂に入って「それは無理じゃ~」とツッコまれたコマが面白かった。
妹が可愛く、まゆ毛が太かったので良かった。成長した時に胸が大きくなるのも良かった。


以上。30作品分でした。正直しんどかったのでもう雑誌は読まないと思う・・・。それではまた。
20191116_ハルタオルタ店舗特典
井上きぬ先生が描かれた店舗特典も手に入れました。しかも4月のカレンダーだった!嬉しい!

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RM307

新都社でFAや漫画を描いたり読んだりしています。
このブログでは読んだ作品、作った料理の感想を掲載しています。
2016~2021年は毎週更新、2022年以降は基本的には月2回更新です。
新都社以外で何か触れた作品があった場合は、その都度投稿するかもしれません。

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